基礎知識
QRコード決済(バーコード決済)を店舗に導入するには?仕組み・費用・メリットを解説

店舗にキャッシュレス決済を導入するにあたって、QRコード決済(バーコード決済)を検討している方も多いのではないでしょうか。QRコード決済は、スマートフォンひとつで支払いが完了する手軽さから利用が拡大しており、経済産業省の発表によると、2025年のコード決済額は16.6兆円に達しています。
この記事では、QRコード決済の仕組みや導入のメリット、費用の目安、サービスを選ぶ際のポイントまで、導入を検討中の事業者さま向けにわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
- ・QRコード決済(バーコード決済)の基本的な仕組みと2つの決済方式の違い
- ・店舗にQRコード決済を導入するメリットと注意点
- ・初期費用・決済手数料・振込手数料など導入にかかる費用の目安
- ・QRコード決済サービスの選定ポイントと導入の流れ
目次
QRコード決済(バーコード決済)とは

QRコード決済とは、スマートフォンの専用アプリでQRコードを読み取る、またはQRコードを表示することで支払いが完了するキャッシュレス決済手段です。QRコードとバーコードの両方に対応しているサービスが多いことから、「バーコード決済」や「コード決済」とも呼ばれます。
経済産業省が2026年3月に発表したデータによると、2025年の国内キャッシュレス決済比率は58.0%に達しました。なかでもコード決済の決済額は16.6兆円(キャッシュレス全体の10.2%)と、前年から約23.0%増の高い成長率を記録しています。
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
QRコード決済は、クレジットカードや電子マネーとは異なり、物理的なカードや専用端末がなくてもスマートフォンのアプリだけで決済できる点が特徴です。利用者にとっての手軽さに加え、店舗側にとっても導入しやすいことから、活用している中小規模の店舗も増えています。
QRコード決済の仕組み|2つの決済方式の違い
QRコード決済には、大きく分けて「ユーザースキャン方式」と「ストアスキャン方式」の2つの決済方式があります。それぞれ店舗側に必要な設備やお客さまの操作手順が異なるため、自店舗の運営スタイルに合った方式を選ぶことが重要です。
ユーザースキャン方式(店舗提示型)
ユーザースキャン方式は、店舗が用意したQRコードを、お客さまがスマートフォンのアプリで読み取って決済する方式です。「店舗提示型」とも呼ばれます。
店舗側はレジ周りにQRコードを掲示するだけで導入できるため、QRコードを読み取るための決済端末が不要で、初期費用を抑えやすい点がメリットです。小規模な店舗や、低コストで導入したい場合に適しています。
一方で、お客さま側でアプリを起動してQRコードを読み取り、金額を入力する操作が必要になるサービスもあるため、入力ミスのリスクや会計にやや時間がかかる可能性がある点には注意が必要です。
ストアスキャン方式(消費者提示型)
ストアスキャン方式は、お客さまがスマートフォンに表示したQRコード(バーコード)を、店舗側がQRコードを読み取ることができる決済端末やタブレットで読み取って決済する方式です。「消費者提示型」とも呼ばれます。
お客さまはアプリでQRコードを表示するだけでよく、金額入力の手間がないため、スムーズな会計が可能です。また、POSシステムとの連携がしやすく、売上データの一元管理にも対応できます。
ただし、店舗側にQRコードを読み取ることができる決済端末やカメラ付きデバイスが必要になるため、ユーザースキャン方式と比較すると導入時のコストが発生するケースがあります。会計スピードや正確性を重視する場合は、ストアスキャン方式の導入を検討するとよいでしょう。
お客さま側の支払い方法|3つのチャージ方式
QRコード決済には、お客さま側の支払い方法として「前払い」「後払い」「即時払い」の3つの方式があります。店舗側が直接関わる部分ではありませんが、お客さまの支払い方法を理解しておくことで、問い合わせへの対応や接客の質を向上させることにつながります。
前払い(プリペイド)方式
アプリに事前にチャージ(入金)した残高から支払う方式です。多くのQRコード決済サービスが採用しており、銀行口座やコンビニATMなどからチャージできます。お客さまにとっては、チャージ額の範囲内でしか利用できないため使いすぎを防止できるメリットがあります。
店舗側の視点では、残高不足で決済ができないケースが発生する可能性があるため、その場合の対応手順をあらかじめ把握しておくと安心です。
後払い(ポストペイ)方式
登録したクレジットカードの利用料金と合算して、後日まとめて請求される方式です。チャージの手間がなく、クレジットカードと同じ感覚で利用できるため、高額の支払いにも対応しやすい点が特徴です。
即時払い(リアルタイムペイ)方式
登録した銀行口座からリアルタイムで引き落とされる方式です。デビットカードと同様の仕組みで、口座残高の範囲内で利用できます。チャージの手間がなく、即座に口座から引き落とされるため、お客さまにとっては支出の把握がしやすい方式です。
QRコード決済を店舗に導入するメリット
QRコード決済の導入を検討する際に知っておきたい、店舗側の主なメリットを解説します。
初期費用を抑えてキャッシュレス決済を導入できる
ユーザースキャン方式であれば、QRコードを掲示するだけでQRコード決済を始められます。専用端末を購入する必要がないため、初期費用を抑えてキャッシュレス決済を導入したい中小規模の店舗にとって、取り組みやすい決済手段のひとつです。
幅広い顧客層の集客につながる
クレジットカードを持たない若年層や、スマートフォン中心の決済を好む顧客層にとって、QRコード決済は身近な決済手段です。決済額は年々増加傾向にあり、対応する決済手段を増やすことは、新規顧客の獲得にもつながり得るといえるでしょう。
QRコード決済に対応していない店舗は、こうした層の販売機会を逃している可能性があります。特に若年層の来店が多い業態では、対応の有無が集客に影響するケースも考えられます。
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
会計業務の効率化・現金管理の負担軽減
現金の受け渡しが不要になることで、釣銭の準備やレジ締め作業の負担が軽減されます。釣銭の数え間違いによる差額の発生も防ぎやすくなります。
また、取引データがデジタルで自動的に記録されるため、売上の集計や経理業務の効率化にもつながります。手作業での帳簿記入と比べて、入力ミスのリスクを減らせる点もメリットです。
インバウンド需要への対応
訪日外国人の増加に伴い、海外で広く普及しているQRコード決済サービスへの対応が注目されています。特に中国ではAlipayやWeChat Payといったサービスが日常的に利用されており、これらに対応することで訪日中国人をはじめとする外国人旅行者の決済ニーズに応えることができます。
売上データの活用による経営改善
日々の取引データが自動で記録・蓄積されることは、QRコード決済のもうひとつの利点です。日別や時間帯別の売上推移、決済手段ごとの利用割合などを把握することで、仕入れ量の調整や人員配置の見直しに役立てられます。
現金決済のみの場合、こうしたデータを手作業で集計するには手間がかかりますが、QRコード決済であればサービスの管理画面から確認できるケースが多く、データに基づいた経営判断がしやすくなります。
QRコード決済を導入するデメリット・注意点
QRコード決済を導入する際には、あらかじめ把握しておくべき注意点もあります。対処法と併せて確認しておきましょう。
決済手数料が発生する
QRコード決済を導入すると、決済ごとに手数料が発生します。手数料率はサービスにより異なりますが、売上に対して一定の割合が差し引かれるため、利益率への影響を事前に把握しておくことが重要です。手数料の負担を踏まえた価格設定や、キャッシュレス導入による業務効率化で相殺できるかどうかを検討するとよいでしょう。
入金タイミングがリアルタイムではない
QRコード決済の売上は、サービスごとに定められた入金サイクル(月1回~月6回程度など)に基づいて振り込まれます。現金決済のようにその場で手元に残るわけではないため、キャッシュフローへの影響を考慮する必要があります。入金サイクルが短いサービスを選ぶことで、資金繰りへの影響を抑えることができます。
安定した通信環境が必要
QRコード決済はインターネットを介して処理されるため、安定した通信環境が必要です。通信が不安定な場所では決済処理に時間がかかったり、エラーが発生したりする可能性があります。Wi-Fi環境の整備やモバイル通信の電波状況を事前に確認しておくことが大切です。
QRコード決済の導入にかかる費用・手数料
QRコード決済の導入にかかる費用は、主に「初期費用」「決済手数料」「振込手数料」の3つに分けられます。
初期費用
ユーザースキャン方式の場合、QRコードステッカーなどは決済サービス提供元から無料で提供されることが多く、初期費用0円で導入できることもあります。
ストアスキャン方式の場合は、お客さまのQRコードを読み取るための決済端末が必要になり、端末代が発生するケースがあります。クレジットカードや電子マネーにも同時に対応したい場合は、QRコード決済にも対応したマルチ決済端末を導入する方法もあります。
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決済手数料
QRコード決済の決済手数料はサービスにより異なりますが、一般的に1%台後半~3%台が目安です。手数料率はサービスや契約プランによって異なるため、複数のサービスを比較して確認することをおすすめします。
なお、決済手数料の負担はQRコード決済に限った話ではなく、クレジットカード決済や電子マネー決済でも同様に発生します。複数の決済手段をまとめて導入する場合は、各手段の手数料率を総合的に比較して判断するとよいでしょう。
振込手数料・入金サイクル
QRコード決済の売上が入金される際に、振込手数料が発生するサービスもあります。サービスが指定する銀行口座を利用すると振込手数料が無料になるケースもあるため、口座の選定も費用を抑えるポイントです。
入金サイクルはサービスにより月1回~月6回程度と幅があります。入金頻度が低いと手元資金が不足するリスクがあるため、自店舗のキャッシュフローに合った入金サイクルのサービスを選ぶことが大切です。
QRコード決済の導入方法・流れ
QRコード決済を導入するまでの一般的な流れは以下のとおりです。
ステップ1:導入するサービス・決済方式を選ぶ
まず、どのQRコード決済サービスを導入するかを検討します。対応する決済ブランドの数、決済手数料率、入金サイクルなどを比較し、自店舗のニーズに合ったサービスを選びましょう。ユーザースキャン方式とストアスキャン方式のどちらを採用するかも、この段階で決定します。
ステップ2:加盟店申込み・必要書類の提出
利用するサービスが決まったら、ウェブサイトなどから加盟店の申込みを行います。申込み時には、事業者情報(法人の場合は登記簿謄本など)や本人確認書類の提出が必要になるのが一般的です。
ステップ3:審査・利用開始の準備
申込み後、サービス提供元による審査が行われます。審査にかかる期間はサービスによって異なります。審査完了後、QRコードステッカーの受け取りや決済端末のセットアップなど、利用開始に向けた準備を進めます。
ステップ4:利用開始
準備が完了したら、QRコード決済の受付を開始します。スタッフへの操作方法の周知や、店頭にQRコード決済対応の案内を掲示するなど、お客さまに認知してもらうための工夫も併せて行いましょう。
なお、QRコード決済だけでなく、クレジットカードや電子マネーもまとめて導入したい場合は、複数の決済手段に1台で対応できるマルチ決済端末を活用する方法が効率的です。個別に申込むよりも手続きの手間を減らすことができます。
QRコード決済サービスの選定ポイント
QRコード決済サービスは複数あり、それぞれ特徴が異なります。以下の4つのポイントを比較して、自店舗に合ったサービスを選びましょう。
決済手数料・振込手数料で比較する
ランニングコストに直結するのが決済手数料と振込手数料です。決済手数料率はサービスやプランによって異なり、わずかな料率の違いでも月間の売上が大きい店舗ほど負担額の差が広がります。また、月額固定費が発生するサービスもあるため、手数料率だけでなくトータルコストで比較することが重要です。
入金サイクルの早さで比較する
売上の入金タイミングは、店舗のキャッシュフローに影響します。入金サイクルが月1回のサービスと月6回のサービスでは、手元資金の回転スピードが大きく異なります。仕入れや家賃などの固定費の支払いに支障が出ないよう、入金サイクルの早さも選定基準のひとつとして確認しましょう。
自店舗の顧客層に合った決済サービスを選ぶ
自店舗の顧客層が多く利用しているQRコード決済サービスに対応することで、より多くのお客さまの決済ニーズに応えられます。複数のQRコード決済サービスに対応したい場合は、個別に契約するよりも、まとめて導入できるマルチ決済端末を活用する方が手続きの手間を抑えられます。
クレジットカード・電子マネーもまとめて導入できるかを確認する
QRコード決済だけでなく、クレジットカードや電子マネーにも対応することで、より幅広い顧客の決済ニーズに対応できます。決済手段ごとに別々の端末やサービスを導入すると管理が煩雑になるため、1台で複数の決済方法に対応できるマルチ決済端末の活用が効率的です。
キャッシュレス決済の導入を検討する際は、QRコード決済だけに絞るのではなく、クレジットカードや電子マネーも含めた対応範囲の広さで選ぶことをおすすめします。
QRコード決済もまとめて導入するなら「stera pack」
ここまでQRコード決済の基本的な仕組みや選び方を解説してきましたが、実際に導入する際には、QRコード決済に加えてクレジットカードや電子マネーにもまとめて対応できる方法が効率的です。
stera packの特徴
stera pack(ステラパック)は、キャッシュレス決済のサブスクリプション型サービスです。決済端末「stera terminal standard」1台で、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など幅広い決済手段に対応できます。
QRコード決済はストアスキャン方式に対応しており、stera terminal standardに内蔵されたカメラでお客さまのQRコードを読み取ります。お客さま側の金額入力が不要なため、スムーズな会計を実現できます。
- QRコード決済のお申し込みは、お申し込み時にご希望に応じて選択いただけます。
stera packの主な特徴は以下のとおりです。
- ・初期費用0円で導入可能
- ・月額サービス利用料:初年度0円(2年目以降、3,300円(税込)/月。キャッシュレス売上3,000万円以上で永年無料)
- ・Visa/Mastercard®の決済手数料率1.98%※~(※小規模事業者向けの決済手数料率です。その他条件があります。)
- ・店舗側とお客さま側で画面が分かれているデュアルスクリーン仕様
決済の度に端末の向きを入れ替える必要がなく、スムーズな決済を実現します。
- ・stera marketから業務アプリ(POSレジアプリ等)を追加可能(※別途費用と設定が必要です)
- ・レシートロール紙無料
- ・24時間365日のヘルプデスク対応
- ・端末の修理・交換が無料 ※加盟店様の故意・過失がない場合に限ります。
stera packは、決済端末の購入が不要なサブスクリプション型のため、初期費用を抑えてキャッシュレス決済を導入できます。QRコード決済だけでなく、クレジットカードや電子マネーにもまとめて対応できるため、複数の決済手段を個別に導入する手間やコストを削減できます。
まとめ
この記事では、QRコード決済(バーコード決済)の導入を検討している事業者さま向けに、基本的な仕組みから費用、選び方までを解説しました。
- ・QRコード決済には「ユーザースキャン方式」と「ストアスキャン方式」の2つの決済方式がある
- ・お客さま側の支払い方法には「前払い」「後払い」「即時払い」の3つがある
- ・初期費用を抑えてキャッシュレス決済を始められる、集客力の向上やインバウンド対応にも役立つといったメリットがある
- ・決済手数料や入金サイクル、通信環境など、導入前に確認しておくべき注意点もある
- ・費用面では、初期費用・決済手数料・振込手数料を総合的に比較することが重要
QRコード決済の利用者は年々増加しており、中小規模の店舗でも導入しやすい決済手段です。クレジットカードや電子マネーとまとめて導入できるstera packなら、幅広い決済手段に対応できます。キャッシュレス決済の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
商標について
- QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
- 「Mastercard」は、Mastercard International Incorporated の登録商標です。
- 「Visa」は、Visa International Service Association の登録商標です。
- 「Alipay」は、Alipay.com Co., Ltd.の商標です。
- 「WeChat Pay」は、Tencent Holdings Limitedの商標です。
提供会社について
- stera packはSMBC GMO PAYMENT(株)が提供しています。

独立系FPとして資産運用や保険提案、ローン、住宅購入などの個人向け相談業務を中心に、中小企業への企業型確定拠出年金(DC)導入支援も行なう。また、お金の知識をわかりやすく伝えるため、金融メディアへの執筆・監修活動もしている。
【保有資格】1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(Certified Financial Planner)
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