総務
リース契約とは?メリットや種類、仕組みを徹底解説
藤沼会計事務所代表、アカウントエージェント株式会社代表。公認会計士として、上場企業の会計監査やIPO準備企業の支援業務に従事。その後コンサルティング会社を経て会計事務所を独立開業。現在は税務顧問やM&Aアドバイザリー業務に携わる傍ら、数多くの会計・税務・金融メディアにて記事監修に携わっている。
【保有資格】公認会計士、税理士
藤沼会計事務所
アカウントエージェント株式会社
会社が設備投資をするとき、すべての物件を購入すると多額の費用がかかってしまいます。そこで活用したいのがリース契約です。
ここでは、リース契約とは何かという基本的なことから、リース契約の種類やメリット、期間、事例、所有権、それぞれ仕組みの違いによる注意点まで徹底解説します。さらに固定資産税の取り扱い、コピー機や複合機はリースと購入どちらが良いか?などについてもご紹介します。
- 目次
- リース契約とは?
- リース契約の種類
- リース契約におけるメリット・デメリットとは?
- リース契約の支払いは法人カードがおすすめ
- リース契約に利用したい三井住友カード
- スタートアップ企業は「所有」より「利用」に重点を置こう
- よくある質問
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リース契約とは?
リース契約とは、会社が設備投資をする際に、その物件を購入するのではなく、リース会社から長期間借りて利用する契約を指します。リース契約の事例としては、コピー機や複合機といったOA機器のほか、パソコン、サーバといったIT機器、デスク、ロッカーといった事務用品など、多岐にわたります。営業や配送などの目的であれば、自動車も社用車としてリース契約を結ぶこともできます。
また、製造業であれば産業機械や工作機械、重機などもリース契約ができます。会社で使用する消耗品以外のあらゆる設備が、リース契約できる可能性があります。不動産や建物付属設備、構築物などについても、リースの対象となる物件があります。
リース契約では、その物件の所有権はリース会社にありますが、自社で購入した場合とほぼ同様に、長期間使用し続けられるのが特徴です。
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リース契約の種類
リース契約の種類には、「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴や注意点について見ていきましょう。
ファイナンスリース
ファイナンスリースとは、ユーザーが選んだ物件をリース会社がユーザーに代わって購入し、貸与するファイナンス(金融)取引です。日本で一般的に「リース」というときは、ファイナンスリースを指します。
ファイナンスリースでは、原則として、リース契約の期間中で中途解約はできないため、借りる物件をどのくらい利用するか、事前に計画を立てておく必要があります。また、物件の保守・修繕義務がユーザーにある点も、ファイナンスリースの特徴でしょう。
ファイナンスリースで借りられる物件例
- コンピュータや通信機器
- 事務用機器
- 測定器など
さらに、ファイナンスリースは「所有権移転ファイナンスリース」と「所有権移転外ファイナンスリース」の2つの取引形態に分類されます。
所有権移転ファイナンスリース
この形態の場合、リース契約期間満了後は、物件の所有権がユーザーに移転します。つまり、リース契約期間後も、借りていた物件を所有して使い続けることができます。
所有権移転外ファイナンスリース
この形態の場合、物件の所有権はユーザーに移転しないため、借りていた物件をリース会社に返却しなければなりません。リース契約期間満了後も引き続き物件を使い続けるためには、再度リース契約をし直したり、買い取りなどの費用を別途支払ったりする必要があります。
リース契約では、物件の所有権を誰が持つのかということは、料金プランにも関わる重要なポイントです。例えば、固定資産税は物件の所有権を持つ者が納める税金です。通常のリース契約では、リース会社が物件の所有者となり、ユーザーがリース契約期間中に支払うリース料にも、物件の購入代金のほか、金利、固定資産税、損害保険料などが含まれています。
オペレーティングリース
オペレーティングリースは、リース契約期間が終了した後、中古市場性が見込まれる物件のみ貸与するリースのことをいいます。リース会社は、リース契約期間満了時の物件の中古市場での価値をあらかじめ見積もります。この中古価値を「残存価額(残価)」と呼び、物件購入価格から残存価額を差し引いた金額をベースに、ユーザーの支払うリース料を設定します。これを残価設定方式と呼びますが、ファイナンスリースに比べてリース料の支払い総額が少なくて済みます。
オペレーティングリースで借りられる物件例
- 輸送用機器(航空機、ヘリコプター、船舶、コンテナなど)
- 工作機械、産業機械、半導体製造設備
- 医療機器
- 印刷機械
- 建設機械(重機)
- 商業用設備など
オペレーティングリースの特徴は、ファイナンスリースと比較して、短い期間のリース契約ができる点にあります。ファイナンスリースでは、物件の法定耐用年数の60〜70%のリース期間を設定する必要があるのに比べて、オペレーティングリースでは、借り手の計画に合わせてリース期間を柔軟に設定することができます。途中解約ができるケースがあるのも、ファイナンスリースとは異なる点です。
また、オペレーティングリースの場合、物件の所有権は、リース契約期間満了後もユーザーに移転しません。ユーザーは物件を所有するわけではないため、資産として計上する必要がなく、物件の保守・修繕義務もリース会社にあります。
ファイナンスリースとオペレーティングリースではどちらがお得?
ファイナンスリースにおけるリース料は、金利や固定資産税などの諸経費を含めて、物件価格の115%程度に設定されるのが一般的です。例えば、物件価格が100万円の場合、リース料の総額は約115万円になります。このように、ファイナンスリースでは、物件を1回払いで購入するよりも、リース料の総支払い額が割高になります。
一方、オペレーティングリースにおけるリース料は、物件価格の90%未満に設定しなければならず、物件価格が100万円の場合、リース料の総額は最高で約90万円になります。
リース契約におけるメリット・デメリットとは?
リース契約には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。メリットとデメリットをよく検討して、利用するかどうかを決めましょう。
リース契約のメリット
リース契約のメリットは、必要な物件をすぐに利用できるところにあります。ベンチャーやスタートアップ企業など、資金調達のできていないフェーズでも必要に応じて設備を整えることもできます。しかし、それ以外にもメリットはあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、確認してみましょう。
常に最新の設備が使える
OA機器やIT機器などの設備は、新しい技術を取り入れた物が次々開発されるため、年数が経過するとすぐに使い勝手が悪くなってしまいます。しかし、リース契約で設備を導入し、耐用年数に合わせたリース期間を設定すれば、常に最新の設備を利用することができます。
どこのオフィスにもあるコピー機や複合機は、その好例です。メーカー自体がリースサービスを展開していることもあり、最新の機能が搭載されている機材を借りられるだけでなく、コピー用紙やトナーなど消耗品の補充、メンテナンスなどもやってくれるサービスもあります。安い中古の機材を購入するのとどちらがお得か、ランニングコストも考慮しながら、よく比較検討してみましょう。
少額で設備を導入できる
リース契約では、導入時に多額の初期費用の必要がなく、月々わずかなリース料で設備を導入できます。そのため、余剰資金を運転資金に回すことができます。
リース料を経費にできる
設備を購入した場合は、減価償却分のみが損金となり、全額を経費扱いにはできません。しかし、リース契約で設備を導入すれば、毎月のリース料を全額経費扱いにできます。また、月額料金が一定のため、ランニングコストを管理しやすいといったメリットもあります。
リース契約のデメリット
とても便利に思えるリース契約ですが、利用のしかたによってはデメリットもあります。以下の点に注意して、リースを賢く利用しましょう。
所有権がない
リース契約する物件の所有権は、原則的にリース会社にあります。通常の利用において不都合は生じませんが、リース契約期間が終了した後もその物件の使用を希望する場合は、再度リース契約をし直したり、下取り購入したりするコストが発生します。
なお、契約によっては「所有権移転リース」のように、リース契約期間終了時に所有権が移転するものもあります。
中途解約ができない
ファイナンスリースは、税法上、リース契約期間中に中途解約ができません。どうしても解約をしたいときは、残りのリース料を一括で支払い、契約を満了するしかありません。
支払い総額が割高となる
ファイナンスリースの場合、リース料金には、リース会社の手数料や保険料、金利、固定資産税などが含まれています。そのため、最終的な支払い総額は、購入するよりも割高となる場合があります。
リース契約の支払いは法人カードがおすすめ
リース契約をするなら毎月の支払額が決まっているため、法人カード(法人向けのクレジットカード)で支払いすることを検討してみてもいいでしょう。法人カードなら、決済を自動で済ませられ、履歴を明細書で把握できるので、経理作業の効率化になります。また、ポイントが付与されるのも魅力です。
リース契約に利用したい三井住友カード
三井住友カードでは、ビジネスオーナー向けの法人カードをご用意しております。リース契約の支払いにも使え、経費管理の一元化・効率化に役立ちます。
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三井住友カード ビジネスオーナーズは、高校生を除く満18歳以上の法人代表者、個人事業主(副業・フリーランスを含む)の方向けの法人カードです。法人口座(または個人口座・屋号付個人口座)から自動で引き落しができるため、請求処理や振り込み手続きなどの事務処理が大幅に軽減されます。支払いをカードに一本化することで、出張接待費や広告費など多岐にわたる支払いの手数料も削減させられるうえ、Vポイントも貯まってお得です。
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スタートアップ企業は「所有」より「利用」に重点を置こう
ベンチャー企業やスタートアップ企業など、資金が十分でない創業期では特に、リース契約を利用することでコスト節約の大きなメリットが生まれます。また、専門的な業務についても自社ですべてをカバーするのではなく、アウトソーシング(外注)に出して、固定費(設備費や人件費)をコストカットするという方法もあります。すべてのリソースを「所有」するのではなく、必要なものを「利用」するという方向へと発想を転換し、会社経営の効率化を実現させましょう。
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アウトソーシングとは?メリット・デメリットを理解しよう
よくある質問
Q1.リース契約とは何ですか?
リース契約とは、会社が設備投資をする際にその物件を購入するのではなく、リース会社から長期間借りて利用する契約です。リース契約を利用することで、初期投資を大幅にカットしたり、必要な期間のみコストを支払ったりして、効率的な経営が図れます。
詳しくは以下をご覧ください。
リース契約とは?
Q2.リース契約のメリットとデメリットは?
リース契約のメリットは、OA機器やIT機器などの最新設備を常に利用することができ、多額の初期費用の必要がなく少額のリース料で導入が可能、リース料を経費扱いにできることです。デメリットは、リース物件の所有権がなく契約満了時に返却しなければならないこと、中途解約ができないこと、最終的な支払い総額が購入する場合よりも割高となる場合があることです。
詳しくは以下をご覧ください。
リース契約におけるメリット・デメリットとは?
Q3.スタートアップ企業がリース契約を利用するコツは?
すべての設備を「所有」するのではなく、必要な物を必要な期間「利用」するという考え方が大切です。会社の経営状況とともにリース契約をうまく利用すれば、効率的な事業運営を実現できるでしょう。
詳しくは以下をご覧ください。
スタートアップ企業は「所有」より「利用」に重点を置こう
2023年1月時点の情報なので、最新の情報ではない可能性があります。
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