はじめ方
クリニックの開業方法とは?開業の流れや必要な資格、資金について解説
クリニック開業を決意したものの、どのような手順を踏まえてよいかお悩みのドクターも多いのではないでしょうか。この記事では、クリニック開業の主な流れから、必要な資格、備品リスト、診療科目別の資金相場などをまとめました。開業時に重要な要素である「資金調達」についても、融資に必要となる事業計画の策定方法を知ることができます。
また、コロナ禍のため密にならない状態を作るにはどうすればいいのか、お悩みの方も多いでしょう。会計時の時間短縮は患者さまと受付業務の双方にメリットがあるため、開業時に必要となる決済システムについても紹介していきます。
目次
クリニック開業の流れとは?成功するための7つのステップ
クリニックを開業するには、初めに事業計画を策定します。事業計画の策定は開業準備の基盤となるだけでなく、資金調達にも影響するため、今後の運営にも大きく関わる重要な要素です。
事業計画が決まったら、どのような手順で進めていくのでしょうか。ここでは、そのプロセスを7つに分けて、開業までの流れを具体的に解説します。
Step1:事業計画の策定
理想とする診療を実現するためには、まずクリニックの経営理念を決定します。ほかのクリニックと差別化を図ることも大切で、「なぜ開業を志したのか」「どのようにして地域貢献をしていきたいか」など、掘り下げる作業を行いましょう。
自身のクリニックの特徴や方向性を定めたら、具体的な事業計画の策定に移ります。実際にかかる収支を知るために、損益計算書や収支予算表の作成も必要です。
開業する診療科目によって必要な資金は異なるため、各科の資金相場を把握しておけば、資金不足に陥ることを回避できます。
また、勤務医として働きながら開業準備を進めるとなると、準備に専念できる人ばかりではないでしょう。負担を減らすためには、事業計画の段階から専門家のアドバイスを受けるなどの工夫も大切です。事業計画が明確になると、具体的な開業のイメージが見えてくるでしょう。
Step2:開業地・物件の選定
次に、開業地や物件を選定します。新規開業の場合は、開業までに物件を決めなければなりません。開業後も長く事業を続けていくためには、将来を見据えた長期的な視点が大切で、上記で決めた経営理念をもとに開業地の選定を行いましょう。
競合調査や患者が通院しやすい立地条件か、開業予定地の年齢別人口の調査はもちろん、将来的に人口が増えそうかといった見通しも重要です。それらを総合的に分析した、専門家の診療圏調査を利用する方法もあります。
また、クリニックの開業にはテナントや一戸建て、クリニックビルなどさまざまな選択肢があります。土地と建物それぞれを購入するのか賃貸か、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で検討していきましょう。
Step3:資金調達
物件選定と同時に資金調達を進めます。事業計画をもとに借入希望金額を決定したら、金融機関と交渉を進めましょう。好条件で融資を受けるためには、趣意書の作成と精密な事業計画が必要です。
趣意書とは、医師になった理由や開業を決意した理由、開業後にどういったサービスをしたいかなどをA4用紙1枚程度にまとめたものです。担当者との面接では、趣意書や事業計画書をもとに自身の考えを伝えて融資を獲得します。
なお、政府系金融機関や地方銀行、医師会などの融資制度から融資を受けることも可能です。状況に応じて融資先を検討しましょう。
Step4:内装・医療機器の準備
融資や物件が決まったら内装のレイアウトを考え、必要な医療機器を選定します。医療機器の配置を考えるには、機器の性質を理解することも必要です。感染症拡大防止の観点から、密にならないような配慮や工夫も大切でしょう。
また、内装は患者さま目線だけでなく、一緒に働くスタッフが少人数で効率的に動ける動線も重要になります。内装の印象は、患者さまから見たクリニックのイメージを決めることになるでしょう。
クリニックの内装や医療機器の準備を進める際、慣れた専門業者や医療専門の開業コンサルタントなどを活用する方法もあります。空調設備や水回り、電気容量など細かな点まで打ち合わせを重ねて、後々トラブルが起きないようにしましょう。要望や気になる点はしっかりと伝えるのもポイントです。
Step5:各種申請業務
クリニックを開業するためには、申請や届出などの手続きが必要です。必要な行政手続きが済んでいないと、開業が遅れることにもなりかねません。開業場所の管轄保健所には開設後10日以内に「診療所開設届」を提出します。
また、保険医療機関として指定を受けなければ、患者さまに保険が適用されません。保険診療を行うためにも、厚生局に「保険医療機関指定申請」を行います。開業スケジュールに合わせて、あらかじめ各機関に相談しながら手続きを進めていきましょう。
Step6:スタッフ採用・広告宣伝
開業までに、看護師や受付事務などスタッフの採用や研修も必要です。3ヵ月くらい前から採用活動を始めて、1ヵ月前には研修を始められるようにしましょう。
患者さまに来院してもらうためには、クリニックを周知することが必要です。チラシや新聞広告などを利用したり、パンフレットを作成して周辺の飲食店などに配布したりするのもよいでしょう。
また、近年インターネットでのクリニック検索が主流となっているため、ホームページの制作は重要です。自社ホームページを制作して、クリニックのポータルサイトに登録しておくとよいでしょう。開業後の集客にもつながるので、開業までに準備をしておきます。
Step7:開業
いよいよ開業医としてのスタートです。事業計画に沿った理想の診療ができるよう運営をしていくことになります。まずは、来院数を増やしてクリニックを軌道に乗せましょう。
開業当日は業者挨拶など、患者さまの数はそれほど多くなくても忙しく感じるかもしれません。開業までに研修やシミュレーションをしていても、患者さまを相手にすると何かと時間がかかってしまうものです。患者さまを待たせないようなスムーズな運営を心がけましょう。
クリニック開業に必要な資格と役立つ資格
クリニックの開業は医師免許があれば可能ですが、開業する人が医師免許を持っていなくても、医師免許を持つ人が院長として管理者になれば問題ありません。
以下では、民間の資格も含めて開業に役立つ資格を紹介します。
持っておくとよい資格
開業にあたり、「専門医」の資格を持っておくとよいでしょう。医師の専門性を示すもので、2年間の「初期臨床研修」の後、後期研修を受けて取得する流れです。
そのほか、経営能力を高められる民間資格として「医療経営士」、「医療経営コンサルタント」、「病院経営管理士」もあります。さらに、医療資格に関わらず「経営学修士(MBA)」や「中小企業診断士」などの資格取得により、経営力をつける人も増えている傾向にあります。
また、建物の面積や収容人数などによっては「防火管理者」の選任も必要です。条件を満たす場合は、医師が「防火管理者」の資格を取得することが望ましいといえます。
【診療科目別】クリニック開業に必要な資金相場はいくら?
クリニックのコンセプトにより、開業に必要な資金は大きく異なります。診療科目が同じでも導入する医療機器や開業形態によって、必要な資金も変わってくるためです。
しかしながら、おおよその相場を知ることは可能です。ここでは診療科目別の、開業資金の相場を解説します。
内科
内科クリニックの開業資金は、土地や建物は約3,000万円~、設備は約2,500万~3,500万円が相場です。一般内科の中でも消化器内科を併設する場合は、さらに費用がかかります。内視鏡検査や超音波検査などの医療機器の導入や、検査で使用する患者用トイレの確保も必要です。
小児科
小児科クリニックの開業資金は、土地や建物は約3,000万円~、設備は約1,000万円が相場になります。小児科では感染力が強い病気を取り扱うことが多く、隔離するための待機室や専用出入口などが必要です。そのため内装工事に費用がかかります。ほかにも子ども連れで来院する人が多く、キッズルームの設置や駐車場を準備するなど、土地や建物もある程度の大きさが必要でしょう。
皮膚科
皮膚科クリニックの開業資金は、土地や建物は約1,500万円~、設備は約500万円~が相場です。美容目的で来院する女性患者を受け入れる場合は、レーザー機器の導入で設備に1,000万円以上かかるでしょう。
皮膚科は老若男女来院しますが、大きな建物である必要はないため、土地や建物にかかる費用が抑えられます。レーザー治療を行わない場合は初期費用500万円程度から開業可能です。
耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科クリニックの開業資金は、土地や建物は約3,000万円~、設備は約2,000万~2,500万円が相場です。耳鼻咽喉科を利用する患者さまは、高齢者や子どもが多い傾向にあります。
そのためバリアフリーにしたり、スロープを設置したりするなど内装も工夫しましょう。感染症対策として待合室に換気システムを取り入れるのも得策です。
整形外科
整形外科クリニックの開業資金は、土地や建物は約3,000万円~、設備投資に約1,900万~2,500万円が相場です。整形外科ではリハビリテーションを行うため、初期費用が多めにかかります。
そのため、クリニックのコンセプトにより開業資金が大きく異なるでしょう。理学療法士や作業療法士など、リハビリテーションを行う専門知識を持った人材の確保も必要です。
心療内科・精神科
心療内科クリニックの開業資金は、土地や建物が約1,000万円~、設備投資には約400万円~が相場です。クリニックの中では、最も開業資金がかからない診療科目といえます。
また、看護師の配置も必須ではなく人員も少なくて済みます。患者さまのプライバシーに配慮した落ち着いた雰囲気作りをするため、内装には特に気を配ることが必要でしょう。
クリニック開業時に困らないための備品リスト
実際に患者さまを診察するようになると、多くの備品が必要です。開業に向けてあらかじめ備品リストを作成しておけば、適切な管理が可能です。繁忙期に在庫切れで慌てることもありません。
ここでは、クリニックで使用する備品を5つの項目に分けて紹介します。
診療室
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診療室の備品リスト |
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タイマー、電池、ティッシュペーパー、ペーパータオル、院内伝言用のホワイトボード、薬品用冷蔵庫 |
待合室
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待合室の備品リスト |
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玄関マット、椅子、ソファ、スリッパ立て、テレビ、ウォーターサーバー、時計、テーブル、傘立て、空気清浄器、マガジンラック、BGM装置、人感センサー 新聞や雑誌類、医院紹介リーフレット、患者教育用書籍、アルコール消毒液、スリッパなど |
事務用品
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事務用品リスト |
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朱肉、消しゴム、ボールペン、ペン立て、メモ用紙、便箋、封筒、ハサミ、印鑑、医院名ゴム印、代表者印、スタンプ台、定規、修理工具(工具セット)、のり、指サック、ハガキ、セロハンテープ、ホチキス、カッター、クリップ類、シャープペンシル、修正テープ、輪ゴム、穴あけパンチ、バインダー クリニックの診察券や問診票、契約関係ファイル、税務署申請ファイル、医師会ファイル、カルテ各種など |
掃除用具
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掃除用具リスト |
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モップ、バケツ、ぞうきん、ゴミ袋、漂白剤、洗剤、台所用洗剤、ガラスクリーナー、パウダールームアメニティグッズ、ゴム手袋、ゴミ箱、ホウキ、ちりとり、ペーパーホルダー、ハンドソープ、スタッフルーム用品など |
決済システム
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会計の備品リスト |
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金庫や釣り銭、マネートレー、決済システムなど |
非接触決済&診察券のデジタル化でスムーズな受付業務を実現
現金決済のみの場合、例えば混み合うと会計待ちの人で待合室がいっぱいになるなど、現金の管理や金銭授受の煩わしさがあります。さらに、近年は新型コロナウイルス感染予防のため、金銭授受が不要な非接触決済の需要が高まっています。
そこで、今回おすすめする「stera pack forクリニック」を導入すれば、医療機関・クリニック向けサービスでありながら非接触決済が可能です。
「stera pack forクリニック」は、医療機関・クリニック向けのサブスクリプションサービスです。月額使用料は3,300円(税込)と、開業時のクリニックにも導入しやすい低コストを実現。
さらに、デジタル診察券アプリ「おまとめ診察券 byGMO for stera」によって診察券をデジタル化することで、受付業務の削減といった業務効率化だけでなく、予約登録管理機能も搭載しているので患者さまが密にならない状況を作ることができます。なによりアプリ上で来院予約ができたり、予約日をリマインド設定できたりするなど患者さまの利便性に貢献します。
- 別ウィンドウでSMBC GMO PAYMENT株式会社のサイトへ遷移します。
受付や診察に時間がかかり、患者さまの滞在時間が長くなりやすいのはクリニックの業務上の課題といえます。患者さまを待たせすぎてしまうと、クリニックの評判を落としかねません。「stera pack forクリニック」を導入すれば、開業直後のクリニックでもスムーズに受付ができます。患者さまの滞在時間を削減できるのは、クリニックにとっても魅力でしょう。
クリニック開業時におすすめの医療機関・クリニック向けサービスなら「stera pack forクリニック」
「stera pack forクリニック」なら、初期コスト不要で30種類以上の決済手段に対応した決済端末「stera terminal」の利用が可能です。さらに、医療に特化した業務端末アプリ「おまとめ診察券 byGMO for stera」が標準搭載されています。
クリニックの開業時に、「stera pack forクリニック」をおすすめする理由について詳しく解説します。
1台の導入で受付業務負担を大幅に軽減
「stera pack forクリニック」で利用できる決済端末stera terminalは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど1台で30種類以上の決済手段に対応しています。
そのため、複数の端末を用意したり、決済に応じて端末を変えたりする必要もありません。カードの受け渡しが不要なため接触機会を減らせるほか、自動で音声案内が流れるためスタッフの声がけも不要であり、飛沫を考慮する必要もありません。
紙の伝票も排出することは可能です。控えを決済センターへ郵送するやり取りも少なくなります。プリンターも内蔵しているので、別途プリンターを用意する必要もありません。また、ロール紙も一般的には購入が必要ですが、無料で発注することが可能です。まさに効率化を図る多様な機能で、受付業務の作業改善が期待できます。
初期コスト0円かつ低価格な月額料金
「stera pack forクリニック」はサブスクリプション型(月額定額制)で、月額使用料は3,300円(税込)です。初期コストや追加費用は0円、定額料金で決済端末stera terminalと標準搭載されたアプリ「おまとめ診察券 byGMO for stera」が利用可能です。
デジタル診察券アプリ「おまとめ診察券 byGMO for stera」が標準搭載
- 別ウィンドウでSMBC GMO PAYMENT株式会社のサイトへ遷移します。
決済端末stera terminalにデジタル診察券アプリ「おまとめ診察券 byGMO for stera」が標準搭載されています。患者さまはおまとめ診察券のエンドユーザー向けアプリをダウンロードし、stera terminal にQRコードをかざすだけで受付ができるため、紙の診察券が不要となり、忘れや紛失による再発行業務の負担がありません。
さらに、アプリ上で来院予約ができるため、受付業務を削減することができます。電話での診察予約を削減できるのは大きなメリットではないでしょうか。患者さま自身がエンドユーザー向けアプリに予約日を登録すれば、リマインド機能で前日にお知らせしてくれます。
また、クリニック側は患者さまの来院状況の管理が可能です。アプリを利用しない人にはstera terminalから受付票、予約票の2枚を払い出し、受付票に番号が振られているため、順番管理にも活用することが可能です。おまとめ診察券byGMO for steraの活用で、受付用務の効率化が期待できます。
医療業界ではデジタル化がまだまだ進んでいない状況ですが、高度なシステムではないのでデジタル化の「はじめの一歩」として活用できる、とても簡単なアプリです。
「stera pack forクリニック」の詳細については、こちらをご覧ください。
- 別ウィンドウでSMBC GMO PAYMENT株式会社のサイトへ遷移します。
今回の記事のまとめ
- クリニック開業の主な流れは7つのプロセス
- ・Step1:事業計画の策定
- ・Step2:開業地・物件の選定
- ・Step3:資金調達
- ・Step4:内装・医療機器の準備
- ・Step5:各種申請業務
- ・Step6:スタッフ採用・広告宣伝
- ・Step7:開業
クリニック開業に必要な資格は大きく分けて2つ
- ・持っておくとよい資格は「専門医」の資格
- ・民間資格の取得で経営力を高める
診療科目で異なる開業資金
- ・内科は診療する内容で開業資金が変わる
- ・小児科は内装費用がかかる
- ・皮膚科の初期費用は500万円~
- ・耳鼻咽喉科は内装に工夫が必要
- ・整形外科はリハビリテーションなどのために設備費用がかかる
- ・開業資金が比較的少ないのは心療内科・精神科
クリニック開業時に困らないための備品リスト
- ・診療室に必要な備品はタイマーやティッシュなど
- ・待合室では椅子やソファ、雑誌などを準備
- ・一般的な事務用品のほかに、カルテやファイルが必要
- ・洗剤やモップなどの掃除道具を用意
- ・決済システムは作業効率があがるものが最適
非接触決済&診察券のデジタル化でスムーズな受付業務を実現できる
- ・非接触決済を導入すれば会計時の混雑の緩和や、感染症対策対策ができて安心・安全
- ・診療券をデジタル化することで、受付業務の効率化や患者さまの利便性に貢献できる
クリニック開業時には「stera pack forクリニック」がおすすめの理由
- ・決済端末「stera terminal」1台であらゆる決済手段に対応できる
- ・低価格な月額料金で、初期コストゼロだから取り入れやすい
- ・「おまとめ診察券 byGMO for stera」で受付業務の手間を削減できる
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