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活用術2019.10.23

免税店の手続きを知り、インバウンド需要をとらえよう!

免税店の手続きを知り、インバウンド需要をとらえよう!

インバウンドの増加とともに、大都市の繁華街で「免税」の看板を掲げた店舗をよく見かけるようになりました。海外居住者はここで買物をすると課税が免除されるため、多くの外国人旅行者で賑わっています。
インバウンド需要の波をさらに活かすのが、この免税店の登録です。免税店にはどのようなメリットがあるのか、登録条件は何か、どんな手続きが必要なのか、ご紹介します。

目次

インバウンド向けの免税店とは?

免税店というと、空港の中にある店舗を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに、国際空港には免税店は付き物で、「海外からの輸入品を安く買える店」というイメージが広く普及しています。

しかし、ここ数年では、外国人観光客が多く訪れる大都市や観光地の街中に「免税」「Tax Free」などの看板を多く見かけるようになりました。いずれも免税店の一種には違いないのですが、まったく同じものではありません。まず、それぞれの違いについて確認していきましょう。

どこの国にも属さない「保税免税店」

税金とは、その種類を問わず、国家が個人や企業に課するものです。しかし、A国からB国に渡航する際、A国空港の出国ゲートをくぐってからB国に渡り、入国手続きを済ませるまでのあいだは、どこの国にも属さないことになります。よって、そのあいだの買物には、一切課税されることがありません

国によって税率は違いますが、酒類やたばこ、香水などの嗜好品は、概ね税率が高いものですが、空港内の免税店では、これらを「税抜・本体価格のみ」で購入することができます。

街中にも存在する「消費税免税店」

保税免税店が一切の税が免除される「Duty Free Shop」であるのに対して、消費税免税店は海外居住者向けに消費税が免除される「Tax Free Shop」。大都市の百貨店や観光地の量販店などが、消費税免税店として営業していることが多いようです。

元々、消費税は、日本国内での商品やサービスの購入、つまり消費に対して課税されるものです。しかし、海外からの旅行者が「家族への日本みやげに」と購入する品物は、日本で購入した物であっても、日本国内で消費されるわけではありません。

そこで、購入した商品を「日本国内では使用・消費しない」ことを前提に、消費税を非課税として販売するのが、このタイプの免税店です。保税免税店への参入は一般の店舗ではかなり難しいですが、消費税免税店はそこまでハードルの高いものではありません。ここからは、消費税免税店にしぼって説明します。

消費税免税店での販売に関するルールとは?

非課税で商品を販売するには、事細かなルールがあります。中でも重要なのは、「販売する相手」と「商品引き渡しの手続き」です。

非課税となる販売対象は「非居住者」に限られる

非課税で販売できるのは、日本国内に住んでいない人に限られます。具体的には次のとおりです。

非課税販売の対象となる人

  • ・外国人
  • ・外国の事務所に勤務している人
  • ・日本出国後、外国に2年以上滞在している人
  • ・前記に該当する者で、業務連絡や休暇などのために一時帰国し、その滞在期間が6ヵ月未満の人

ただし、外国人であっても、日本国内の事務所に勤務していたり、日本に入国後6ヵ月以上経過していたりする人は対象となりません

指定された物品を指定された手続きで販売する

消費税免税店で最も注意すべきことは、非課税で販売した商品を日本国内で消費されることです。そのため、販売する商品は指定された方法で包装し、そのままの状態で出国手続きが行われるようにしなくてはなりません。

また、購入者のパスポートを確認したり、日本国内で消費しない旨の誓約書をとったりと、多くの手続きがあり、出国の際に税関に提出する書類の準備も必要です。なかなかたいへんですが、免税店ではこれらすべてを、もれなく行うことが求められます。

消費税免税店での販売に関するルールとは?

消費税免税店になるための手続きは?

消費税免税店には、2つの種類があります。ひとつは「一般型」で、これは免税店として店舗で販売し、各種書類の作成から商品の引き渡しまでを行う、文字どおり一般的な免税店です。
もうひとつは、販売した商品の免税手続きを別の事業者に委託する「委託型」の免税店。商店街やショッピングセンターなど、複数の店舗が委託型免税店となり、手続きを免税手続きカウンターに任せる、というような場合が該当します。
ここでは、一般型免税店の申請の流れについて、その概略をご紹介しましょう。

1 輸出物品販売場許可申請書と参考書類を用意する

「輸出物品販売場許可申請書」は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。複数店舗を同時に申請することもできますが、その際には店舗ごとに書類が必要です。

▼ダウンロードはこちら
[手続名]一般型輸出物品販売場許可申請手続

  • 別ウインドウで国税庁のサイトへリンクします。

2 管轄の税務署に申請書類を提出する

申請の際には、輸出物品販売場許可申請書のほか、参考書類も併せて提出します。多くは下記の書類が必要になりますが、場合によってはほかの書類を求められることもあります。
事前に管轄の税務署に相談しておくといいでしょう。

免税店申請で必要になる参考書類

  • ・許可を受けようとする販売所の見取り図
  • ・社内用の免税販売マニュアル
  • ・事業内容が分かる書類(会社案内やオフィシャルサイトのURLなど)
  • ・おもな取扱商品のリスト など

その後、審査を受け、問題がなければ許可が下ります。
晴れて許可を受けたら、免税店として業務を始められますが、その前に済ませておくべき準備があります。

まず、店舗内に手続きカウンターを設ける場合は、必要なスペースを作り、各種書類や資機材を用意しましょう。また、申請時に提出した免税販売マニュアルに沿って、スタッフの教育も必須です。

消費税免税店での販売方法

万全の準備が整ったら、業務開始です。それぞれの免税販売の手続きは、おおよそ次のような流れで進めていきます。
なお、それぞれのステップは確実に、お客さまと明確にコミュニケーションをとりつつ進めましょう。

1 免税販売を希望するかどうかを確認する

お客さまの都合によっては、購入した商品を滞在中に使いたい場合もあります。最初に、それをきちんと確認しておきましょう。
「YES」であれば次の販売手続きへ、「NO」であれば日本人に販売するときと同じく、消費税を課税して販売します。

2 消費税免税販売

「同一の非居住者・同一店舗・1日の販売合計金額」を集計し、一般物品で5,000円以上、消耗品は5,000円以上50万円までの範囲内で免税となります。
消耗品とは飲食品や化粧品、医薬品などで、それ以外の物が一般物品となります。消耗品の場合は、「購入から30日以内に輸出する」旨を明記した誓約書が必要で、そのあいだに消費されないよう、指定された方法で特殊包装することが義務付けられています。

なお、一般物品を消耗品とともに特殊梱包した場合、消耗品として扱うことができます。ただし、100万円を超える一般物品を免税購入する際は、パスポートの写しが必要です。

3 書類を作成し、注意事項を説明して誓約書を受け取る

パスポートを確認して購入記録表を作り、パスポートへの貼り付け・割印をした上、商品の扱いについての注意事項を伝えます。その骨子は、下記の3点です。

免税販売に関する注意事項

  • ・一般物品は必ず国外に持ち出すこと
  • ・消耗品は包装を解かず(使用せず)、購入から30日以内に国外に持ち出すこと
  • ・出国時にこれらの商品を携行していない場合は、消費税を追徴されること

以上を承諾した印として、誓約書に署名をもらいます。

4 梱包・精算・引き渡し

消耗品には、指定された特殊梱包を施します。これは、開封した場合に、そのことがはっきりと分かるようなシールなどを使い、封印するものです。
出国時にこの封印が破れていれば、それは「購入後に開封した」ということになり、国内で消費されたものとみなして、消費税を追徴されることになります。

一部電子化で作業負荷が軽くなる免税店業務

免税店としての業務には細かな注意点が多く、作業は煩雑で準備の手間もかかります。しかし、取扱商品や立地によっては、大きなインバウンド需要を取り込むことができます。

一連の手続きのうち、購入記録表の作成とパスポートへの貼り付け・割印は、2020年4月1日(水)以降には電子化されることが決まっていますから、作業負荷はかなり軽くなるでしょう。
インバウンド需要の波をとらえて、この機会に免税店化を検討してみてはいかがでしょうか。

今回の記事のまとめ

免税店には2種類の形態がある

  • ・空港内に多い「保税免税店」は参入ハードルが高い
  • ・「消費税免税店」ならば、比較的参入は容易

重要なのは、免税対象者の見極めと免税販売手続き

  • ・免税販売の対象は「非国内居住者」が基本
  • ・誓約書の作成や特殊な包装など、独特のルールがある

消費税免税店は税務署の許可制

  • ・必要書類を整え、住所地を管轄する税務署へ申請する
  • ・免税店になれるかどうかは審査の結果次第
  • ・許可を受けたら、人材教育や資機材の準備を念入りに

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