株式会社LBB

現地決済を可能にしたモバイルオーダーアプリ「L.B.B.Cloud」。会計時に行列しない社会の実現へ

決済機能連携

カスタマーディスプレイ

カメラ機能

ユーザー向けサービス連携

公開:2023/05/12

 

株式会社LBB:インタビュー画像1

自社開発のモバイルオーダーシステム「L.B.B.Cloud(エル・ビー・ビー・クラウド)」を展開する株式会社LBB。「stera(ステラ)」のオールインワン決済端末「stera terminal(ステラターミナル)」に可能性を感じた同社は、ユーザーの事前登録なしで現地決済を可能にする画期的なモバイルオーダーアプリを開発し、「stera market(ステラマーケット)」に提供しています。

 

「当社の目標は、会計時の行列に並ばなくて済む社会を創ることです。『stera terminal』を活用したことによって、その実現に一歩近づけたと思います」。そう語るのは、同社の代表取締役CEO・宮本敦史さん。「L.B.B.Cloud」の開発を手掛ける取締役CTO・山野聡さんとともに、「stera market」に参加するまでの経緯や、アプリ開発にまつわる秘話、そして、「stera」を通じて実現していきたい世界について語っていただきました。

 

目次

 

プロフィール

株式会社LBB 代表取締役CEO 宮本 敦史(みやもと あつし)

株式会社LBB 代表取締役CEO 宮本 敦史(みやもと あつし)

 

大学卒業後、テレビ局、ソフトウェア開発会社を経て、Web制作会社の立ち上げに参画。
2006年に独立し、自社サービスを多数展開。HTMLコーディングを日本でサービス化したパイオニア。2013年よりインバウンド向けサービスやキャッシュレス化時代を想定し決済関連事業の開発を進める。2018年に株式会社LBBを設立。

株式会社LBB 取締役CTO 山野 聡(やまの さとし)

株式会社LBB 取締役CTO 山野 聡(やまの さとし)

 

某大手ホテルチェーンの予約システム、不動産物件管理システム、ホテル基幹システム、CRMツールなどを開発。2018年株式会社LBBの立ち上げから参画。

利便性を高め、加盟店の機会損失を防ぐ「L.B.B.Cloud」

2021年9月、LBB社はstera marketにおける「stera terminal」の加盟店向けアプリとして、モバイルオーダーアプリ「L.B.B.Cloud」をリリースしました。

 

事前に会員登録やクレジットカード登録をしなくても、端末の機能を通じて現地決済ができるという画期的なアプリケーションです。「ユーザーと加盟店、双方の利便性を高めると同時に、購買の機会損失を防ぐという大きなメリットをもたらすことができる」と宮本社長は語ります。

 

宮本社長:当社では、ユーザーのスマートフォンを利用することで、予約・注文・決済業務を効率化できるSaaS型のBtoBモバイルオーダーシステム「L.B.B.Cloud」の開発・販売を手掛けています。また、このシステムをベースとしたOEM事業や、モバイルオーダーから決済、CRMまでのプラットフォームを提供するOMO(※)事業も展開しています。

 

今回stera marketにおいて「stera terminal」の決済機能と連携させるアプリケーションを開発したことにより、従来のモバイルオーダーでは難しかった「事前の登録・決済をなくす現地決済のしくみ」を実現することができました。

 

これまでにユーザー側からは「モバイルオーダーを使いたいが事前登録が面倒」「クレジットカードを持っていないから事前決済ができない」などの声がよく聞かれ、店舗の方からは「オーダーしたお客さまが来店しなかった」というお話を聞くこともありました。「stera market」を通じて「L.B.B.Cloud」のシステムをより進化させたアプリケーションを提供することによって、こうした課題を解決できればと考えています。

 

OMO(Online Merges with Offline)=顧客がチャネルの違いを意識せずにサービスを受けられるよう、オンライン・オフラインを分けずにマーケティング戦略を構築していく考え方

 

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行列に並ばなくていい世界を創りたい

LBB社がモバイルオーダーシステムの開発に着手した背景には、宮本社長が実現したい大きなビジョンがあったそうです。

 

宮本社長:私はもともとシステム開発の会社を経営していましたが、ニュージーランドの飲食店や空港でモバイルオーダーを体験し、「並ばなくていいのか」という衝撃を受けました。ぜひ日本でも展開し、「会計の行列に並ばなくていい世界」を実現したいと思いました。

 

ユーザーと店舗、双方の無駄な時間をなくして時間価値を高めていけるような、そんな新しい購買スタイルのサービスを提供していきたい、と考えています。また、「これからの時代、人手不足で困っている飲食業界にこそ、DX 化が必要なのだ」という思いもありました。

アプリと直接連携できる決済端末は、非常に画期的

当初、「L.B.B.Cloud」は、イベントにおける物販などに活用するシステムとしてスタートしました。宮本社長は、まずは競合がほぼいない領域で顧客をつかみ、そこから飲食業界での展開も目指そうと考えていたそうです。

 

宮本社長:ところが、コロナ禍によってイベント開催ができない状況となってしまいまして…。そこで、飲食店に向けて、現地決済も可能にするサービスを開発し、「並ばせないフロー」を実現しようと考えたのです。

 

そんな中、三井住友カードの営業担当の方から「stera marketに参加しませんか」というお声がけをいただきました。当社が考えるしくみはレジとの連携でしか対応できないと思っていたので、決済端末と直接連携できる「stera」は非常に画期的だと感じましたね。当時、他社開発のアプリをインストールできるような決済端末はなかったと思いますし、1台の端末で多岐に渡る決済方法を利用できるという点も画期的でした。

 

また、三井住友カードという社会的信用の高い企業のアプリケーションマーケットに参加することで、より多くの方にご利用いただけるのではないか、という大きな可能性も感じました。営業担当さんからは「キャッシュレス決済を普及させて、混雑をなくしたい」という熱い思いを聞くことができ、当社の考え方とすごくフィットしていると感じたことも大きかったです。お話をいただいたその日に参加を決めました。

 

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マルチディスプレイでユーザビリティにこだわる開発を実現

「L.B.B.Cloud」アプリケーションの開発を担当した取締役CTOの山野さんは、「開発者として『stera terminal』の端末に可能性を感じた」と話します。

 

山野さん:まず、決済の種類が豊富で、電子マネーまでワンストップで使える点が非常に素晴らしいと思いました。Androidの機能があまり制限されていないので、非常にスムーズに開発を進めることができましたね。

 

モバイルオーダーアプリ「L.B.B.Cloud」は、お客さまが決済する場面でも使われます。ですから、店舗の方とお客さまが対面で向かい合って使えるマルチディスプレイがすごくいいと思いました。

 

決済時、暗証番号を入力する際には、画面が一つしかない端末では使い勝手が悪いですし、開発者としては表示できる情報が少ないというデメリットを感じます。その点、『stera terminal』は店舗側とお客さま側という2つの画面にキレイに分かれています。それぞれの機能や表示情報をきっちり分けられるのは開発において非常にありがたいですし、店舗とお客さま、双方にとってユーザビリティがいいものをつくることができました。

 

今後は、もっとグラフィックを表示していきたいですね。あらかじめ仕込んでおけば、いろんな表現ができると実感しています。開発の自由度が高いので、本当にさまざまなサービスに活用できるプラットフォームだと思いました。

 

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アプリ開発ができたのは、手厚い開発サポートがあってこそ

開発がスムーズに進んだ背景には、三井住友カードの柔軟なサポート体制があったそうです。

 

山野さん:三井住友カードさんが、細かい仕様については端末メーカーさんに照会をかけてくれて、都度確認することができました。専門的な質問をしてもすぐに理解してもらえて、素早く答えてくれましたね。おかげでスムーズな開発ができたと感じます。

 

一方、宮本社長は「三井住友カードの手厚いサポート体制があってこそ、このアプリを開発できた」と語ります。

 

宮本社長:本当に「丁寧」の一言しかないですね。端末を借りて半年間も実証実験を行う中、さまざまな質問に迅速に回答してくれたことはもちろん、テスト環境でエラーが出た際にも、嫌な顔一つせずに早急に対応してくれました。

 

共同開発などでよくあるのは、スタートダッシュしても、途中でダレてしまって結局は開発できなかった、というパターンです。しかし、三井住友カードの担当者さんは、こちらが開発につまずき、その原因を探るためのさまざまな質問をした際にも、丁寧に対応してくれました。

 

その都度、しっかりとサポートしていただけたおかげで、止まることなくアプリを開発することができたのだと思います。半年間、開発を突き詰めることができたおかげで非常にいいものができたと感じますね。

「stera」ブランドの信用力と普及率は、営業の武器になる

「stera market」に「L.B.B.Cloud」のアプリケーションをリリースした当初、LBB全体の飲食店での利用数は100アカウント程度でしたが、それから約1年半が経つ現在、利用アカウント数は1100超となり、大きく伸びています。

 

「stera market」に参加するメリットについて、宮本社長はこう話します。

 

宮本社長:第一に「stera」というブランドの信用力の大きさ、普及率の高さは大きなメリットだと感じます。「すでに『stera terminal』を導入しているので、利用しやすい」「あの端末に入っている企業なら信頼できる」という理由で導入をご決定いただいたり、OEM契約につながったりするケースがかなり増えています。

 

営業に出掛けた先が「stera terminal」をすでに利用していることも多く、おかげで話が早いですね。「steraを導入されているなら、当社のアプリもすぐにご利用いただけますよ」というクロージングができるのは、一つの武器になっていると思います。

 

加えて言えば、当社では大手企業様に向けた営業を行うケースが多いのですが、三井住友カードさんから「stera terminal」を導入されている企業様をご紹介いただく機会も何度かありました。

 

また、「stera market」を通じて便利なアプリを探している方の目に触れる機会も増えているようで、加盟店の方から直接お問い合わせをいただく機会も増えています。「stera market」に参加すること自体が、一つの営業チャネルになっていると感じます。

 

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アプリ開発を通じて特許を取得。ビジョンの実現に一歩近づいた

LBB社は、「stera market」にアプリケーションを提供した後、モバイルオーダーで現地決済を実現するしくみを確立し、特許も取得したそうです。

 

宮本社長:事前にモバイルオーダーで注文して、会員登録やクレジットカード登録をせず、現地で本人確認をした後に「stera terminal」を使って精算できるしくみを確立しました。また、「stera terminal」に搭載した「L.B.B.Cloud」にも注文管理のシステムが入っているので、これを使ってバックヤードに注文を飛ばすことができるのです。

 

ユーザーの皆様にとっては、「stera terminal」にスマホをかざすだけで精算ができ、利用する店舗の方々にとっても非常に便利であり、機会損失を防ぐことができます。効率的な現地決済のフローを確立し、そのしくみで2022年の11月に特許を取得することができました。これも「stera」のおかげだと思っています。

飲食店はもちろん、フードコートやキッチンカーにも、「L.B.B.Cloud」を使っていただければと思いますし、イベントでの物販などにもぜひご活用いただければと考えています。

 

また、特許を取得できたので、これを活用してOMO戦略もさらに進めていきたいですね。

現時点では、リテールプランとして、小売店の皆様により活用いただく方法を展開していく予定です。リテール・チェーンでは、複数のブランドを展開しているケースが多いので、ブランドをまたぐ形でさまざまな商品をモバイルオーダーできたら便利だろう、と。これから実証実験を行い、近々に「stera market」に提供しているアプリでも使えるようにアップデートしていきます。

 

今後は、特許を活かして小売業にもモバイルオーダーを普及できたらいいなと考えています。海外では見かけることもありますが、日本ではまだまだ普及していないので、当社が先駆けてやっていきたいですね。「stera」に参加したことで、当社のビジョンである「並ばなくて済む世界の実現」に、また一歩近づくことができました。

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多くの開発会社と連携してより便利な世界を創っていきたい

最後に、「stera market」への参加を考えている開発会社の方々に向けて、お二人からメッセージをいただきました。

 

山野さん:開発者として、クレジットカードからQRコード、電子マネーまで、これだけ多様な決済を簡単に使える「stera」のプラットフォームは、非常に珍しく、魅力的だと感じています。そうした決済を組み込んだサービスを展開するには適したプラットフォームなので、多くの開発会社の方々に参加していただき、ユーザーの利便性をさらに向上していければと思っています。

 

我々も、今後はイベント会場などの入場・チェックインでカメラやQRコードを活用するなどで、事前注文から受付、決済まで使えるようなアプリケーションを開発していきます。

 

宮本社長:すでに「stera market」に参加している当社としては、他のアプリと共創していくことができれば、と考えています。スタッフの勤怠管理やユーザー向けのポイントアプリ、LINE系のCRMなど、さまざまな領域のアプリと連携することができれば、もっと便利な社会になると思うので、開発会社同士の横連携でサービスの幅を広げていきたいですね。

 

「stera」のブランド力は非常に強く、普及率も高い。相乗効果で自社開発のサービスを使っていただけるチャンスが増えるので、プラスしかないと感じます。ベンチャー企業やスタートアップにとっては、販売チャネルが一つ増えるのは魅力的だと思います。

 

また、自社のサービスを自社の販売チャネルだけで展開することには、「仕様が曖昧になる」というデメリットもあります。しかし、「stera market」に参加することで、三井住友カードの営業担当さんからユーザー視点のアドバイスをもらうことができますし、アプリをリリースする際にも、動作上の問題点を事前にチェックしてもらえます。自社サービスのクオリティを担保する一つの手段にもなりますし、開発のモチベーションも上げることができると思います。

stera アプリ開発の始め方

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