社会人の準備
1人暮らしの初期費用はどのくらい?安くするコツについて

新社会人になり、初めて1人暮らしを始めるという人も多くいるでしょう。1人暮らしをするには、引越し費用や家賃のほか、家具購入のためのお金が必要となりますので、できる限り費用を安く抑えたいものです。
そこで、1人暮らしの初期費用やコストを安く抑えるコツ、そしてクレジットカードで家賃を支払うメリットについて解説していきます。
- 記事の目次
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1人暮らしに必要な初期費用とは?
1人暮らしに必要な初期費用にはさまざまなものがあります。ここでは、「賃貸契約に必要な費用」と「引越し費用」「家具・家電、日用品を購入する費用」の3つに分けて見ていきましょう。
賃貸契約にかかる費用はおよそ家賃5ヵ月分
賃貸契約というと、家賃を毎月支払うだけのイメージがあると思いますが、ほかにも敷金や礼金など、契約時にはさまざまな費用が発生します。
賃貸契約をする際に必要な初期費用の目安は、家賃5ヵ月分程度といわれています。具体的には以下のような費用を支払うことになります。
- 敷金
物件を借りる際の保証金を敷金といいます。一般的に、家賃1~2ヵ月分の金額を支払うことになり、おもに退去時の原状復帰費やクリーニング代にあてられます。敷金から差し引かれた残りの金額は、退去する際に返金されます。 - 礼金
貸主への謝礼金を礼金といいます。契約時に家賃1~2ヵ月分の礼金を支払うことが多いですが、物件によってはない場合もあります。礼金は敷金とは異なり、返金はされません。 - 前家賃
通常、入居月と翌月の家賃を前家賃として支払います。月の途中から入居する場合には、入居日からの日割り家賃を支払います。 - 仲介手数料
不動産会社を通して契約した場合、仲介手数料として家賃の0.5~1ヵ月分程度を不動産会社に支払います。 - 火災保険料
火災に遭った際に建物や家具・家電の補償をしてもらうため、入居時に火災保険の加入が義務付けられているケースが増えています。 - 鍵交換費用
セキュリティのためにドアの鍵を交換しますが、交換費用は1万円から5万円程度が相場です。 - 保証会社費用
契約時に連帯保証人を立てられない場合、保証会社の利用が可能な物件を選ぶ必要があります。保証会社を利用するには所定の費用がかかりますので、不動産会社に問い合わせましょう。
引越し費用は時期や距離によって変わる
1人暮らしを始めるために必要な引越し費用は、3万~10万円程度を見ておきましょう。金額は荷物の量と時期、距離によって変動します。
特に、新生活が始まる3月から4月は引越し業界の繁忙期となるため、費用が上がる傾向があります。1人暮らしの引越し費用の目安は以下のとおりです。

繁忙期はこの金額に、1万~2万円程度上乗せされるイメージです。ただし、エリアや引越し業者によって費用は異なりますので、複数の会社に見積もりを依頼して比較・検討することをおすすめします。
家具・家電、日用品の購入費用の目安は?
家具や家電、日用品など、生活に欠かせないアイテムをそろえるためには、10万~20万円程度かかります。
冷蔵庫や洗濯機、掃除機、テレビ、炊飯器、電子レンジ、冷暖房、ドライヤーなど、必要なアイテムを優先して購入しましょう。1人暮らし用の家電製品はシンプルな機能の物が多いので、比較的費用を抑えることができます。
知っておきたい、初期費用を抑えるコツ
数十万円単位でかかってしまう引越しの初期費用。特に、新社会人として給料をもらう前に引越しをする場合、お金を工面するのはなかなかたいへんです。
そんなときに役に立つ、初期費用を抑えるためのコツを紹介しましょう。
礼金ゼロの物件を探す
初期費用を大きく抑えるためには、礼金ゼロの物件を探すことをおすすめします。貸主への謝礼である礼金は、支払うことを義務付けられているものではありません。
近年は借主を集めるために、敷金・礼金をゼロにしている物件が増加傾向にあります。特に、地方でこの傾向が見られますので、通勤時間やアクセスを考慮したうえで礼金ゼロ物件を探してみるといいでしょう。
フリーレント付きの物件を探す
最初の1~2ヵ月間の家賃が無料になる、フリーレント付きの物件を探してみましょう。
少子高齢化が進行する中で空き家率が高まっており、賃貸も集客に苦戦するケースが増えています。そこで、長期間空き家になってしまっている物件をフリーレント付き物件として提供しているのです。
フリーレント付き物件だからといって、問題のある物件というわけではなく、集客のためにサービスしているだけなので、安心して利用できます。
仲介手数料がおトクな不動産会社を探す
仲介手数料は法律で上限が定められています。家賃1ヵ月分が上限となっており、大手不動産会社は家賃0.5ヵ月分など、低めに設定しているケースもあります。貸主から直接借りれば仲介手数料は発生しませんが、実際には難しいので、仲介手数料の安い不動産会社を探すほうがいいでしょう。
また、同じ物件を複数の不動産会社が紹介している場合もありますが、同一物件なら仲介手数料が安いに越したことはありません。少し時間はかかるかもしれませんが、複数の不動産会社をあたってみるのがおすすめです。
繁忙期ではなくオフシーズンに引越しをする
引越しの費用は繁忙期と閑散期では大きく異なります。新生活を始める人が多い3~4月は繁忙期となり、引越し費用が割高になる傾向があります。
可能であれば繁忙期での引越しは避け、オフシーズンに引越しをすると安く済みます。
引越し費用の見積もりを取って価格交渉をする
引越し会社によって見積もりの金額は変わってきますので、どこが最も安く対応してくれるかを調べるためにも、複数の会社に見積もりを依頼しましょう。
また、他社からも見積もりを取っていることを伝えると、見積もり金額を下げたり特典をつけたりしてくれる可能性があります。最終的には、思い切って具体的な値下げをお願いするのもいいでしょう。
引越しの荷物は極力少なくする
荷物が多くなるほど引越し費用は高くなりますので、必要最低限にとどめておくのもポイントです。家具・家電を新調するのであれば、先に購入してわざわざ運ぶのではなく、直接新しい家に届けてもらうようにしましょう。
食器などの日用品も、まえもって購入してしまうと意外とかさばりますし、梱包の手間も増えます。100円ショップをはじめ、安く日用品を手に入れるのは難しくありませんから、引越し先で購入するといいでしょう。
社会人の1人暮らしに必要な初期費用の目安は?
社会人の1人暮らしに必要な初期費用は、契約する物件の家賃や、引越し先までの距離などによって大きく異なります。 そのため、一概にはいえませんが、サンプルとして家賃8万円の賃貸物件に引っ越す際のモデルケースを見てみましょう。

このモデルケースでは、引越しの初期費用が54万円となりました。安く抑えた場合でも、最低30万円程度は見ておいたほうが無難でしょう。
いずれにしても、まえもって引越し費用を貯めておくことをおすすめします。また、勤務先から家賃補助や引越し補助が出る場合は、詳細を確認してスムーズに対応してもらいましょう。
引越し費用や家賃はクレジットカードで支払える?
引越し費用や賃貸契約料、家賃は、非常に高額になります。中には、大量の現金を持ち歩くのが不安だとか、一度に全額を用意するのが難しいという人もいるかもしれません。
そこで、クレジットカード払いができたら便利ですが、実はこれまで、引越し費用や家賃の支払いには対応していないところがほとんどでした。その理由は、クレジットカード決済の際に発生する手数料です。
クレジットカード払いをする利用者側にとっては問題ないのですが、不動産会社や貸主には手数料が引かれた金額が振り込まれることになるからです。
現在は、政府がキャッシュレス化を推進していることもあり、高額な家具・家電から安価な日用品の購入まで、手軽にクレジットカード払いが利用できるようになりました。利用者の利便性向上や他物件との差別化を図るためにも、引越し費用や家賃のクレジットカード払いを導入する不動産会社や貸主も増えてきたのです。
家賃をクレジットカード払いにすることのメリットは?
家賃は、毎月決められた日までに支払う必要があります。支払い方法としては銀行振込や口座振替などが一般的ですが、クレジットカードで家賃を支払うメリットはどのような点にあるのでしょうか。
支払いのタイミングがずらせる
クレジットカード払いは、利用者の信用にもとづいてカード会社が利用料金を立て替えるしくみとなっています。そのため、家賃をクレジットカード払いにすることで、お金を工面するための時間に余裕が生まれることになります。
例えば、三井住友カードで家賃を支払う場合、クレジットカードの締め日は毎月15日または月末、支払いは翌月10日または26日になりますので、最低でも1ヵ月程度支払いまでの猶予ができます。
敷金や礼金が発生する賃貸契約時や、家賃のほかに更新料が発生する更新時には、支払い額も大きくなりますのでクレジットカード払いができるとありがたいもの。特に金額の大きい初期費用は、リボ払いで対応できるケースもあるため、一度に全額を用意できない場合は活用することをおすすめします。
クレジットカードのポイントが貯まる
クレジットカードには、おトクなポイントプログラムが導入されています。クレジットカードで支払いをすることで貯まっていくポイントは、家具・家電や食品などの景品に交換できたり、航空会社のマイルに交換できたりと幅広い使い道があります。
日常的な買い物だけではそれほど多くのポイントは貯まらないかもしれませんが、家賃をクレジットカード払いにすれば、毎月数万円単位のお金を利用することになり、効率的にポイントを稼げるでしょう。
銀行振り込みの手間がかからない
銀行振込や口座引き落としでは、支払い日までにATMや銀行で入金や決済手続きを行う必要があります。一方、クレジットカード払いでは自動で引き落とされますので、振り込みの手間もかかりませんし、うっかり支払いを忘れてしまうことも防げます。月の決済日も決まっているため、家計管理もスムーズに行えるでしょう。
家賃をクレジットカード払いにするときの注意点は?
家賃をクレジットカード払いにするメリットは多くありますが、注意すべき点もあります。その内容を具体的に見ていきましょう。
利用できるクレジットカードが限定されている場合がある
家賃のクレジットカード払いに対応している不動産会社であっても、支払いに利用できるクレジットカードが指定されているケースがあります。所有しているクレジットカードが対応しているかあらかじめ確認し、非対応であれば対応するクレジットカードを新規発行する必要があるでしょう。
家賃がポイントの対象とならない場合がある
クレジットカードによっては、家賃がポイントの対象とならないケースがあります。クレジットカード払いにする際は、持っているクレジットカードが家賃支払いでポイント対象となっているかを必ず確認しましょう。
資金繰りに失敗するリスクがある
クレジットカードの引き落とし日を意識しておかないと、想定以上にお金を使いすぎて引き落としのタイミングで残高が足りないということになりかねません。
決済日と支払日のタイムラグに注意しながら資金繰りをしっかり行う必要があります。