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ネットショップを開業するための基礎知識。必要な届け出や成功させるコツをご紹介

ネットショップを開業するための基礎知識。必要な届け出や成功させるコツをご紹介

「ネットショップを開業したいけど、どこから始めたらいいか分からない」「始めるからには失敗はしたくない」という方は多いのではないでしょうか。
現在新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、不要不急の外出が難しくなっていることから、実店舗と合わせてネットショップを開業したい、副業でネットショップを開業したいなど、企業・個人共にネットショップの需要は高まってきています。
経済産業省が出した「電子商取引に関する市場調査の結果」によると、2019年のBtoC-EC市場規模は19兆3,609億円で、2018年からの伸び率は7.65%となっています。
また、市場規模は6年前の2011年と比較すると約2倍になっており、EC市場の成長は明らかです。

ですが、ネットショップの開業はしっかりとした下準備をしておかないと、失敗につながることも。
今回は、ネットショップを開業するための基礎知識として、開業のための手順や準備するもの、成功させるコツをご紹介いたします。

目次

ネットショップ開業を成功させるには?

ネットショップの開業を成功させるために必要な施策やコツは、以下の6つ。

  • ・販売者のことを分かりやすくする
  • ・最初に費用をかけすぎない
  • ・サイト内離脱を減らす
  • ・集客対策をする
  • ・営業時間をしっかりと決める
  • ・キャッシュレス決済に対応させる

それぞれ詳しく解説していきます。

販売者のことを分かりやすくする

ネットショップを利用する消費者にとって、ショップの情報や販売者が信用できるのかどうかは、買物をする上で重要な材料です。
実店舗であれば、販売者と直接話をする、受け渡しを直接できるなど、安心して取引ができますが、ネットショップでは販売者の確認ができません。
そのため、少しでも「このサイトは怪しい」と思われてしまうと、サイトの離脱につながってしまいます。

ユーザーに安心感を持って利用してもらうため、

  • ・販売者の顔写真・プロフィール
  • ・お問い合わせ先
  • ・営業時間
  • ・実店舗があれば、実店舗の住所など
  • ・利用規約、個人情報保護宣言などの表示

などを明記しておくと良いでしょう。

最初に費用をかけすぎない

こだわりをもってネットショップを作りたいと思い、最初に費用をかけすぎてしまうと、
「サイト内が複雑すぎて上手く扱えない」
「規模が大きくなりすぎて、在庫の管理場所や、スタッフが足りない」
といった失敗につながります。
まずは商品の数を絞って出品し、現在の人数で対応できる範囲でのスモールスタートがおすすめです。

サイト内離脱を減らす

サイト内離脱とは、一度ネットショップに訪れてくれたユーザーが、何も買わずにほかのサイトに移ってしまうことです。

要因はさまざま考えられますが、

  • ・サイト自体が見づらい
  • ・商品の画像や紹介文が分かりづらい
  • ・入力する項目が多い
  • ・ページの表示が遅い
  • ・使いたい決済手段がない

などが挙げられます。

ネットショップで利益を出すためには、サイトを分析し、離脱の要因を少しでも減らしていくことが大切です。

集客対策をする

実店舗でもチラシやSNSなどを利用して集客をするように、ネットショップを成功させる上でも集客対策は必要不可欠です。
検索結果で上位表示を狙うSEO対策や、ショップのコンセプトに合ったSNSの運用など、集客の対策をすることで、まずはサイトに訪れる人を増やすことが必要になるでしょう。

考えられる施策は、

  • ・商品への動線を分かりやすくする
  • ・ユーザーのニーズを分析したキーワードを選定する
  • ・表示速度を上げる
  • ・SNSの投稿をコンスタントに行う

などです。
SEO対策を行うことで、サイト内離脱を防ぎ、コンバージョン率(商品の購入につながる確率)も高くなるでしょう。

営業時間をしっかりと決める

ネットショップは実店舗と違い、営業時間が分かりにくくなっています。
ユーザーは24時間どこでもアクセスでき、注文をすることができます。ですが、事業主は24時間どこでも仕事ができるわけではありません。営業時間をあいまいなままにしてしまうと、事業主のストレスになり、長く続けることが難しくなってしまいます。
ネットショップは販売者の顔が見えない分、問い合わせについての返信や、注文が確定したかどうかのメールが来ないだけで、利用者は不安に思ってしまいます。
ユーザーを不安にさせないためにも、営業時間をしっかりと決めて運営をしていきましょう。

キャッシュレス決済に対応させる

総務省が発表している「通信利用動向調査報告書」によると、インターネットで商品を購入した方の決済方法は、1位がクレジットカード、2位がコンビニエンスストアでの支払い、3位が代金引換です。
また、電子マネーによる支払いの伸び率も良く、キャッシュレス決済をしたいと思っている方が多くなっています。
そのため、ネットショップでも、キャッシュレス決済に対応させることで、ユーザーの離脱率を下げ、興味を持ってくれた消費者を逃がさないことにつながります。

ネットショップ開業までに必要なもの

ネットショップ開業までに必要なもの

「ネットショップを開業したいが、なにから揃えたらいいのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
ネットショップを開業するまでに必要なものは、

  • ・事業者と契約するもの
  • ・自分で揃えるもの

の2つに分けることができます。
それぞれ詳しく解説していきます。

決済システム、サーバなどのサービス事業者と契約するもの

決済システムや、サーバなど、サービス事業者と契約する必要があるものは主に以下の8つ。

  • ・サイトのレンタルサーバ
  • ・ドメイン
  • ・ショッピングカート
  • ・決済システム
  • ・メールシステム
  • ・受注管理システム
  • ・顧客管理システム
  • ・在庫管理システム

これは、どのサービスを使ってネットショップを開業するかによっても変わります。
無料のネットショップ作成サービスを利用すれば、上記の8つは必要ありません。ですが、デザインや容量に制限があることもありますので、自社にあったサービスを見つける必要があります
サービスについては、「開設するためのサービスを決める」で解説いたします。

梱包材やパソコンなど自分で揃えるもの

自分で揃える必要があるものは主に以下の5つ。

  • ・パソコン・スマートフォン
  • ・プリンター
  • ・カメラ
  • ・梱包資材
  • ・画像編集・セキュリティなど、各種ソフト

パソコンやカメラの性能は高くなくてもネットショップを開業することはできます。ですが、商品画像などは売り上げに大きく関係する部分ですので、画像編集は必須です。
また、顧客データの漏えい防止のため、セキュリティソフトは必ず入れておきましょう。

ネットショップ開業に必要な手続き

ネットショップを開業する際には、必要な手続きが2つあります。

  • ・開業届
  • ・販売するものによっては許可証

それぞれ詳しく解説していきます。

開業届

ネットショップに限らず、個人が事業を始める際には、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を税務署に原則提出しなければなりません。
税務署で開業届を出したい旨をつたえ、書類に必要事項を記載するだけで届け出は完了です。
開業届を出す際には、個人番号カードと印鑑が必要になるので、用意しておきましょう。個人番号カードがない場合は、通知カード、もしくは住民票の写しと本人確認書類を持参しましょう。

売るものによっては許可が必要なものも

販売するものによって、許可証が必要な場合があります。主な許可証が必要なものと必要な申請書をまとめましたので、ネットショップで販売したいものが対象になっていないか確認しておきましょう。

ネットショップ開業で必要な許可証

ネットショップの開業方法

では、具体的にネットショップを開業するための方法を手順ごとに解説します。


  • ・コンセプトや売る商品を決める
  • ・仕入れ先を決める
  • ・売る商品によって許可を取る
  • ・開設するためのサービスを決める
  • ・ネットショップの決済方法を決める
  • ・ネットショップの配送方法を決める
  • ・開業届を提出する
  • ・確定申告の届け出をする

以上のそれぞれの手順について、詳しく解説していきます。

コンセプトや売る商品を決める

まずは自分のネットショップのコンセプトや販売する商品を具体的に決めていきます。
この際に、事業計画も具体的に立てておきましょう。
どんなショップにすればいいか思いつかない、という場合には、さまざまなネットショップを見て、情報収集をしておきましょう
また、利用してもらいたいユーザーのターゲットを深堀して考えていくことも大切です。
このようなユーザーの設定をマーケティング用語で「ペルソナ」といいます。
ペルソナがあれば、商品やショップのコンセプトがぶれず、一貫性のあるネットショップを作れるはずです。

仕入れ先を決める

商品を仕入れる方法は、「ネットの卸売り会社で仕入れる」「展示会で仕入れる」などの方法があります。
また、オリジナル商品を作る方法も考えられます。一から企画し、工場を手配する方法や、OEMという方法で在庫リスクやコストを削減しつつオリジナル商品を販売できる方法もありますので、自分に合った仕入れ先を決めましょう

売る商品によって許可を取る

「売るものによっては許可が必要なものも」で紹介したとおり、売る商品によって許可が必要なものがあります。
自分の売りたい商品が該当していないか確認し、許可申請を行いましょう。

開設するためのサービスを決める

コンセプトなどがかたまったら、ネットショップを開設するための構築サービスを決めましょう。
ネットショップを開業するためのサービスは大きく分けて3つ。

  • ・モール
  • ・ECオープンソースパッケージ
  • ・ショッピングカート

それぞれについて解説いたします。

モール

モールはネットショップ出店ASPとも呼ばれ、代表的なサービスはAmazonや楽天市場などが挙げられます。
実店舗で例えると、デパートの中にテナントとしてお店を立ち上げるイメージです。
ネットショップの開業から運営に必要な機能はすべて提供されるので、専門的な知識がなくても手軽に始められます。主要モールは知名度が高く、集客がしやすいのもメリット。
ですが出店数が多いため、ライバル店の中で埋もれてしまう、ショップにオリジナリティが出せない、手数料がかかって利益率が低いといったデメリットもあります。

ECオープンソースパッケージ

ECオープンソースパッケージは、実店舗で例えると、自社ビルの中でショップを立ち上げるイメージです。代表的なサービスはEC-CUBEなどが挙げられます。
カスタマイズや自由度が高く、自社の運営方針やコンセプトに合わせてショップのデザインを変えられることがメリットです。
デメリットは開業するための資金が高額であること、システムを保守・更新する手間や費用がかかることです。
相応の売上を見込むことができる大企業でなければ、導入のハードルは高いかもしれません。

ショッピングカート(ASPサービス)

ショッピングカート(ASPサービス)は、実店舗で例えると、路面店でショップを立ち上げるイメージです。代表的なサービスはMakeShop、ショップサーブなどが挙げられます。
レンタルサーバを契約し、サイトを作った上で、ショッピングカート画面以降の受注システムを借りるタイプと、ショップページから受注管理の機能まですべてついている高機能ASPサービスの2つのタイプがあります。
サービスによってはECオープンソースパッケージやモールよりも低価格でネットショップを開設でき、難易度が低いので短期間で開業ができるのがメリット。
デメリットは、モールよりも集客が難しいこと、機能に制限がかかるため、ECオープンソースパッケージよりも自由度が低くなることです。

ネットショップの決済方法を決める

サイト制作ができたら、決済方法を選択しましょう。
クレジットカード払い、コンビニエンスストア支払い、代金引換、には最低限対応できていると良いでしょう。

高額な商品を販売するならクレジットカード払いを導入する、クレジットカードを持たない若年層を狙うならコンビニエンスストア支払いやキャリア決済を導入するなど、ターゲットになるユーザーに合わせて決済方法を決めると良いでしょう。

参考:通信利用動向調査報告書

  • 別ウィンドウで通信利用動向調査報告書へ遷移します。

ネットショップの配送方法を決める

商品を届ける際の配送方法も、さまざまな事業者があるためサービス内容や価格の違いを確認しておきましょう。
配送方法は

  • ・メール便
  • ・宅配便
  • ・ゆうパック

などの方法があります。
配送料金は、交渉次第で値引きされることもあります。ライバル店の配送料金も参考にしながら、総合的な利益を考慮したうえで送料を決めましょう。
また、ユーザーの中には配送業者にこだわりがある方もいるので、配送業者も複数の中から選択できることが理想的です。

開業届を提出する

ネットショップ開業ができたら、1ヵ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)、個人事業の開始報告書を税務署に提出しましょう。
開業届を提出しなくても罰則はありませんが、

  • ・青色申告ができる
  • ・就労証明ができる
  • ・小規模企業共済に加入できる
  • ・屋号付き金融機関口座を作成できる

などのメリットがあり、ネットショップを運営していく上で支障が出てしまうことも考えられますので、早めに出しておくことをおすすめします。

確定申告の届け出をする

ネットショップを本業にする場合には、青色申告承認申請書の提出も必要です
確定申告には、青色申告と白色申告があり、青色申告の方が手間が多い分、受けられるメリットも多いです。
正しい手続きで確定申告を行えば、最大65万円の特別控除が受けられます。

確定申告について詳しくはこちら
確定申告で必要な帳簿。申告方法ごとの書類や保存期間 | ペイサポ ~お店がはじめるキャッシュレス決済~

ネットショップを開業するならキャッシュレス決済は必須。

ネットショップを開業するための流れや成功させるための方法についてお伝えいたしました。
ネットショップは、ユーザーに安心感をあたえ、いかに離脱されないかがカギになっています。ユーザー目線でのネットショップ運営のために、必要なことの1つがキャッシュレス決済への対応。
ネットショップを利用しているユーザーの75.7%はクレジットカード払いを選択しています。また、電子マネーによる支払いも増えてきているため、複数の支払い方法に対応していることが大切です。
導入にかかる費用や期間、同業他社の動向を調べたうえで、徐々に利用できる種類を増やしていくことをおすすめします

今回の記事のまとめ

ネットショップ開業を成功させるには?

  • ・販売者のことを分かりやすくする
  • ・最初に費用をかけすぎない
  • ・サイト内離脱を減らす
  • ・集客対策をする
  • ・営業時間をしっかりと決める
  • ・キャッシュレス決済に対応させる

ネットショップ開業までに必要なもの

決済システム、サーバなどのサービス事業者と契約するもの

  • ・サイトのレンタルサーバ
  • ・ドメイン
  • ・ショッピングカート
  • ・決済システム
  • ・メールシステム
  • ・受注管理システム
  • ・顧客管理システム
  • ・在庫管理システム

梱包材やパソコンなど自分で揃えるもの

  • ・パソコン・スマートフォン
  • ・プリンター
  • ・カメラ
  • ・梱包資材
  • ・画像編集・セキュリティなど、各種ソフト

ネットショップ開業に必要な手続き

  • ・開業届
  • ・売るものによっては許可が必要なものも

ネットショップの開業方法

  • ・コンセプトや売る商品を決める
  • ・仕入れ先を決める
  • ・売る商品によって許可を取る
  • ・開設するためのサービスを決める
  • ・ネットショップの決済方法を決める
  • ・ネットショップの配送方法を決める
  • ・開業届を提出する
  • ・確定申告の届け出をする

ネットショップを開業するならキャッシュレス決済は必須。

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