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活用術

個人事業主が納める個人事業税は、カード払いもできる?

個人事業主が納める個人事業税は、カード払いもできる?

国内で事業を行う場合に課せられる事業税。「個人事業税」もそのひとつで、事業を手掛ける個人の所得に対して課されるものです。
ここでは、この税金の内容や課税対象、納付方法について、詳しく見ていきましょう。

目次

個人事業税とは?

個人事業税とは、地方税の一種である「事業税」に分類されます。
個人であれ法人であれ、事業を行う際には道路や水道のほか、各種のインフラや公共サービスを利用することになります。「その結果として得られた所得に対して、公共サービスを運営するコストの一部を負担してもらおう」というのが、この税金の趣旨とされています。

一般的に事業税というと、企業に課せられる「法人事業税」を指すことが多いのですが、法人格を持たない個人事業主に課せられるのがこの個人事業税で、事業所得に対して所定の税率で課税されます。

課税対象は限られている

何らかの事業を手掛けている個人が、すべて個人事業税の課税対象になるのかというと、決してそうではありません。個人事業税は、その対象となる業種が法律で決められているのです。

例えば、ポスターやウェブサイトを制作するデザイナーは「デザイン業」として適用対象とされていますが、そのポスターやウェブサイトに文章を提供するライターは適用外。また、プログラマーやエンジニアといった「コーディング業」も、適用対象に入っていません。
そのため、これらの職業の人たちは、個人事業税を納める必要はないのです。

また、年間の売上が一定額以下であれば非課税となります。よって、フリーランスとして独立して仕事をしていても、個人事業税を納付していない人は多数いますし、その存在を知らないという人も多いはずです。
ただし、今は非課税であっても、事業規模が大きくなれば課税対象になりますし、仕事の幅が広がれば課税対象になることもあります。ライターとして活動してきたけれど、デザインも手掛けるようになればデザイン業とみなされ、課税対象となるのです。

個人事業税の対象となる法定70業種

個人事業税の課税対象は、下記の70業種があります。一般的な販売業から出版・マスコミ系、医師・弁護士などの士業、コンサルタントやデザインといった専門知識や技能が必要とされるものなど、さまざまです。

■個人事業主の法定業種と税率

個人事業主の法定業種と税率
  • ※東京都主税局

これら、70種類の業種のほとんどに5%の税率が設定されていますが、「畜産業」「水産業」「薪炭製造業」は4%、「あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業」は3%と、若干低めの税率が設定されています。

これらの業種は、開業届に記載されたもの以上に、実態に即して管轄の税務署が判断することになっています。適用対象外であるプログラマーも、契約形態によって「請負業」「コンサルタント業」と判断されれば課税対象となりますから、業種だけで判断するのは早計です。

所得税申告をすれば個人事業税は申告不要

個人事業税の対象でありながら、「申告なんてしたことがない」という人は意外と多いはず。むしろ、大多数の人がそうではないでしょうか。

個人事業主は毎年3月、確定申告を行います。これは、前年の事業所得を取りまとめ、納めるべき所得税額を計算して、税務署に申告するもの。この所得税の申告を行うと、その情報が税務署から各都道府県に通知され、自動的に事業税額を算出するというシステムになっているのです。
よって、確定申告をきちんと行っておけば、改めて個人事業税の申告を行う必要はありません。

個人事業税の計算方法と納付方法

個人事業税の計算方法は次のとおり、いたってシンプルです。

<個人事業税の計算方法>
個人事業税額=(所得金額−290万円)×税率

所得金額は、所得税申告の際に算出した「事業所得等」にあたり、売上から経費を差し引いたものです。ただし、個人事業税では、青色申告で利用できた特別控除が使えません。そのため、確定申告での金額よりも高額になることに注意してください。

数式内の「290万円」は、事業主控除と呼ばれる控除額。事業所得からこの控除額を差し引き、それに業種ごとの税率を掛けたものが最終的な課税金額になります。ですから、所得金額が290万円に満たない場合、個人事業税は0円ということ。

また、複数の都道府県に別々に事業所を持っているような場合には、税額を算出した後にそれぞれの事業所で働いている従業員の人数で按分し、各都道府県に納付することとされています。

クレジットカードで納付ができる

個人事業税の納付時期は基本的に年2回、8月と11月。3月に確定申告を済ませていれば、手続きをしなくても8月になると都道府県から納付書が郵送されます。
ただし、税額が1万円以下の場合は、8月の1回のみで納付します。

納付は、各都道府県の税事務所や支庁の窓口、金融機関、口座振替、コンビニ払い、さらにはクレジットカード払いもOK。
2017年1月に施行された税制改正によって、税金をクレジットカードで納付できるようになりました。すべての国税・地方税が対象ではないものの、対象範囲は広いです。ただし、地方税については各都道府県によって対応が異なりますので、納付前に自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

クレジットカードで納税するメリットは?

これは、個人事業税に限りませんが、クレジットカードでの納税には、いくつものメリットがあります。そのうちのいくつかを挙げてみましょう。

イメージ

・クレジットカードのポイントが加算される

固定資産税や自動車税など、税金の種類によっては高額になるものもあります。これらをクレジットカードで納めることで、ポイントが多く貯まります。これは、現金払いでは得られないメリットといえるでしょう。

・時間を選ばず納付できる

クレジットカードでの納税は、コンビニなどの店頭ではなく、カード納付専用のウェブサイト上で行います。そのため、時間を選ばず納税することができます。

・支払いを一元管理できる

支払い履歴が残り、いつでも確認できるという点は、クレジットカードのメリットです。納付しなくてはならない税金もすべてカード払いにしておけば、納付漏れの心配がなくなります。
税金は期限に遅れると、延滞金や追徴課税といったペナルティが科せられますから、期限までに忘れずに納めておきたいところ。それを考えると、クレジットカードで一元管理しておけば安心です。

・リボ払いも可能

クレジットカードで納税する場合も、リボ払いが使えます。手数料がかかるため、無計画に利用するのはおすすめできませんが、いざというときは便利なシステムといえるでしょう。

クレジットカード納付の注意点

便利なクレジットカード納付ですが、注意すべき点もいくつかあります。自治体によって違いはありますが、東京都主税局の場合を例として挙げておきましょう。

・決済手数料がかかる

まずは、決済手数料がかかることに注意しましょう。カード決済ではどうしても、カード会社側での手数料が発生してしまいますが、この場合、税金を値引きするわけにはいきません。そのため、カード払いという利便性を得られる利用者側が負担することになります。
獲得できるポイントと決済手数料を比較して、クレジットカード納付をするか検討してもいいでしょう。

・高額の場合は決済できないことも

税額が一定額以上の高額な場合は、決済できないことがあります。領収書は発行されませんから、必要な場合は金融機関やコンビニで納付するようにしてください。また、納税証明書の発行には納付から10日ほどかかります。

このような注意点はあるものの、やはり自宅で手軽に納付でき、しかもポイントが貯まるというのは、大きなメリットといえるでしょう。

クレジットカードのメリットを活かして賢く納税

日本で事業を展開している以上、その規模に関わりなく、税金とは無関係ではいられません。
しかし、せっかく納めるのであればクレジットカード払いにすることで、現金払い以上の利便性が生まれ、ポイントを貯めることができます。カード払いのメリットを活かし、税金とも賢く付き合いましょう。

今回の記事のまとめ

個人事業税とは?

  • ・事業所得に対して所定の税率で課税される
  • ・対象となる業種が法律で決められている
  • ・所得税申告をすれば個人事業税は申告不要

個人事業税の計算方法

  • ・個人事業税額は「(所得金額−290万円)×税率」
  • ・所得金額が290万円に満たない場合、個人事業税は0円

個人事業税はクレジットカード払いもOK

  • ・従来の各自治体の窓口や口座振替、コンビニ払いなどに加えてクレジットカードでも支払える
  • ・すべての税金が、クレジットカード払いができるわけではない

クレジットカードで納税するメリット

  • ・クレジットカードのポイントが加算される
  • ・時間を選ばず納付できる
  • ・支払いを一元管理できる
  • ・リボ払いを選択することができる

クレジットカード納付の注意点

  • ・決済手数料がかかる
  • ・納税額が高額の場合は決済できないことも

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