基礎知識
POSレジ(ポスレジ)とは?種類・機能・費用・選び方をわかりやすく解説

コンビニやスーパーで広く使われているPOSレジ(ポスレジ)は、これまでコストの問題から小規模な個人経営の店舗では導入が難しいとされてきました。しかし近年、タブレット型POSレジやクラウド型サービスの登場によって導入費用を抑えやすくなり、中小規模の店舗でもPOSレジを活用できる環境が整ってきています。
経済産業省の発表によると、2025年の日本のキャッシュレス決済比率は58.0%に達しました。政府はキャッシュレス決済のさらなる普及に向けて、2030年に65%(国内指標)を中間目標として掲げており、将来的には80%の実現を目指しています。あらゆる業種でキャッシュレス対応の重要性が高まっている中、POSレジはレジ業務の効率化だけでなく、キャッシュレス決済との連携手段としても活用される場面が増えています。
この記事では、POSレジの基本的なしくみから種類ごとの特徴、導入で得られるメリット、費用の目安、選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
- ・POSレジの基本的なしくみと、従来のレジやPOSシステムとの違い
- ・ターミナル型・パソコン型・タブレット型の特徴と費用の目安
- ・POSレジの導入で得られる6つのメリット
- ・キャッシュレス決済との連携や補助金の活用方法
- ・自店舗に合ったPOSレジの選び方
目次
POSレジとは?
POSレジのPOSとは、英語の「Point of Sales」の頭文字です。商品についているバーコードなどを読み取り、「何を・いつ・いくらで・何個販売したのか」という販売情報を集積するシステムを搭載したレジがPOSレジで、コンビニやスーパーで日常的に目にするものです。
スピーディーに精算できるため、お客さまをお待たせする時間の短縮につながる上に、店舗側にとってはPOSレジの情報を分析することで売れ筋商品や曜日・時間帯による売れ行きの傾向をつかむことができます。店舗の経営者と消費者の双方にとってメリットのあるシステムです。
特に店舗の経営者は、販売情報を収集・蓄積・分析することで在庫管理の効率化に役立ち、適切なタイミングでの発注が可能となります。つまり、経営効率化に役立つツールがPOSレジなのです。近年ではタブレット型のPOSが導入しやすい選択肢として検討されるケースもあり、比較的低コストで導入できる点や、さまざまなキャッシュレス決済端末と連携できる柔軟性が魅力です。
POSレジと旧来のレジとの違い
POSレジと旧来のレジの大きな違いは、売上の分析ができることです。旧来のレジは、合計金額の計算や登録といったシンプルな機能のみを持つものが多く、すぐに利用できることがメリットですが、売上金額を集計したり複数店舗の売上管理をしたりといった作業は手動で行う必要がありました。
代表的な旧来のレジは、以下の3種類です。

ドロア(一体型レジスター)は、会計処理を行う本体と、紙幣や硬貨を保管するドロアが一体となったレジです。最低限のレジ機能を兼ね備えたシステムで、個人店などで使われています。
電子レジスターは、会計処理機能やレシート発行機能を備えた基本的なレジです。売上データの簡易的な記録は可能ですが、本格的な分析機能は備えていません。
システム型レジスターは、会計処理機能に加えて売上情報をパソコンに取り込む機能を備えたレジです。SDカードやインターネット回線など、さまざまな方法で情報を取り込むことが可能です。
旧来のレジは初期導入コストやランニングコストの低さから導入する中小規模店舗は多いものの、ネット店舗の開設や店舗拡大のことを考え、POSレジを導入する店舗も見られます。
POSシステムとは?POSレジとの違い
POSシステムとPOSレジは同一視されることが多いですが、POSシステムはしくみ全体を指す言葉で、POSレジはPOSシステムが導入されているレジのことです。
POSシステムは、商品の情報や売上をデータベースで一括管理し、売上分析をすることができるシステムです。以前はPOSシステムを備えた専用レジスターが主流でしたが、現在はタブレットやスマホなどに導入できるようになり、マルチチャネル化が進んでいます。
POSシステムとは?POSレジとの違いやメリット、POSシステムの選び方を解説
POSシステムのしくみ
POSシステムは、POS端末がバーコードをスキャナーで読み取ることで商品情報や値段と照合するしくみです。照合して決済が完了すると、売上情報として記録されていきます。
POSレジの普及が進む背景
POSレジは1970年代に登場し、クラウド技術の発展を経て、現在のタブレット型へと進化してきました。特に近年は、中小企業や個人店においてもPOSレジの導入が進んでいます。その主な背景には以下のような要因があります。
一つ目は、キャッシュレス化の進展です。先述のとおり、日本のキャッシュレス決済比率は2025年に58.0%に達し、政府は2030年に65%(国内指標)とする中間目標を掲げています。クレジットカードや電子マネー、コード決済といった多様な決済手段に対応するには、POSレジとキャッシュレス決済端末を連携させる必要性が高まっています。
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
インボイス制度への対応も導入を後押しする要因です。2023年10月に開始されたインボイス制度により、適格請求書の発行・保存が求められるようになりました。POSレジを導入することで、税率ごとの売上集計や適格請求書に対応したレシートの発行がスムーズに行えます。
人手不足による業務効率化のニーズも背景として挙げられます。慢性的な人材不足に直面する飲食店や小売店にとって、POSレジによるレジ業務や売上管理の効率化は、限られた人員で店舗を運営するための有力な手段となっています。
こうした複数の要因が重なり、POSレジは大企業だけのものではなく、中小企業や個人事業主でも導入を検討しやすい環境が整いつつあります。
POSレジの種類とは?特徴を比較
POSレジには、主に次のような種類があります。それぞれの特徴を比較して見てみましょう。

ターミナル型POSレジは、コンビニやスーパーで見かける大型の専用端末です。レジ機能に特化した設計で安定性に優れていますが、導入費用は50万〜100万円以上が目安となり、スペースも必要です。
パソコン型POSレジは、既存のパソコンにPOSソフトウェアをインストールして利用するタイプです。すでにパソコンを持っていれば導入費用を抑えられますが、導入には数十万円程度かかる場合もあります。
タブレット型POSレジは、タブレット端末にアプリをインストールして利用するタイプです。導入費用は0〜5万円程度と低コストで始められるため、個人店や小規模店舗を中心に導入されるケースも見られます。見た目もスマートなため、内装にこだわりたい店舗にも適しています。
上記のように、導入する端末や周辺機器の構成によって費用は変動します。また、月額費用や利用できる機能もサービスによって異なるため、自店舗に必要な機能と費用のバランスを見極めることが大切です。
POSレジを導入するメリット
POSレジには、従来のレジにはないメリットが数多くあります。その中でも、主なメリットは以下の6つです。
- 1.業務の効率化:会計時の入力が簡単で、レジ業務のスピードが上がります。在庫管理や勤怠管理機能を搭載したPOSレジなら、棚卸やシフト作成、人件費計算などの効率化にもつながります。
- 2.多店舗の売上を一元管理:複数店舗の売上データをまとめて管理できるものが多く、情報の共有・分析に役立ちます。ネットショップと実店舗の連携ができるものもあります。
- 3.ミスの防止:金額を手打ちする必要がないため、商品の金額を間違えるといったヒューマンエラーを防げます。
- 4.顧客満足度の向上:レジ業務がスピーディーになりお客さまの待ち時間が短縮されます。在庫管理機能で品切れを減らせるほか、売上分析によって顧客のニーズに合わせた商品やサービスを提供できるようになります。
- 5.セキュリティの強化:POSレジの使用ログが残るため、会計担当者を特定でき、問題が起きた場合も対処しやすくなります。不正な打ち込みの予防にもつながります。
- 6.人件費の削減:慣れないスタッフでも商品ごとに価格を覚える必要がなく、スムーズに会計処理ができます。混雑する時間帯をデータで特定することで、作業人員の調整にも役立ちます。
POSレジの機能でできること
従来のレジではできない機能がPOSレジには数多くあります。機能はサービスによって異なりますが、POSレジの主な機能や、連携可能な機能をご紹介します。

1. 在庫管理・商品管理
POSレジは、商品の販売情報がリアルタイムで収集・蓄積されるものが多いです。その日に何が何個売れたかをすぐに確認できれば、閉店後にレシートの山と格闘する必要もなくなるでしょう。
在庫情報と連携させて在庫の少なくなったタイミングで商品を発注すれば、在庫切れのリスクを軽減できます。複数の店舗を展開している場合は、すべての店舗の情報を一元管理できるものもあります。
2. 売上情報の抽出や分析
POSレジに集積された情報はさまざまな切り口で抽出でき、経営戦略に活かすことができます。現金払いとカード払いの比率や、曜日や天気ごとの売れ筋商品の傾向、時間帯ごとの売上額など、多角的な分析ができるものが多いです。来店した人数や性別、年代などを記録しておけば、対象顧客ごとにより細かな販売戦略を立てることもできるでしょう。
3. 顧客情報管理やコミュニケーション
POSレジシステムの中には、お客さまとのコミュニケーションがとれる電子レシート機能を備えているものがあります。電子レシートとは、紙でレシートを発行するのではなく、お客さまのスマホなどを通じてデータでレシートを発行するものです。
電子レシートだけでなくクーポンの発行や商品についてのご意見をいただくことも可能です。こうした機能を活用すれば、お客さまひとりひとりに合わせたサービスを提供でき、再来店の促進にもつながります。
4. スタッフの勤怠や売上の管理
POSレジの中には、従業員の出勤・退勤の時間を記録できる勤怠管理機能を搭載したものもあります。タイムレコーダーとして利用できるため、従来の勤怠管理専用の機器が不要になり、コスト削減にもつながるでしょう。レジを操作した担当者名が記録されるため、個人の売上記録も正確に算出できます。
5. 複数店舗の管理
近年のPOSレジには、インターネット回線を通じて店舗ごとの情報を共有し、複数店舗の情報をまとめて管理できるものが多くあります。各店舗に行かなくてもリアルタイムで在庫数を確認できれば、在庫調整の判断がしやすくなります。店舗ごとの売上情報から客層を分析することで、マーケティングの改善や販売戦略の検討にも役立つでしょう。
6. オーダーエントリーシステム
オーダーエントリーシステムとは、飲食店などで客席からタブレットを用いて注文されたデータが厨房やレジに通知されるシステムです。スタッフが客席で注文を確認する必要がないため作業人員の削減につながり、伝達ミスも防げます。注文データはそのまま会計情報に反映されるので、レジ待ちの時間を短縮できるでしょう。
「オーダーエントリーシステムとは?種類やメリット・デメリット」
7. キャッシュレス決済との連携
POSレジとキャッシュレス決済端末を連携させることで、レジと決済の二度打ちが不要になり、会計処理のミス軽減と業務効率化が図れます。クレジットカード・電子マネー・コード決済など、幅広い決済手段に対応できるキャッシュレスサービスを選ぶことで、お客さまの利便性を高めつつ、売上データの一元管理も実現できます。
キャッシュレス決済比率の上昇に伴い、「現金のみ対応」の店舗はお客さまの取りこぼしにつながるおそれがあります。POSレジの導入を検討する際は、キャッシュレス決済との連携のしやすさも重要な判断材料の一つです。
POSレジの選び方
現在、POSレジ導入のためのサービスは数多く提供されており、どのPOSレジを選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、選ぶ際のポイントをご紹介します。
導入の目的に合わせて選ぶ
POSレジを導入して何を改善したいのか、まずは導入の目的を明確にしておくことが大切です。多機能なPOSレジを選んだものの利用しない機能ばかりでコストがかかってしまった、という失敗を防ぐために、自店舗の業務や現状に対してどのようなシステムが必要かをよく検討しましょう。
店舗の規模と柔軟性で選ぶ
店舗の規模が大きかったり、これから店舗数を増やしていく予定であったりする場合は、データ共有が容易で店舗数の増減に柔軟に対応できるシステムを選ぶと導入後の失敗が少なくなります。反対に、個人店で小規模に運営していく場合は、必要な機能に絞ったPOSレジを選ぶことでコストを抑えることができます。
店舗の業態で選ぶ
実店舗のほかにネットショップの開設を考えている場合など、業態に合わせて選ぶことも大切です。飲食店であればテーブル会計やハンディー対応、小売店であれば在庫点数の管理、医療機関であればレセプトコンピュータとの連動など、業種業態に特化した機能の有無をチェックすると、自店舗にマッチしたPOSレジを選びやすくなります。
価格で選ぶ
POSレジの価格は種類やサービス提供元によってさまざまです。導入費用の目安は以下のとおりです。
ターミナル型POSレジは50万〜100万円以上が目安です。大型で機能が豊富な分、初期費用はかかる傾向です。月額費用はサービスによって異なります。
パソコン型POSレジは数十万円程度が目安です。すでにパソコンを持っていれば初期費用を抑えられる場合もあります。
タブレット型POSレジは0〜5万円程度と、3種類の中で導入費用を抑えやすい傾向にあります。月額費用は低価格のものから数万円まで幅があります。
初期費用だけでなく月額費用やサポート体制、機能拡張時の追加費用なども含めた「トータルコスト」で検討することが大切です。
使いやすさで選ぶ
レジ担当者だけでなく、在庫管理やシフト管理の担当者にとっても操作しやすいものを選ぶことが重要です。導入前に使用感を確かめたり、実際に操作するスタッフと相談したりすることで、より自店舗に合ったPOSレジを選べるでしょう。
補助金・助成金を活用する
POSレジの導入に活用できる補助金制度もあります。代表的なものとしては、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が挙げられます。この制度では、会計・受発注・決済の機能を持つITツール(POSレジを含む)などの導入費用の一部が補助される可能性があります。
そのほかにも、小規模事業者持続化補助金や中小企業省力化投資補助金なども対象となる場合があります。補助額や申請要件は年度によって変わるため、最新の情報は中小企業庁などの公式サイトで確認しましょう。
キャッシュレス決済とPOSレジをまとめて導入するならstera pack
POSレジの導入を検討する際、「キャッシュレス決済とPOSレジ機能をまとめて導入したい」という方におすすめなのが「stera pack」です。
stera packは、オールインワン決済端末「stera terminal standard」を初期費用0円で導入可能なキャッシュレス決済サービスです。
stera terminal standardはAndroid™ OSを採用しているので、端末内にPOSアプリを随時インストールすることが可能です。stera terminal上で利用できるアプリの配信サービス「stera market」からアプリを選んでダウンロードするだけで、端末上で簡単にPOSサービスを利用できます(※別途費用と設定が必要です)。別途タブレットの準備も不要なので、レジ周りをすっきり保つことが可能です。
stera packの特長をご紹介します。
幅広い決済手段に1台で対応:クレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済など、多様な決済手段を1台のstera terminal standardで処理できます。決済手段ごとに端末を分ける必要がないため、レジ周りがすっきりします。
stera packで使える決済端末は、店舗側とお客さま側で画面が分かれているデュアルスクリーン仕様です。決済の度に端末の向きを入れ替える必要がなく、スムーズな決済を実現します。
決済手数料率1.98%〜※(Visa / Mastercard®)という低料率も魅力です。
- 小規模事業者向けの決済手数料率です。その他条件があります。
月額サービス利用料:初年度0円(2年目以降、3,300円(税込)/月。直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合は永年無料)
さらに、レシートロール紙無料、24時間365日のヘルプデスク対応、端末故障時の修理交換無償(※)など、導入後のサポート体制も充実しています。
- 加盟店様の故意・過失がない場合に限ります。
今回の記事のまとめ
この記事では、POSレジの基本から種類、メリット、機能、選び方まで幅広く解説しました。ポイントを振り返ります。
- ・POSレジとは、販売情報を集積・分析するシステムを搭載したレジのこと
- ・種類はターミナル型・パソコン型・タブレット型の3つ。費用や機能が異なるため、自店舗の規模・業態に合わせて選ぶことが大切
- ・導入メリットは、業務効率化、売上の一元管理、ミス防止、顧客満足度の向上など多岐にわたる
- ・キャッシュレス決済との連携により、レジ業務のさらなる効率化とお客さまの利便性向上が期待できる
- ・デジタル化・AI導入補助金など、導入費用を抑えられる制度の活用も検討を
自店舗の業態や規模に合ったPOSレジを選ぶことで、経営の効率化につなげることができます。キャッシュレス決済もまとめて導入したい方は、stera packを検討してみてはいかがでしょうか。
商標について
- Mastercard、Mastercardのブランドマークは、Mastercard International Incorporated の登録商標です。
- 「Visa」は、Visa International Service Association の登録商標です。
- AndroidはGoogle LLCの商標です。
提供会社について
- stera packはSMBC GMO PAYMENT(株)が提供しています。

独立系FPとして資産運用や保険提案、ローン、住宅購入などの個人向け相談業務を中心に、中小企業への企業型確定拠出年金(DC)導入支援も行なう。また、お金の知識をわかりやすく伝えるため、金融メディアへの執筆・監修活動もしている。
【保有資格】1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(Certified Financial Planner)
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