旅行の出発準備
海外旅行の必需品であるパスポート。航空券やツアーを予約するときにも必要となるため、海外旅行の計画が持ち上がったら、最初に確認するもののひとつに挙げられます。ただし、これまで海外旅行の経験がある人ほど、すでにパスポートを取得している安心感から、有効期限の確認を怠ってしまうことも少なくありません。
ここでは、パスポートの所持と併せて確認しておきたい有効期限や残存期間のほか、有効期限が切れてしまったときの対処法について解説します。
パスポートは、各国の政府および外務省が発行し、海外へ渡航する人の国籍や身分を証明することのできる国際公文書です。
日本の場合、0~19歳は5年、20歳以上は5年もしくは10年の有効期限が設けられており、パスポートの発行日から5年後か10年後の同日に有効期間が満了日を迎えます。
なお、パスポートの有効期限までの残り期間は「残存有効期間」といいます。例えば、2020年4月1日(水)に発行された5年のパスポートであれば、有効期限は2025年の4月1日(火)となり、2025年1月1日(水)時点での残存有効期間は3ヵ月となります。
海外旅行へ行く際、滞在期間がパスポートの有効期限内であれば大丈夫と思われがちですが、実は残存有効期間も重要になる場合もあります。それは、入国時に一定以上の残存有効期間がなければ入国自体ができない国もあるからです。
日本人の海外旅行先で人気の国を例に挙げると、日本のパスポートで観光目的の入国の際に必要な残存有効期間は次のようになっています。
・アメリカ 帰国時まで有効なもの(ただし、入国時90日以上が望ましい)
・カナダ カナダ出国予定日+1日以上
・シンガポール 入国時6ヵ月以上
・香港
1ヵ月以内の滞在の場合は入国時1ヵ月+滞在日数以上
1ヵ月以上の滞在の場合は入国時3ヵ月以上
・フランス、ドイツ、オランダなど 出国時3ヵ月以上必要
本内容は2020年1月現在の情報です。
必要な残存有効期間は国によってまちまちですが、観光目的であれば概ね3~6ヵ月以上となります。ただし、国際情勢などで必要な残存有効期間が変更になることもありますので、海外旅行をすることになったら、自身のパスポートの有効期限の確認はもちろん、渡航予定の国で必要な残存有効期間の最新情報もチェックすることをおすすめします。正しい情報は、渡航予定の国の観光協会、大使館、総領事館に問い合わせるか、ウェブサイトなどでのチェックが確実です。
なお、フランスのほか、ドイツ、オランダ、スイス、スウェーデンなどの26ヵ国は、ヨーロッパの国家間で出入国検査なしでの越境を許可するという「シェンゲン協定」を結んでいます。
これら、シェンゲン協定加盟国では、通常、出国時に3ヵ月以上の残存有効期間が必要となり、滞在期間は原則「あらゆる180日の期間内で最大90日まで」と定められています。このため、シェンゲン協定加盟国に計2ヵ国滞在する場合、最初の到着空港での入国となり、その国の規則が適用されます。例えば、フランスの場合、1ヵ月の滞在であれば4ヵ月以上の残存有効期間が必要となる点に注意が必要です。なお、シェンゲン協定加盟国内では、最初の到着地で入国審査があり、最後の出国地で出国審査が行われます。
飛行機を乗り継ぐトランジットで他国を経由する際、その国の入国審査を受ける場合は、経由する国の残存有効期間も必要となります。例えば、シンガポール経由でオーストラリアへ行く場合、オーストラリアは帰国時までの残存有効期間があれば入国できますが、シンガポールは6ヵ月以上が必要となるので、残存有効期間が6ヵ月未満のパスポートでは、シンガポールで搭乗を拒否されて、オーストラリアへ渡航できない可能性があります。
航空券やツアーの申し込み時の残存有効期間でカウントしてしまい、「大丈夫だと思っていたのに足りなかった」とならないよう、必ず出入国の日を基準にして数えましょう。国によっては、パスポートの残存有効期間と併せて、未使用の査証欄のページ数が決まっていることもあるので、それぞれ確認が必要です。
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パスポートは、公的な世界共通の身分証明書。有効期限が切れていたら効力をなさず、海外旅行をすることができません。最近は、ホテルや航空券がウェブ上で簡単に予約ができることから、ツアーなどに参加せず個人で手配をする旅行者も増えています。
その場合、予約時のパスポートの有無などは申し込み先によって異なりますが、有効期限や残存有効期限を確認する機会がないまま手続きが進むケースも多く、「有効期限切れに気付かず出国日を迎えてしまった」というトラブルも起きているようです。
有効期限を過ぎたパスポートでは出国審査を通過できないので、出発の日に期限切れに気付いた場合は、残念ながらその旅行はキャンセルするしかありません。パスポートの有効期限内でも、残存有効期間が渡航先の指定日数に満たなかったら同様です。
契約によっては、渡航先のホテルやオプショナルツアー、航空券などの実費負担やキャンセル料も発生します。
予約時に旅行会社を介している場合、パスポートの有効期限や残存有効期間を確認のうえ、足りない場合は事前に教えてもらうことができます。また、ツアー申し込みの段階でパスポートの有効期限が切れていても、発給の申請中、もしくはすぐに申請することを伝えれば手続きを進められるようです。その際、次の点に注意してください。
・氏名のスペル 航空券や海外ツアーでは、予約時とチェックイン時にパスポートの氏名を照合して本人確認をするため、スペルが1文字でも異なると、便の搭乗やツアーの参加ができません。
・パスポート情報 航空券の予約やツアーの予約完了時にパスポート番号などが必要となることがあります。申し込み時にパスポートが未取得だった場合や切替えの場合、それぞれ取得後はすぐに情報を伝えるようにしましょう。
・パスポート取得のタイミング 出発当日までにパスポートが取得できなかったときは、予約は取り消しとなります。その際、キャンセル料が発生する可能性があります。
パスポートの有効期限や残存有効期間がギリギリでも条件を満たす場合は、原則として渡航はできます。とはいえ、事故やトラブルなどに巻き込まれて滞在日数が延びてしまうと帰国できないリスクも出てくるので、有効期限も残存有効期間も、ある程度ゆとりを持った日数で出国日を迎えるのが望ましいでしょう。
では、ギリギリのパスポートで渡航し、何らかの事情で滞在中に有効期限が切れてしまったら、どうしたらいいのでしょうか?
・滞在先でパスポートが切れた場合
海外滞在中にパスポートの有効期限が切れてしまったときは、その国にある日本大使館や総領事館でパスポートを発給してもらいます。
必要書類は日本国内で発給するときと同じですが、戸籍謄本のように日本の役所でしか発行できない書類もあるため、日本にいる家族にお願いして送ってもらったり、役所から渡航先へ送ってもらう手配をしたりしなければなりません。原本が到着するまでにある程度の日数を要し、そこから申請して発給されるまでにも一定期間が必要となるので、スケジュール次第では滞在日数が大幅に延びてしまう場合もあります。また、ビザやビザ免除プログラムの申請が必要な国では、その引き継ぎ手配も必要になります。
慣れない環境下、言葉も通じにくい中でこれらの手続きを進めるのはなかなか難しいもの。有効期限にはゆとりを持って旅立つようにしましょう。
心待ちにしていた海外旅行が、有効期限切れや残存有効期間の不足などで、出発直前にキャンセルとなってしまうことを防ぐためにも、パスポートの早めの確認は必須です。
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パスポートの更新はどのタイミングで行うべき?手続きや注意点
すでに有効期限が切れていたときは、すぐに必要書類を用意して、住民票や居所のある都道府県のパスポート申請窓口で発給申請を行いましょう。この場合、新規発給を行うときと、手続きや必要書類は同じになります。
20歳以上なら、有効期限を5年と10年から選ぶことができますので、希望年数の一般旅券発給申請書で申請をしてください。申請から受領までには土日・祝日を除いて1週間程度かかりますので、早めの手続きが安心です。
また、窓口で過去の取得の有無を確認されることもあるため、有効期限が切れたパスポートも用意しておいたほうがいいでしょう。
パスポートは、残存有効期間が1年未満になったら切替えができるようになります。ほかにも、査証欄に余白がなくなった人も切替え申請の対象となります。なお、必要な書類と注意点は以下のとおりです。
<有効期限内のパスポートを切替えるときの注意点> ・残存有効期間は切り捨てになる(有効期限が変わる) 新しいパスポートの申請は、正確には「切替え」となり、「更新」はできません。そのため、新規の取得と同様の手続きが必要で、残存有効期間も引き継がれずに切り捨てとなります。新しいパスポートの有効期限は、発行された日から5年または10年となります。
・パスポート番号が変わる パスポートの真正性や信頼性を維持するためとして、パスポートごとに固有の番号を使用することが国連の専門機関の国際標準で強く推奨されていることから、パスポート番号も新しく付与されます。航空券やツアーを以前のパスポート番号で予約していた場合は、変更の届け出を忘れずに行いましょう。
・電子渡航認証など、ビザ免除プログラムの再申請が必要になる
ビザ免除プラグラムは、アメリカで2年、オーストラリアでは1年など年単位の期限が設けられていますが、期限を迎える前にパスポート情報が変わった場合は無効になるため、新しいパスポートで申請し直す必要があります。
ビザ免除プログラムの新しい期限は再申請の日をもとに設定されますが、手数料なども新たに負担しなければなりません。
切替え手続きを終えた旧パスポートは、有効期限前であっても無効になります。破棄してしまう人もいるようですが、パスポートは国の所有物で、国に返納するよう義務付けられているので、不要な場合はパスポートセンターなどへ提出してください。
ただし、ビザの申請などで過去のパスポート番号が必要となることもあるので、古いパスポートも手元で保管しておいたほうがいいケースもあります。その場合、返却希望の旨をパスポートの申請窓口で申し出れば、返納の義務を果たしたとする「VOID」の押印や、穴開け処理をして返却してもらえます。
海外旅行の思わぬ落とし穴になりかねない、パスポートの有効期限切れや残存有効期間。残存有効期限が不足していた場合、たとえ出国できても、渡航先の空港で拒否されて帰国を余儀なくされてしまっては、せっかくの旅が台無しです。
そんな事態にはならないよう、あらかじめ確認して対処しておくのがスマートな海外旅行者の心得といえるでしょう。
海外旅行にクレジットカードを持っていくと、キャッシュレス決済でスマートに支払いができるだけでなく、現地通貨を用意するときにも便利です。また、海外旅行に関する保険が付帯されているカードもあります。
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