基礎知識
在庫管理アプリは無料でも大丈夫?選び方や導入のポイントも紹介
在庫管理の方法は、企業や店舗によってさまざま。小規模店舗では、いまだにアナログでの管理を行っている、という所も多いかもしれません。
在庫管理アプリやPOSレジ連動のシステムを導入すれば、今まで行っていた在庫管理業務を一気に効率化できます。
今回は、在庫管理アプリについて、実際に何ができるのか、メリットは何かなど詳しく見ていきましょう。
目次
在庫管理はアプリでもっと手軽に!
在庫管理アプリは、スマートフォンやタブレット端末などで在庫の出庫や棚卸を行えるシステムのこと。
手軽に利用できることなどから、さまざまな店舗で導入が進んでいます。
特に、今までアナログで在庫管理を行っていた小売店や、小規模なECサイトなどを運営している方にとって、いつでも持ち運べて、簡単に導入できる在庫管理アプリは業務効率化にうってつけのツールです。
経営に直結!在庫管理の重要性
在庫管理は、単に必要な在庫を確保するためだけのものではありません。まず、「どの商品がいくつ、どこに保管されているか」を正確に記録するところから始まり、入出庫をタイムリーに記録しなくてはなりません。
手違いで、発注数と入庫数がずれたり、入出庫の記録時に入力ミスがあったりすることもありますので、帳簿上の数と実数とを定期的に確認し、数値を合わせておく必要もあります。
これらの作業を怠り、帳簿上の数と実数がかけ離れてしまうと、経営状況を正確に把握することが難しくなり、販売不振や無駄なコストなど、経営に関わる諸問題を見逃す可能性があります。在庫管理は多くの企業にとって、経営に直接関わる重要な業務なのです。
また、正確かつ迅速な在庫管理により、商品の売れ行きをリアルタイムで把握・分析、販売促進施策に生かすことで、更なる売上アップにつなげることもできます。
在庫管理が抱えている課題とは?
企業にとって重要な業務である在庫管理には、多くの課題が潜んでいます。それは、在庫管理のやり方の問題であったり、使用するツールの問題であったりしますから、何かひとつの対策によって、すべてを解決することはできません。
しかし、これらの課題をひとつずつ解決していけば、確実な在庫管理を実現できるはず。まずは在庫管理の問題点と、解決すべき課題を挙げてみましょう。
過不足が起こりやすい
入庫までに要する時間や、それまでに出庫していく数の見込みが立てられないと、在庫の過不足が起こってしまいます。アパレルや飲食では季節の変化に加え、天気や気温によって毎日の売れ筋が大きく変化しますから、それを見越した発注を行わなくてはなりません。
見込みが外れると在庫の過不足が起こり、ロスを出したり、せっかくの販売機会を逃したりしてしまいます。
属人性が強い
さまざまな条件を踏まえて的確なタイミングで適量を発注するのは、誰にでもできることではありません。
そのため、在庫管理は属人性が強くなり、ほかの従業員には手を出せない業務になってしまいます。
人為的ミスが起きやすい
どんなに厳格に管理していても、出庫の記載漏れや数量の入力ミスなど、人為的なミスはどうしても起こりえます。それを防ごうとダブルチェックを導入すれば、管理工数は増えるばかりです。
情報の二次利用がしにくい
在庫情報がアナログで管理されている場合、そのデータを取り出して活用するのが難しくなります。
データでの保存であれば、いつ何が売れやすいのか、といった売上分析や、実店舗とECサイトでの相互の在庫管理も容易になります。
在庫管理アプリで何ができるのか?
市場に登場している各種在庫管理アプリは、前述した在庫管理における業務課題を解決してくれます。「うちは規模が小さいし、Excelで管理できているから大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
在庫管理の手間と時間を圧縮できれば、ヒューマンリソースを別の業務に振り分けることができるうえ、発注ミスによる過剰在庫や在庫切れを防ぎ、販売機会の損失を避けられます。
また、入力の段階からデジタルデータとして情報を扱えますから、年間の売上推移をまとめたり、売れ筋商品を見極めたりといった使い方も◎。
少人数で切り盛りしなくてはならない小規模店舗ほど、デジタル管理の恩恵は大きいのです。
在庫管理アプリの主なメリット
在庫管理アプリには、具体的にどのような特徴とメリットがあるのでしょうか。製品によって少しずつ機能は異なりますので、ここでは主なものを挙げてみましょう。
手軽で誰にでも簡単に使える
アプリは、機能もさることながらユーザーインターフェースが重要。今や、誰もがスマホアプリを使いこなす時代なので、見た目にわかりにくく、使いにくいアプリは見向きもされないでしょう。
在庫管理アプリは、そこはしっかり押さえられており、簡単な操作で誰にでも使いやすく設計されているものが多いです。
作業がスピーディー
スマホやタブレットで帳簿上の数字を確認しながら、同時に現物のチェックができます。間違いの修正も簡単ですし、修正したデータはリアルタイムで反映されます。
低価格
アプリの機能によっても変わりますが、高価なものでも数千円。また、月額課金型のアプリは、月数百円で提供されていますから、そこまでコストを気にせず使うことができるでしょう。
機能制限がかけられていることは多いものの、無料で配布されているアプリもあります。
クラウドならどこからでも使える
クラウドサービスとして提供されているアプリなら、対象店舗のみならず、どこからでも利用することができます。複数店舗を展開しているショップオーナーならば、とても使いやすいでしょう。
在庫管理アプリ導入のポイント
在庫管理アプリには、さまざまなメリットがあります。デモ版が用意されているなら、実際にしばらく使ってみて使用感を確かめることもできます。候補をいくつかにしぼったら、試してみるといいでしょう。
そのうえで、次に挙げるようなポイントを知っておくと、より効果的な活用ができるはずです。
解決したい課題を明らかにしておく
多くの課題が潜んでいる在庫管理の中でも、特に解決したい課題を明らかにしておきましょう。
例えば、在庫記録の時間短縮であれば、記録機能が優れているものを、在庫管理の属人化防止であれば、より誰にとっても使いやすい使用感のものを、店舗外からも在庫管理を行えるようにしたいのであれば、クラウドサービスとして提供されているものを選ぶなどとすれば、課題解決の効果をより得られるでしょう。
ルールを作り、徹底する
在庫チェックや発注をかけるタイミングと手順などをルール化し、これを徹底するようにしましょう。これはシンプルなほど好ましく、ルールが複雑になってくると作業負荷が増えるばかりです。
ただし、最初から完全なルールを設定する必要はなく、柔軟に考えておくのが良いでしょう。とりあえず決めたルールに沿って業務を動かし、もしも不具合があるようなら変えていく……という姿勢でも大丈夫です。
また、誰がどこまでの作業を行うかを決めておくことは、セキュリティ上、とても大切なこと。これは最初にきちんと決め、遵守するようにしましょう。
在庫管理アプリを選ぶときのポイント
現在、さまざまな在庫管理アプリがあるため、どのアプリを選べば良いか迷ってしまう、という方も多いと思います。
自社に合ったアプリを選べるよう、在庫管理アプリを選ぶときのポイントをまとめました。
- ・費用対効果を考えて選ぶ
- ・必要な機能があるかで選ぶ
この2点について、詳しく解説していきます。
費用対効果を考えて選ぶ
在庫管理アプリは、無料で使えるものも多いですが、機能に制限がかかってしまう場合もあります。
事業の規模によっては無料アプリでも事足りますが、中規模~大規模の在庫管理は無料アプリだけでは管理しきれず、在庫管理アプリ導入の効果が薄れてしまう場合もあるでしょう。アプリ導入時は、無料にこだわることなく、費用対効果を分析した上で選ぶ用意するとよいでしょう。
まずは無料アプリを試してみてから、有料版にアップグレードするのもおすすめです。
必要な機能があるかで選ぶ
在庫管理アプリには、さまざまな便利な機能が追加されていることも多いです。
在庫管理アプリにあると便利な機能は以下のとおり。
- ・共有機能
- ・アラート機能
- ・バーコード読み取り機能
この3つの機能について紹介します。
共有機能
従業員同士や、店舗間で情報を共有できる機能がついていれば、店舗間での在庫の振り分けや従業員同士の引継ぎの時に便利です。
共有機能を活用することで、在庫管理の属人化を防ぎ、業務の効率化も進みます。
ただし、誰にでも共有できてしまうと危険ですので、共有する先をしっかりと前もって決めておくことや、セキュリティ対策がしっかりとしたアプリを選ぶと良いでしょう。
アラート機能
商品の在庫が少なくなった際に、通知してくれるアラート機能がついたアプリであれば、発注を忘れることや品切れを防ぐことができます。
特に、小規模でECサイトを運用している個人の方は、在庫が切れる前に商品を発注するなど、発注のタイミングも管理ができます。
難しい発注タイミングの管理も、アラート機能でスムーズに行えるようになるでしょう。
バーコード読み取り機能
在庫が多い場合には、スマートフォンのカメラなどを利用して、バーコードをスキャンすることで商品の残数が分かる機能のついた在庫管理アプリが便利です。
しかし、バーコードの読み取り精度が低いと、在庫管理に時間がかかってしまうことも多いため、まずは無料版で体験してみることをおすすめします。
在庫管理アプリは無料でも大丈夫?
在庫管理アプリは、無料のものも多く存在します。
ですが、有料版と比べ使える機能が少ないことや、セキュリティの面で不安が残ってしまうことも。
そのため、信用できる会社のアプリを利用することや、完全無料で多くの機能を使えるアプリを選んでおくことが大切になります。
自社に合っているかどうかは使ってみなければ分からない、ということもありますので、有料版を買う前に無料版で試してみるのが良いでしょう。
在庫管理ができるPOSレジアプリを活用しよう
スマホやタブレットで操作するPOSレジアプリには、クオリティの高い在庫管理機能を持つものがあります。こうしたアプリを使えば、レジで会計する度に在庫情報が連動しますから、常に正確な在庫数をリアルタイムで把握することができます。
例えば、「Square(スクエア)」はクレジットカード対応のPOSレジとして無料で使えるうえ、在庫管理や勤怠管理もできるため、小規模な店舗にはまさに最適です。
Squareは、三井住友フィナンシャルグループと提携しているため、セキュリティの面でも安心。
在庫管理アプリ単体で使うよりも業務の効率化に役立ちますから、状況に合わせて選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
今回の記事のまとめ
在庫管理はアプリでもっと手軽に!
経営に直結!在庫管理の重要性
在庫管理が抱えている課題とは?
- ・過不足が起こりやすい
- ・属人性が強い
- ・人為的ミスが起きやすい
- ・情報の二次利用がしにくい
在庫管理アプリで何ができるのか?
在庫管理アプリの主なメリット
- ・手軽で誰にでも簡単に使える
- ・作業がスピーディー
- ・低価格
- ・クラウドならどこからでも使える
在庫管理アプリ導入のポイント
- ・解決したい課題を明らかにしておく
- ・ルールを作り、徹底する
在庫管理アプリを選ぶときのポイント
- ・費用対効果を考えて選ぶ
- ・必要な機能があるかで選ぶ
在庫管理アプリは無料でも大丈夫?
在庫管理ができるPOSレジアプリを活用しよう
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