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移動販売の開業。失敗しない方法と必要な許可・資格を解説

移動販売の開業。失敗しない方法と必要な許可・資格を解説

クレープの販売から移動スーパーまで、さまざまなところで活躍している移動販売。
キッチンカーやケータリングカー、フードトラックと呼ばれることもありますが、低コストで開業できることに加え、ライフスタイルの変化などから急激に増加しているともいわれています。
今回は、移動販売に興味を持っている方や開業を考えている方に向け、移動販売に必要な準備や許可、失敗させないためのポイントについて解説します。

目次

移動販売を始めるのために必要なもの

移動販売の開業に必ず必要になるものとして、以下の2つが挙げられます。

  • ・移動販売車
  • ・食品衛生責任者講習の受講

食品を販売する際に店舗代わりとなる移動販売車の選び方や購入方法は、一般車両を購入する場合とは異なるため、事前によく確認しておく必要があります。
また、食品を扱うことが多いため、食中毒や食品衛生法違反を防ぐために「食品衛生責任者」の資格が必須となります。
以下ではそれぞれの内容について詳しく解説していきます。

移動販売車

移動販売には、移動および販売に利用するための車両が必要となります。
車両の選び方は大きく軽バンタイプ軽トラックタイプの2種類があり、費用相場およびメリット・デメリットは以下のとおりです。

移動販売車の種類とメリット・デメリット

また、キッチンカーの購入方法も以下のように大きく2つに分けることができます。

  • ・中古車を購入し内装工事
  • ・移動販売車の製造会社に依頼

中古車を内装工事する場合、自分のイメージとおりの内装に仕上がりやすく、比較的安価で仕上げることができますが、保健所および車検の審査基準を自分で把握しておく必要があります。
対して、移動販売車の製造会社で依頼する場合、今まで手がけてきた移動販売車のノウハウを活かした内装工事から保健所の許可まで通してくれます。
しかし、その分手数料などを含めると中古車を自分で内装工事するよりも、費用が高くなる傾向があります。

食品衛生責任者の講習を受ける

移動販売を開業する際には、飲食店と同様に食品衛生責任者講習の受講が必須となります。
これは、営業の際に食中毒の発生や食品衛生法違反を起こさないよう、食品衛生の管理・運営を目的としており、営業許可書1枚につき、1名以上の食品衛生責任者を配置しなければいけません。
食品衛生責任者講習会は、営業許可書を取得するタイミングで自動的に食品衛生責任者講習への案内が届きます。
各都道府県の食品衛生協会が実施していますが、講習内容は大きく以下のとおりで、6時間以上の講習を受講すると資格が取得できます。

  • ・公衆衛生学:1時間
  • ・衛生法規:2時間
  • ・食品衛生学:3時間

受講料に関しては、1万円程度が相場で、講習会は定員が決まっているため早めに受講へ申し込んでおくのがおすすめです。
なお、栄養士や調理師などの資格を持っている方は、食品衛生責任者の講習は不要で、申請だけで取得できます。

移動販売に必要な許可

移動販売に必要な許可

移動販売車の用意と食品衛生責任者講習を受講したら、いよいよ実際に出店・営業を認めてもらうための許可を得る段階に入ります。
移動販売に必要な許可としては以下の2つが挙げられます。

  • ・保健所による営業許可
  • ・出店場所の許可

移動販売の許可は各自治体に設置されている保健所から許可を得る必要があり、許可を得た地域でのみ移動販売が認められます
また、出店場所に関しても土地の所有者からの許可を得る必要があるため、移動販売の出店場所探しが必要となります。
以下では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

保健所による営業許可

移動販売を行うためには、保健所から営業許可を取得する必要があります。
保健所は各自治体に設置されていますが、営業許可を受けた地域でのみ移動販売の営業が可能なので、事前に移動販売をどのエリアで行うのか決めておく必要があります。
日本全国で移動販売を行いたいという方もいるかもしれませんが、保健所は全国各地に多数設置されています。
また、届け出ごとに移動販売車の改造が必要で、営業許可の取得費用が1か所ごとに1万円程度必要になるため多額の費用がかるため現実的ではありません。
なので、事前に移動販売を行う地域を決め、その保健所の営業基準を満たす移動販売車を整備していきましょう。
さらに、仕込み場所にも保健所からの営業許可が必要で、提供するメニューによっても異なります。
自宅で仕込みをすることはできず、知り合いの飲食店などを仕込み場所として利用させてもらう場合にも営業許可が下りないケースがあります。
その問題を解消するために、仕込み用の部屋を借りたり、フランチャイズに加盟したりする場合もあります。

出店場所の許可

保健所による営業許可を得ることができたら、実際に移動販売の営業を行う出店場所の所有者から許可を得る必要があります。
出店場所の探し方としては、主に以下の6つが挙げられます。

  • ・ネット上で出店募集情報を調べる
  • ・出店場所を貸し出している会社を探す
  • ・観光協会や公園管理事務所などに登録
  • ・マッチングサービスなどの仲介業者を利用する
  • ・常連客や知り合いに紹介してもらう
  • ・自ら新規開拓する

出店したい場所があるようでしたら、出店したい旨を店長や責任者などの所有者に伝え交渉しましょう。
出店場所の許可を得る際には、ほとんどの所有者がイメージアップや売上・お客さんの増加などのメリットを期待しているため、出店を認めてもらうのが難しいケースも多いです。しっかりとメリットを伝えることが大切です。

移動販売の開業タイプ

移動販売は、店舗を移動するというメリットがあるため、販売する商品内容やエリアごとの顧客層に応じた販売場所選びがポイントとなります。
売り上げが良い販売場所の確保や移動販売のメリットを活かした需要が見込める場所探しおよび出店が重要です。
また、移動販売の業態も複数存在するため、あらかじめコンセプトを定める必要があります。
以下では、開業タイプの紹介および顧客層や販売場所に関する内容を解説していきます。

生活必需品販売


スーパーが少ない地方やお年寄りが多い地域など、「買物弱者」と呼ばれる方たちに向け、生鮮食品や日用品をはじめとした生活必需品を販売するタイプの移動販売です。
週に1~2回程度決まった曜日・時間・場所で販売を行うのが一般的で、地域住民が集まりやすい公共施設の空きスペースをはじめ、道端などで停車し営業を行います。
移動販売車に関しては、食品販売向けの改造車両が使われることがほとんどです。

イベント販売型

以下のような人が集まりやすいエリアにおいて、飲料や食品を販売するタイプを一般的にイベント販売型と呼びます。

  • ・ランチタイムのオフィス・ビジネス街
  • ・繁華街、商店街
  • ・観光名所、遊園地、公園
  • ・ショッピングモール
  • ・フェス、フリーマーケットなどのイベント会場
  • ・大学
  • ・高速道路のサービスエリア など

移動販売車に関しては、調理施設が搭載されている改造車両を用いるのが一般的ですが、保温・保冷設備やコンロと焼き器・焼き台のみ設置された軽トラックが用いられることがあります。

ファッション・小物販売型

飲料や食品以外にも、ハンドメイドや古着、海外輸入雑貨などのファッション・小物を販売するタイプの移動販売車があります。
主に、ショッピングモールや商店街など若者や女性が多いエリアで販売を行うケースが多く、飲食物を取り扱わない場合には、食品衛生に関する保健所の許可は不要です。
ただし、古着やアンティーク、中古家具などを取り扱う場合は、管轄の警察署へ古物商許可申請の届け出・認可を得る必要があります。

移動販売を失敗させないためのポイント

移動販売を失敗させないためのポイント

移動販売は、利益を出すのが難しいといわれることが多く1年以内で廃業してしまう方も少なくありません。
移動販売が失敗してしまう理由はさまざまですが、移動販売を失敗させないためには以下のポイントが重要となります。

  • ・競合との差別化を図る
  • ・顧客のニーズをくみ取った商品・サービスの展開をする
  • ・出店時間と出店エリアを工夫する
  • ・キャッシュレス決済への対応をする

ここからは、移動販売を既に始めている方や今から移動販売を始めようと思っている方に向け、移動販売を失敗させないポイントをそれぞれ解説していきます。

競合との差別化を図る

競合との差別化を図ることで集客数を増やせるかは、移動販売成功の重要なポイントとなります。
自分が移動販売を行うエリアにおいて、同じジャンルの商品を販売している店舗はあるか、フランチャイズに加盟している移動販売が展開していないかなど、事前の市場調査を行う必要があります。
反対に、多数の競合店が出店するイベント会場においては、知名度・売上の向上が期待できますが、独自性に加え一般受けする味・見た目など競合店に負けないメニューを開発する必要があります。

顧客のニーズを汲み取った商品・サービスの展開をする

移動販売の形態にはさまざまなメリットがありますが、顧客が購入したいと思える商品やサービスを提供しなければ商売は成立しません。
そのため、顧客のターゲット層ニーズを汲み取った商品やサービスの開発・提供が必要不可欠となります。
移動販売は、テイクアウトをして自分の好きな場所で食事ができる「中食」の流行は、共働きや独身世帯、調理・買物の手間を削減したいというライフスタイルの変化から生まれたといえます。
また、場所代が安い代わりに商品やサービスの向上に務めてほしいという声が多くなるなど、ニーズ自体も時間とともに変化していくため、商品・サービスの改良は欠かせません。

出店時間と出店エリアを工夫する

販売する商品の特徴およびターゲットとする顧客を踏まえ、出店時間および販売エリアを決定しましょう。
ランチタイムの時間帯には、お昼ご飯を求める顧客が密集しているオフィスやビジネス街、大学周辺で販売を行うなど、事前のリサーチが必要となります。
また、ショッピングモールやイベント会場、公共施設に出店する場合は、集客力がある反面出店の許可や賃料が発生するケースがあるため、早めの情報収集に加えアプローチ力が必要となります。
また、移動スーパーなど生活必需品を販売する場合は、販売スペースが狭い上に取扱商品数が増える傾向があるため、地域住人のニーズを汲み取った商品の見極めが重要です。

キャッシュレス決済への対応をする

顧客のニーズを汲み取る必要があるのは、商品のみならず決済方法にも当てはまるでしょう。
特に最近では、非接触クレジットカード決済に加え電子マネー決済など、決済方法が多様化しているのが現状です。
キャッシュス決済へ対応することで、現金のやり取りなどの作業を省略化できるので、生産性の向上を見込むことができます。
また、現金を直接受け取らなくてもいいので、衛生面感染症対策になるといったメリットも挙げられるなど、移動販売にキャッシュレス決済はマッチしているといえます。

移動販売こそ、キャッシュレス決済がベストマッチ

クレジットカード、電子マネー、最近ではバーコード決済など、キャッシュレスと一口にいってもさまざまな種類がありますが、これらの決済方法は移動販売と相性が抜群です。
その理由をいくつか挙げてみましょう。

現金管理の手間やリスクがない

移動販売では、店舗型と比べ現金管理の手間やリスクがあります。
特にスタッフが1人の場合は、調理や仕込みのかたわらに会計などのお金のやりとりをする必要があります。
仮に釣り銭が足りなくなった場合、お店を閉めて銀行やATMに走らなくてはならず、わずらわしいのはもちろん販売機会の損失リスクにも繋がります。
キャッシュレス決済なら、そうした手間やリスクから解放されます。

わずかなスペースでレジを用意できる

スペースが限られている移動販売では、店頭に大きなレジを置くことは難しいです。
キャッシュレスの決済システムは、スマホやタブレットを活用した小型のレジシステムが使えるため、省スペースかつ車内を広く使えるようになります。
現金のみの顧客にも対応できるので、会計の回転率が上がり販売機会を逃すことが無くなるといったメリットもあります。

導入と運用のコストが安い

キャッシュレス決済の中でもクレジットカード決済は、最も広く使われている決済方法ですが、手数料の高さがネックとなり導入に二の足を踏む事業者は少なくありません。しかし、現在では数万円で導入できるPOSレジシステムが登場しています。
これなら、薄利多売のビジネスモデルにも、十分対応できるでしょう。

移動販売にフィットする決済システム「Square(スクエア)」

移動販売にフィットするおすすめのキャッシュレス決済システムとして「Square(スクエア)」をおすすめします。
Squareは、スマホやタブレット端末に接続することで、レジ代わりとして活用できる決済システムです。
また、レジ機能以外にもクレジットカードリーダーや無料で利用できる多機能・高性能なPOSレジアプリで構成されています。
クレジットカードリーダーは、現在でも多くの方に利用されているICチップ式クレジットカード以外にも、海外で主流となっている磁気ストライプ式にも対応しているため、インバウンドの需要にも対応可能です。
売上は最短で決済の翌日に入金されますから、キャッシュフローを気にする必要もありません。
Squareが対応できるキャッシュレス決済は、クレジットカードはもちろん、電子マネーにも対応しているなど、多くの顧客のニーズに応えられる決済システムです。
移動販売をスタートするなら、キャッシュレス化は不可欠です。許可や資格はもちろんのこと、キャッシュレス決済についてもしっかりと準備をしておきましょう

今回の記事のまとめ

移動販売を始めるのに必要なもの

  • ・移動販売車
  • ・食品衛生責任者講座の受講

移動販売に必要な許可

  • ・保健所による営業許可
  • ・出店場所の許可

移動販売の開業タイプ

  • ・生活必需品販売
  • ・イベント販売型
  • ・ファッション、小物販売型

移動販売を失敗させないためのポイント

  • ・競合との差別化を図る
  • ・顧客のニーズをくみ取った商品・サービスの展開をする
  • ・出店時間と出店エリアを工夫する
  • ・キャッシュレス決済への対応をする

移動販売こそ、キャッシュレス決済がベストマッチ

  • ・現金管理の手間やリスクがない
  • ・わずかなスペースでレジを用意できる
  • ・導入と運用のコストが安い

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