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基礎知識

電子マネー決済とは?導入のメリットや種類・選び方を徹底解説

電子マネー決済とは?導入のメリットや種類・選び方を徹底解説

電子マネーは、キャッシュレス化の普及にともない利用者が年々増加しています。
クレジットカードのような審査や年齢制限がなく、カードやスマホに現金をチャージすれば買物時に利用することができます。
今回は、店舗が電子マネー決済を導入するためにどういった点に注目するべきか、解説していきます。

目次

電子マネー決済とは?

電子マネーとは、SuicaやPASMOなどに代表されるもので、プラスチックカードやアプリに、現金やクレジットカードからチャージを行い、そのチャージ額の範囲で決済を行えるサービスのことです。
電子マネーといっても種類はさまざまで、利用できるエリアや限度額などはサービスによっても異なります。
端末にタッチするだけ、またはQRコードやバーコードを読み取るだけで決済が完了し、サインや現金授受が不要なため手軽に決済を終えられるというメリットがあります。

従業員や顧客の感染症対策や販売機会の拡大、現金管理作業の負担を軽減するなど、事業者側にとっても多くのメリットがあるのが電子マネー決済です。

電子マネー決済の歴史

電子マネー決済の歴史は、1996年にソニーが開発した非接触ICカード技術「Felica」の登場に始まります。同ICカード技術は2001年にJR東日本の「Suica」に採用されたのをきっかけに、その後各地の交通機関で乗車券としての電子マネー決済が広がりました。

経済産業省は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで上げることを目標にしており、今後も電子マネー利用は進むと考えられます。
また、近年急速的に普及が進んでいるQRコード決済も電子マネー決済と呼ばれることも増え、今日ではさまざまなサービスが林立しています。

電子マネー決済の普及率

電子マネーの普及率は、近年急速に上昇しています。

電子マネー決済の普及率

引用:総務省統計局公式サイト「急拡大するネットショッピングと電子マネーの利用」

  • 別ウィンドウで総務省統計局のサイトへ遷移します。

2人以上の世帯を中心に総務省が調査した結果では、世帯の誰かが電子マネーを所持している割合が2008年~2018年の10年で2倍になったというデータがあり、電子マネーが普及したことがわかります。
特に、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネー決済は、現時点で全国90万以上の店舗で利用ができるなど、今後も導入店拡大が進んでいくでしょう。
また、クレジットカードの登録がいらない手軽に利用開始できること、キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)などの開始により対応店舗がさらに増加していること等により、普及率は今後も徐々に上がっていくでしょう。

電子マネー決済とクレジットカード決済の違い

電子マネー決済とクレジットカード決済の違いは、主に支払い方法にあります。
電子マネー決済は、アプリやICカードなどに現金をチャージし、その分だけ利用ができるプリペイド型、使用した金額を後払いするポストペイ型、アプリと銀行口座を連携させることで即時に引き落としがされる即時払い型などがあります。
クレジットカード決済はポストペイ型となっています。
また、クレジットカードは支払い時にサインや暗証番号の入力を求められることがありますが、電子マネーではほとんどありません。従ってスムーズに買物がしたいという消費者にとって、電子マネーは手軽で使いやすい決済手段と言えます。

電子マネー決済の導入が効果的な業界

電子マネー決済は、比較的低価格なもので利用されやすく、小売店やランチタイムの営業をしている飲食店などで導入が効果的です。
また、クレジットカードを持たない層への販売機会の拡大ができますので、若年層向けの商品・サービスを提供する企業の導入も進んでいます。
交通系電子マネーであれば、駅の近くの店舗やビジネスマンが多く行き交う街中の店舗においても多くの利用が見込めるでしょう。

電子マネー決済の種類

電子マネーと一言でいっても、種類はさまざまです。
電子マネー決済の主要な種類は

  • ・交通系電子マネー
  • ・流通系電子マネー
  • ・クレジット型電子マネー

の3つです。
それぞれについて、詳しく解説していきます。

交通系電子マネー

SuicaやPASMOなどの、交通機関で発行される電子マネーです。
現金をチャージして使うプリペイド型ものが多く、主に交通機関の支払いに利用されます。
少額決済に向いているので、自動販売機や駅ナカの店舗などで導入することが多くなっています。

流通系電子マネー

nanacoやWAONなどの、流通系の企業がスーパー、コンビニ、通販サイトなどでの利用を前提に発行する電子マネーです。
発行会社の系列店などで利用することによって独自のポイントがつくなどのキャンペーンをやっていることも多く、ポイント還元率を重視した消費者に利用されることが多くなっています。

クレジットカード型電子マネー

iDやQUICPayなどの、クレジットカードで決済を行える電子マネーです。
クレジットカード自体に搭載されていることも多く、少額決済をしたいがクレジットカード利用時のサインや暗証番号入力が手間、という方には利用しやすくなっています。
一般的なカード型のほか、スマートフォンに取り込むタイプなどもあり、利用者は好きな方法で決済ができます。

電子マネー決済の支払い方法

電子マネー決済の支払い方法は以下の3つです。

  • ・プリペイド型
  • ・ポストペイ型
  • ・デビット型

この3つの支払い方法について、紹介します。

プリペイド型

事前にアプリや電子カードに現金をチャージでして、その分だけ使用できる支払い方法です。
この支払い方法は、事前にチャージした分しか使用できないため、使いすぎを防ぐことができます
チャージできる金額は電子マネーの種類で異なるため、使用する前に事前に確認をしましょう。

ポストペイ型

ポストペイ型の支払い方法は後払い制で、クレジットと連携させることで、残高を気にせずに使用できるメリットがあります。
その反面、自分がいくら利用したのか把握できないため、使いすぎてしまうというデメリットも生じます。

デビット型

デビット型の電子マネーは、決済直後に銀行から支払った金額が自動で引き下ろされるシステムです。
ポストペイ同様で残高を気にせずに使用できる一方で、銀行にある分だけのお金を使用することができるため、使いすぎる心配がありません

店舗側で必要な電子マネー決済端末の種類

店舗側で必要な電子マネー決済端末の種類

店舗側で必要な電子マネー決済端末の種類は主に2つです。

  • ・据え置き型CAT端末
  • ・モバイル端末

それぞれの特徴を見ていきましょう。

据え置き型端末

全国で展開している飲食店チェーンなどで使われている決済端末です。コンビニやスーパーなどで使用されているのも、この据え置き型端末。
レジ横に備え付けるタイプなので、設置するために有線を繋ぐ必要がありますが、盗難や紛失などの恐れがありません
カードリーダーやプリンター機能が一体になっているものであれば周辺機器が不要だったり、セキュリティが高く安全性に優れていたりなどのメリットがあります。

モバイル型端末

スマートフォンやタブレット端末をレジの代わりに使用するため、アプリをインストールすることで使用できます。
据え置き型の端末に比べて初期費用や月額費用が抑えられることから、導入するためのコスト削減が可能な端末です。
無線でコンパクトなことから、レジを置く場所を考える必要がないため狭い店舗でも使用できます。また、Wi-Fiさえつなげれば使用できるため、屋外イベントや、店外での利用にも便利です。

店舗側の電子マネー決済のメリット

今や多くの人が使用している電子マネーですが、顧客が使用することで店側にはどういったメリットが生まれるのでしょうか。
店舗側の電子マネー決済の主なメリットは以下の3つ。

  • ・会計時間を短縮できる
  • ・顧客満足度の向上を図れる
  • ・販売機会の拡大

以下で詳しく解説いたします。

会計時間を短縮できる

現金払いは、現金を受け取ったりお釣りを数えたりする作業があるため時間がかかります。
電子マネー決済は、現金を数えたり、お釣りを渡したりなどの作業が完全自動化されるため、大幅に会計の時間を短縮することができます。会計がスムーズになることで、混雑を避けることができます。また、混雑が解消されることで、コロナウイルス感染症対策にも繋がるでしょう。

顧客満足度の向上を図れる

会計時間を短縮できる電子マネー決済は、顧客側の「少額だから小銭を出すのが面倒……」「お財布を忘れたけど電子マネーならあるな……」というような、細かいニーズにこたえることができ、顧客満足度の向上が図れます

販売機会の拡大

電子マネーはクレジットカードとは異なり、事前審査や年齢制限が無いので誰でも気軽に利用することができます。
そのため、クレジットカードを持っていない人や学生などの客層を増やすことができ、販売機会の拡大を狙えるでしょう。
また、交通系の電子マネーを導入しておけば、通勤や通学の途中などでの買物や食事に利用したいという人の集客にもつながります

店舗側の電子マネー決済のデメリット

電子マネー決済は店舗側に多くのメリットをもたらす一方で、デメリットもあります。
導入を考えている方はデメリットを知ったうえで導入を進めましょう。
電子マネー決済のデメリットは以下の2つ。

  • ・高額商品は利用されにくい
  • ・初期費用などのコストがかかる

以下で詳しく解説いたします。

高額商品は利用されにくい

電子マネー決済は、プリペイド型の場合チャージできる上限が備わっています。使いすぎるリスクが避けられるのがメリットですが、高額決済には不向きな特徴があります。
そのため、高単価の商品を販売している店舗や大人数での食事が多い飲食店などでは利用されにくいでしょう。高額商品を扱っている場合には電子マネー決済よりもクレジットカード決済が好まれますので、先にクレジットカード決済を導入することをおすすめします。
逆に、電子マネー決済は低単価のもので利用されやすいので、小物を扱う雑貨店やランチなど低価格なものを多く取り扱う店舗にはピッタリな決済方法です。

初期費用などのコストがかかる

電子マネー決済を導入するためには、すでに使用されている決済端末に電子マネー決済専用のカードリーダーを別途購入し、設置しなければいけない場合があります。
初期費用を抑えるためには、決済端末を1つで複数の決済サービスを導入できるマルチ決済端末がおすすめです。

電子マネー決済導入の方法

電子マネー決済導入の方法は以下の2つです。

  • ・代理店と直接契約
  • ・決済代行会社と契約

1つ目は代理店と直接契約をする方法で、例えばSuica加盟店として契約をしてSuicaのみが使用できるようになります。一種類の電子マネーだけ導入する場合はこの方法がおすすめです。
2つ目は決済代行会社と契約をする方法です。一つの代行会社と契約をすればすべての電子マネーの取り扱いについて契約できるので、複数の電子マネーを導入したい場合におすすめ。
さらに、電子マネーに限らずその他のキャッシュレス決済も一度に導入できる場合もあるため、さまざまなキャッシュレス決済を一括導入したい場合におすすめです。

電子マネー決済端末の選び方

電子マネー決済端末の選び方

電子マネー決済端末を選ぶ際は以下のポイントに注意する必要があります。

  • ・端末の種類
  • ・電子マネー決済以外の決済手段
  • ・費用の詳細

具体的にみていきましょう。

導入する端末の種類で選ぶ

電子マネー決済端末には「据え置き型の端末」と「モバイル型決済端末」の2種類があります。
据え置き型端末は盗難の恐れがなく、セキュリティ面でも強固ですが、有線で繋ぐ必要があることで、設置する場所が限られてしまうデメリットがあります。
モバイル型決済端末は、持ち運びに便利でどこにでも設置ができますので、店外での利用もできますが、Wi-Fiなどのインターネット環境が必要なこと、紛失、盗難の恐れがあることがデメリットです。
それぞれの端末の長所と短所を知って、自分の店舗に合ったものを選びましょう

電子マネー決済以外の決済手段を利用するかどうかで選ぶ

電子マネー決済以外にも、クレジットカード決済やQRコード決済などさまざまなキャッシュレス決済手段があります。
電子マネー決済以外の決済方法を利用する場合には、さまざまな決済手段を一括で導入できるマルチ決済端末がおすすめです。
このように、さまざまなシーンやニーズに合った決済方法、あるいはこれからどういった決済方法を導入したら良いのかを考えて選びましょう。

かかる費用がわかりやすいものを選ぶ

電子マネー端末を導入するにあたって費用が必要になります。

  • ・初期費用
  • ・月額費用
  • ・導入費用 etc……

会社によっては初期費用や月額費用、細かい費用が必要になるケースも。
電子マネー端末導入でかかる費用はできるだけ少なく、分かりやすい方が導入しやすいのでおすすめです。
Square(スクエア)やstera(ステラ)は分かりやすい費用体系をとっています。

入金フローの速さで選ぶ

入金サイクルは決済サービスによって大きく異なりますので、自社の売上管理がしやすい入金フローの速さで選ぶことも重要です。
最短で翌日に入金できるものもあれば、月に1回、月に6回、好きなタイミングで振込依頼ができるなど、さまざまな入金フローがあります。
決済日から最短何日で入金されるのかや、月に何回入金されるのか、自動で入金されるのかあるいは振込依頼が必要なのかなど、入金フローについて確認しておくと導入後も混乱しません。

据え置き型決済端末なら、stera(ステラ)が便利

据え置き型の決済端末ならstera(ステラ)がおすすめ。
電子マネー決済に限らずクレジットカード決済やコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済に対応しており、これ1台で一括対応することができます。
さらに、今まで別で行う必要があったネット店舗とリアル店舗の売上も一つにまとめて管理することができます。
スピーディーな処理ができるため、クレジットカードの読み取りやレシートのプリントアウトにかかる時間の短縮もできます。

また、「stera market(ステラマーケット)」からアプリをダウンロードし、決済端末に使いたい機能を追加することも可能。必要に応じて用途を広げられる万能な据え置き型の決済端末となります。

電子マネー決済導入なら、Square(スクエア)がおすすめ

Wi-Fiやモバイルネットワーク通信で簡単に利用することができるSquare(スクエア)は、電子マネー決済はもちろん、クレジットカード払いやECサイトでの支払いも行うことができます。
SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのほか、iD、QUICPay、Apple Payなどにも対応しています。
Square(スクエア)はインターネット環境が整っていれば、最短で申し込み当日から利用が可能なので、急な導入開始にも対応しています。また、初期費用や月額費用は一切必要ありません。分かりやすい料金体系で中小企業や個人店などでも利用しやすい決済端末です。

今回の記事のまとめ

電子マネー決済とは?

  • ・電子マネー決済の歴史
  • ・電子マネー決済の普及率
  • ・電子マネー決済とクレジットカード決済の違い
  • ・電子マネー決済の導入が効果的な業界

電子マネー決済の種類

  • ・交通系電子マネー
  • ・流通系電子マネー
  • ・クレジットカード系電子マネー

電子マネー決済の支払い方法

  • ・プリペイド型
  • ・ポストペイ型
  • ・デビット型

店舗側で必要な電子マネー決済端末の種類

  • ・据え置き型CAT端末
  • ・モバイル型端末

店側の電子マネー決済のメリット

  • ・会計時間を短縮できる
  • ・顧客満足度の向上を図れる
  • ・販売機会の拡大

店舗側の電子マネー決済デメリット

  • ・高額商品は利用されにくい
  • ・初期費用などのコストがかかる

電子マネー決済導入の方法

直接契約と決済代行会社の2つを選択

電子マネー決済端末の選び方

  • ・導入する端末で選ぶ
  • ・電子マネー決済以外の決済手段を利用するかで選ぶ
  • ・かかる費用がわかりやすいものを選ぶ
  • ・入金フローの速さで選ぶ

据え置き型決済端末なら、stera(ステラ)が便利

電子マネー決済に限らずクレジットカード決済やコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済に対応しているため、決済手段を1台で処理することが可能

電子マネー決済導入なら、Square(スクエア)がおすすめ

Wi-Fiやモバイルネットワーク通信で簡単に利用することができるSquare(スクエア)は、洗練されたポケットサイズのICカードリーダー

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