活用術
飲食店を開店する際に必要な手続き・許可・届出一覧|取得の流れと方法を紹介
飲食店を開店する場合はその店舗の大小に関わらず保健所や消防の許可をもらう必要があります。また個人事業主として経営するためには税務署やそのほかにも多くの届け出が必要です。
飲食店を始めるためにはお店をオープンする地域を管轄する保健所に行き飲食店営業許をもらう必要があります。
そのほかにもいくつか必要な手続きがあります。そこで今回は飲食店をオープンするために必要な手続き、許可、手続きの取得方法や流れについても紹介していきます。
目次
飲食店の開業に必要な手続き一覧
飲食店の開業に最低限必要な手続きは以下の表のとおりです。
提出期限が早い順から並べていますので、順にチェックしてください。
飲食店の開業に必要な許可・手続きの取得方法
飲食店の開業に必要な許可・手続きの取得方法は種類によって取得する方法が違います。順に詳しく紹介していきます。
飲食店営業許可
飲食営業許可を取得するには、およそ16,000~19,000円ほど申請料金が発生します。費用も地域、保健所、営業形態によって異なるため事前に確認することをおすすめします。
申請に必要な書類は以下のとおりです。
- ・飲食営業許可申請書
- ・営業設備の配置の平面図
- ・内装の配置の平面図
- ・場所の見取り図
- ・(法人が申請する場合)登記事項説明書
- ・(貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書
- ・食品衛生責任者に資格を証明する書類
上記の許可は、永久に有効ではなく定期的に更新しなければなりません。有効期限は一般的には5~8年と定められています。
更新手続きを行わずに、営業を行ってしまうと違法行為にあたるので気をつけましょう。
食品衛生管理者
食品衛生管理者は、特定の食品加工品や添加物の製造を行う施設において国家資格を持った人で、飲食店を営業する上で1人選出しなければなりません。
食品衛生管理者の資格は、食品衛生責任者養成講習会を受講することで取得することができます。
講習会は、各都道府県にある食品衛生協会が月に複数回、定期的に行われています。
受講するためには、事前にこの協会に受講申し込みをしてください。会場も複数ある場合が多いので、自分の行きやすい場所で行われている講習に参加するようにしましょう。
この資格は更新は不要で、講習会などへ積極的に参加し、法令の変更などをその都度確認する必要があります。
防火管理者選任届
防火管理者選任届は、店舗がオープンする前に消防署に申請が必要になります。
店舗に収容できる人数が30名以上の場合、防火管理者は、防火管理資格を所持している管理者のなかから選任します。
「防火防災管理者選任(解任)届出書」と防火管理の資格を有することを証明するものの2点を所轄の消防署へ届け出ます。
個人事業主の開業届出書
法人ではなく、個人事業主として開業をする場合には、個人事業主として認めてもらうための届け出が必要です。
個人事業に関係する開業届は2種類あります。
①個人事業の開業・廃業等届出
一般的な開業届と言われている個人事業の開業・廃業等届出は税務署に提出するもので、開業日から1ヵ月以内に税務署に提出するものです。この届出を提出しなくても罰則はありませんが、青色申告で確定申告する際には、特定の物の提出が必要です。
②個人事業税の事業開始等申告書
個人の事業を開始したことを申告するもので、都道府県税事務所に提出する書類です。各都道府県で提出先・期限は異なり、届出がなくても個人事業の開業・廃業等届出と同様に罰則はありません。
【任意】青色申告承認申請書
青色申告とは、1年間に生じた税金や所得の合計金額を税務署に申告を行う確定申告のことです。必要な書類や手間が多い分、受けられる額が多いというメリットが特徴です。正しい方法で行うと最大65万円の控除が受けられます。申告するには、所得税の青色申告承認書と開業届を税務署に提出する必要があります。提出期限は原則として開業日から2ヵ月以内となっております。ただし、青色申告の承認を受けていた人の事業を死亡によって相続した場合は、時期によって4ヵ月以内・その年の大晦日まで・翌年の2月15日まで提出の3パターンあります。青色申請承認申請書を提出していないと、白色申告になってしまい控除が受けられなくなりますので、注意しましょう。
労災保険、雇用保険の加入手続き
従業員を雇う場合は、労働基準監督署と公共職業安定所に届け出をしなくてはなりません。雇用日の翌日から10日以内に労働基準監督署への届け出が必要になります。
また雇用保険の加入手続きも労災保険と同様に、雇用日の翌日から10日以内に公共職業安定所に届け出が必須で、これは従業員が正社員以外のアルバイトでも同様に労災保険の届け出は必須です。
アルバイトの場合の雇用保険は、従業員の働き方(1週間の労働時間が20時間以上あり、31日以上継続して雇用する場合)によっては適用になります。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
お酒がメインで深夜0時を越えても営業している飲食店は深夜酒類営業の届出が必要です。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書を出す場合に注意しなければならないのは以下の3点です。
①物件選び
用途地域によって深夜酒類営業ができないことがあります。物件を探す際には、用途地域を確認しましょう。確認のやり方などが分からない場合は、不動産屋に確認しておきましょう。
②店舗の内装
内装には2つの規則があります。
- ・各室内部に見通しを妨げる設備を設けてはいけない
- ・各室が複数の時の客室の床面積は9.5㎡以上でなければならない
③接待禁止
許可を取らずに接待してしまうと風営法違反となります。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書は、飲食営業許可を得てから、営業を開始する10日前までに店舗所在地を管轄する警察署へ届け出てください。
営業内容によって必要になる手続き
飲食店の営業形態によって、追加で必要になる手続きもあります。自分の店の営業内容で届出を行わなければならないものがないか、まずは確認することが大切です。また、自治体によっても届出制度は変わりますので、該当するか判断するのが難しい場合は、管轄の保健所に相談をしましょう。
営業内容によって必要になる手続きの中でも、主なものをご紹介いたします。
ケーキやパンをテイクアウトするなら「菓子製造業許可」
「菓子製造業許可」は食品衛生法に基づく営業許可が必要な業種の1つです。パン、ケーキなどを製造し、それらの販売や店舗で営業をする場合に必要な許可になります。
店内で料理を提供するだけであれば不要ですが、製造したパンやケーキをテイクアウト販売する場合は「菓子製造業許可」が必要です。管轄の保健所に申請し許可を取得する必要があります。また製造している製品が同じ場合でも営業形態が違うと取得する許可も変わります。
お酒を販売する場合は「酒類販売業免許」
お酒を店内で提供する以外に店内でお酒の販売を行う場合は「酒類販売業免許」を取得することが必要です。この免許は「酒税法」という税金に関わる認可になります。
店舗の所在地の管轄の税務署に届け出が必要です。
また、販売形態によって、この免許は「酒類小売業免許」と「酒類卸売業免許」の2種類に分かれています。表にして解説していきます。
・酒類小売業免許
酒小売業免許は「一般酒類小売業免許」の免許を取得すれば、あらゆる酒類の販売ができます。
・酒類卸売業免許
「酒類卸売業免許」は、主に酒類販売業者や製造者を対象とする卸売販売の免許です。この免許には事業計画が必要になります。
猫カフェなど、動物がいるなら「動物取扱責任者」
動物のいるカフェなどを開業するには、管轄する自治体の保健所や動物愛護センターに第1種動物取扱業の届け出が必要になります。飲食を提供する場合は併せて飲食店営業許可の届け出も必要になります。
注意すべきは特定動物(人の生命や身体、財産に害を与える可能性がある動物)を取り扱う場合は動物の愛護及び、管理に関する法律により都知事の許可が必要になります。
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猫カフェ開業のための基礎知識!資金調達や失敗しないためのコツを解説キッチンカーなど、移動販売なら「保健所の営業許可」
キッチンカーなどの移動販売を行うには、キッチンカーに対しての営業許可、食品衛生責任者と運転免許の資格が必要になります。
営業許可は移動販売を行う管轄の保健所で取得できます。
食品衛生責任者は先にも述べたように講習会を受講することで取得することができます。
移動販売を行うには、キッチンカーに対しての営業許可、食品衛生責任者と運転免許の資格が必要になります。
キッチンカーに対しての営業許可は移動販売を行う管轄の保健所で取得できます。有効期限は5年間となっており、5年以降は更新が必要になってきます。保健所に一度問い合わせをしてから車両などの手配をすることをおすすめします。
法人として開業する場合に必要な手続き・届け出
法人として開業する場合には
- ・法人設立届出書
- ・青色申告承認申請書
- ・給与支払事務所等の開設届出書
- ・法人設立届出書
- ・源泉所得税の納期の特例に関する申請書
などの手続き、届け出が必要になります。以下で詳しく解説していきます。
法人設立届出書
法人設立届出書は設立した会社の概要を税務署に届け出るための書類になります。
代表者、氏名、住所や事業目的、事業開始年月日の記入が必要です。そのほかに添付書類として
- ・定款の写しなど
- ・設立時貸借対照表
- ・株主名簿
の3つの書類が必要です。
「設立時貸借対照表」は国税庁から特に規定の雛形がないため提出は任意での書式となります。
一番上に「法人設立届出書」を置き「添付書類等」の欄に書かれてある順番どおりに添付書類を並べて提出します。「法人設立届出書」は会社設立後2ヵ月以内が提出期限になっています。
青色申告承認申請書
青色申告の承認証明書は青色申告で法人税を法人として納めるため事前提出が必須になります。
青色申告のメリットは、個人事業や不動産業の経営者が、複式簿記で記帳した際に「貸借対照表」「損益計算書」を添付し青色申告をした場合に最高65万円の控除を受けることができます。
法人税の申告には青色申告のほかにも「白色申告」がありますが、財務会計上の赤字が発生した翌年意向(繰越期限が切れる9年間のうち)に利益がプラスになった際、青色申告の場合、現在の赤字によって、将来の黒字を相殺できるなど節税面でのメリットが大きいです。このことからも、法人税の申告は、青色申告を選ぶのをおすすめします。
「青色申告の承認申請書」は、会社設立後3ヵ月以内もしくは、最初の事業年度の末日が提出期限になっています。
給与支払事務所等の開設届出書
給与支払事務所等の開設届出書は、法人として従業員などに給与を支払うために提出が必要な書類になります。
記入欄には「開設年月日」「給与支払を開始する年月日」「届出の内容及び理由」を記載します。
「給与支払事務所等の開設届出書」は給与支払事務所として開設してから1ヵ月以内が提出期限となっています。
源泉取得税の納期の特例に関する申請書
源泉所得税の納期の特例とは、給与の支給人員が常時10人未満である場合、源泉所得税の納付を年2回にまで減らす制度です。
特例を受ける方法は、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書に必要事項に記入して、税務書に提出します。従業員が10人以上になった場合は、源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届手書を提出します。
飲食店開業の準備として、手続きを事前確認しておこう
飲食店開業の準備として、手続きのチェックリストを用意しましたので、事前に確認しておきましょう。
- ・飲食店の営業許可はおりているか
- ・防火管理責任者の資格は取得したか
- ・個人事業の開業届出書を税務署に提出したか(個人事業主の場合)
- ・法人設立届出書を税務署・都道府県事務所・市区町村役場に提出したか(法人の場合)
- ・青色申告申請書は税務署に提出したか
- ・給与支払事務所等の開設届出書は税務署に提出したか
- ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を税務署に提出したか
飲食店ではキャッシュレス決済の導入が大切
参考:飲食店でキャッシュレス決済を積極的に利用したい消費者が5割
- 別ウィンドウで日本政策金融公庫のPDFへ遷移します。
日本政策金融公庫の調査によると、飲食店での支払いはキャッシュレス決済をできるだけ利用したいとの回答が51.9%となりました。キャッシュレス決済に対応していないと、新規の顧客を逃してしまうことにつながりますので、なるべく多くの決済方法に対応できることが大切です。
キャッシュレス決済の利用が、ますます進む中、飲食店でのキャッシュレス決済の導入は必須のものとなっています。開業手続きの整理と同時に、導入するキャッシュレス決済の選定も行っておくと良いでしょう。
1台で多くの決済方法を導入するなら「stera pack」がおすすめ
飲食店を開業するなら、キャッシュレス決済の導入が重要です。
キャッシュレス決済サービス「stera pack」なら、手軽に導入が可能で、多くの決済手段を利用することができます。
開業時は手続きが多く、大変になりがちですが、stera packなら月額3,300円(税込)で30種類以上の決済手段を一台で完結することができるので、支払いがバラバラになったり、申込が乱雑になることがありません。
stera packなら月額3,300円(税込)で導入が可能
stera packは、月額3,300円(税込)で導入が可能です。stera packで利用することができる「stera terminal」は、1台で30種類以上の決済手段に対応できるオールインワン決済端末です。クレジットカード決済はもちろん、電子マネー、QRコード決済にも対応しています。
stera terminalだけで決済が完了するため、レジ周りもスッキリします。内装にこだわりたいという方にもおすすめです。
アプリインストールで業務の効率化及び販促・集客もできる
stera terminalは、 Android OS を採用しています。そのため、さまざまなアプリを追加して業務効率化を図ることができます。アプリのダウンロードは簡単で、専用マーケットプレイス「stera market」からアプリをインストールするだけ。普段お使いのスマートフォンのように利用することが可能です。
stera packを利用すると、販促・集客アプリ「おみせポケット」が標準搭載されています。会員証の発行、クーポン配布など、集客に関する機能がついていますので、個別にツールを利用する必要がありません。決済端末としてはもちろん、販促・集客にも利用できるのはstera terminalならではです。
今回の記事のまとめ
飲食店の開業に必要な手続き一覧
- ・飲食店営業許可申請
- ・防火管理者選任届
- ・防火対象設備使用開始届
- ・火を使用する設備などの設置届
- ・深夜酒類提供 飲食店営業開始届出書
- ・個人事業主の開業廃業など届出書
- ・所得税の青色申告承認申請書
- ・労災保険の加入手続き
- ・雇用保険の加入手続き
- ・社会保険加入手続き
- ・給与支払事務所の開設届
飲食店の開業に必要な許可・手続きの取得方法
- ・飲食店営業許可
- ・食品衛生管理者
- ・防火管理者選任届
- ・個人事業主の開業届出書
- ・【任意】青色申告承認申請書
- ・労災保険、雇用保険の加入手続き
- ・深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
営業内容によって必要になる手続き
・ケーキやパンをテイクアウトするなら「菓子製造業許可」
- ・お酒を販売する場合は「酒類販売業免許」
- ・接客サービスをするなら「風俗営業許可」
- ・猫カフェなど、動物がいるなら「動物取扱責任者」
- ・キッチンカーなど、移動販売なら「保健所の営業許可」
法人として開業する場合に必要な手続き・届け出
- ・法人設立届出書
- ・青色申告承認申請書
- ・給与支払事務所等の開設届出書
- ・源泉取得税の納期の特例に関する申請書
- ・飲食店開業の準備として、手続きを事前確認しておこう
飲食店ではキャッシュレス決済の導入が大切
- ・1台で多くの決済方法を導入するなら「stera terminal」がおすすめ
- ・stera packなら月額3,300円(税込)で導入が可能
- ・アプリインストールで業務の効率化及び販促・集客もできる
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