

金融コラムニストとして資産運用・生命保険・相続・ローン商品・クレジットカードなど多岐にわたる執筆業務と監修業務に携わり、関わった記事案件は500を超える。企業に属さないFPとしても活動し、客観的な立場から投資・保険商品の選び方を中心に情報発信を行う。
【保有資格】1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DCプランナー2級
大企業向けに発行される法人カード「コーポレートカード」は、事業におけるビジネス決済や経理負担の軽減に有効なカードです。キャッシュレスで決済できる利便性の高さもあって「個人的に利用したい」と考える人が出てくるかもしれません。
ここでは、コーポレートカードを個人的に利用してはいけない理由、従業員の私的利用を防ぐためのポイントをご紹介します。
コーポレートカードは法人カードのひとつ
コーポレートカードは、法人や個人事業主向けに発行される法人カードの1種です。そのなかでもコーポレートカードは大企業向けのカードであり、会社名義の口座を指定することで事業の経費決済に利用できる特徴があります。
法人カードにはコーポレートカードのほかに、中小企業や個人事業主向けの「ビジネスカード」があります。ビジネスカードに比べると、コーポレートカードは対象となる事業規模や利用可能枠が大きく、従業員ごとに利用枠を設定できることなどが特徴となっています。
コーポレートカードは私的に利用してもOK?
コーポレートカードを所有している法人経営者や従業員が、個人的な決済でカードを利用しても問題ないのでしょうか。
結論からいうと、コーポレートカードの私的利用はしてはいけません。
コーポレートカードの決済方法には法人口座からの引き落としが行われる「会社決済型」と、個人口座から引き落とされる「個人決済型」の2種類があります。
まず、会社決済型は法人口座からの引き落としが行われるため、私的利用はしてはいけません。また個人決済型のコーポレートカードであっても、会社決済を前提としているため個人でのカード利用は基本的にしてはいけません。
コーポレートカードの私的利用をしてはいけない理由
コーポレートカードを私的な支払いなどに利用してはいけません。
万が一私的利用をしてしまうと、以下のような負担やリスクが生じる可能性があります。
会計処理が複雑になる
コーポレートカードで個人決済をしてしまうと、会計処理が複雑になるデメリットがあります。
コーポレートカードで個人的に決済した場合、利用した社員から会社に経費申請が必要です。会計書類を簡単にするためにクレジットカード決済を導入したはずが、私的に使用したものと法人決済を区別する手続きが必要になり、経理担当者の事務作業の負担が増加してしまいます。
脱税を疑われる
法人カードを私的に利用することで、脱税を疑われるリスクがある点にも注意が必要です。
個人的な支出を法人カードで決済するということは、一時的とはいえ会社のお金を使い込んでいる状態です。私的利用した分を個人口座から法人口座に入金することで帳尻は合いますが、会社のお金を横領したと捉えられる可能性もあります。
また、法人カードを個人的な目的で利用してトータルの法人税額を意図して削減していると判断されると、脱税の疑いをかけられる可能性があります。
個人使用された決済を適切に処理していない場合、税務署から罰金や刑事責任が問われるかもしれません。
融資に影響する
法人カードを私的利用した場合、会社が金融機関からの信用を失い、融資の審査で不利になる可能性があります。
通常、法人カードの私的利用は、決算書に「役員貸付金」として処理されます。決算書は、会社の成績や財務状況をまとめた書類のことです。決算書に役員貸付金の記載があるのは、個人が会社のお金を借りている状態であり、金融機関の審査評価で悪影響を及ぼす可能性があります。
少額なら大きな問題にならないこともありますが、金額次第では「公私混同」「財務管理が不適切」という悪評価につながってしまいかねません。
コーポレートカードで貯まったポイントやマイルの私的利用もNG
支払い金額に応じてポイントやマイルが貯まるコーポレートカードもありますが、決済だけでなくマイルやポイントの私的利用も原則としてNGです。
コーポレートカードの利用で貯まったポイントやマイルを個人が使用しても法的に問題があるとは限りませんが、一般的に所有権があるのは経営者や従業員ではなく、会社です。
社内ルールとして、経営者や従業員が利用してよいというルールが設定されていない限り、個人が自由に利用してはいけません。
ポイントやマイルの使い方は社内で揉める原因にもなるため、処理方法を事前に決めておくことをおすすめします。
追加カードで貯めたポイントやマイルを一元管理できるコーポレートカードなら、従業員のポイントやマイルの無断使用を未然に防ぐことも可能でしょう。
コーポレートカードの私的利用を防ぐ方法
コーポレートカードの私的利用を防ぐためには、カード利用時のルールを明確に定めたうえで、社内の関係部署に周知徹底することが大切です。
ここでは、コーポレートカードの私的利用を防ぐための具体的なルールとして、以下の4つをご紹介します。
利用明細・領収書の管理を徹底する
コーポレートカードの私的利用を防ぐなら、利用明細や領収書の管理を徹底しましょう。
コーポレートカードで支払ったものについては、社員から領収書の提出と経費として支払ったものの申請を徹底し、利用明細と領収書を経費とわけて管理することを関係部署に周知しましょう。
領収書の提出や管理を徹底することで私的利用を未然に防ぐことにつながります。
使用時のみカードを渡す
社員なら誰にでもコーポレートカードを発行するのではなく、必要なタイミングで使うべき社員にのみ渡すという方法も、私的利用の防止に効果的です。
持ち出す際に申告をして上長の承認を得るというルールを決めておくことで、誰がどのタイミングでコーポレートカードを利用しているかを把握でき、個人使用の防止に役立ちます。
利用者ごとに利用可能枠を設定する
社内ルールの徹底に加え、利用者ごとに利用限度額を設定しておくことも私的利用の防止に効果的です。
法人カードごとに利用上限額を設定して上限に達すれば、それ以上の支払いはできません。業務に必要最小限の金額を設定することで、私的利用の決済に利用する枠がなくなります。役職に応じて利用限度額を設定するなどの工夫で、不適切な利用を未然に防げるでしょう。
また、コーポレートカードによってはキャッシング枠の設定が可能なものがありますが、キャッシングの利用枠を0円にしておくことで個人的にキャッシングすることができなくなります。
カードの利用先を制限する
カードの利用先を会社の事業に関係ある企業に制限するのも、私的利用を防ぐ有効な手段です。
コーポレートカードの利用先が制限されていると、利用できる取引先以外の場所での決済に利用できないため、私的利用をする余地がありません。
また、ネットショッピングで会社の備品を購入する際にも、同様のルール決めが効果的です、事前に通信販売に利用できるサイトを指定しておくことで、偽物の通販サイトに誘導されて情報を抜き取られるようなリスクも回避できます。
おすすめの三井住友カードの法人カード
三井住友カードの法人カードは、「マンスリークリア方式」を採用しています。マンスリークリア方式とは、引き落とし日を迎えていなくても、締日の翌日に利用枠がクリアされる方式です。
引き落とし日までの利用枠不足を気にする必要がなく、予実管理が簡単なメリットがあります。
以下では、そのほかにもビジネスに役立つサポートが充実している三井住友コーポレートカード、三井住友パーチェシングカードを紹介しましょう。
大企業におすすめ!三井住友コーポレートカード
カード使用者が多い大企業向けの法人カードです。出張費や交際費などを「会社全体」「部事業所別」「個人別」の3段階に分類し、経費予算管理を簡素化できます。また、旅行傷害保険が付帯されており、ゴールドカードでは全国の主要空港ラウンジをご利用いただけます。
- ※三井住友コーポレートカードにはポイント還元サービスはありません。
ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現!

三井住友コーポレートカード
(一般)
年会費:1会員目 1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:ご入会時にご相談
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
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三井住友コーポレートカード
(一般)

- 年会費
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お申し込み対象
- 1会員目1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込) - ご入会時にご相談
- 法人専用
おすすめポイント
利用額限度額を適切に
管理・設定が可能な
マンスリークリア方式
経費精算システムへの
利用明細データ
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<SMCC Biz Partner>
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三井住友コーポレートカード
(ゴールド)
年会費:1会員目 11,000円(税込)※
以降1会員につき2,200円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:ご入会時にご相談
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
※
個別決済方式の場合、1社あたり33,000円(税込)、61名以上追加会員ごとに550円(税込)がかかります。
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三井住友コーポレートカード
(ゴールド)

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お申し込み対象
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オンライン決済におすすめ!三井住友パーチェシングカード
企業における仕入れやシステム利用料の支払いなど、企業の購買活動専用の法人カードで、特定の加盟店での決済に限定した利用ができます。
なお、三井住友パーチェシングカードは、プラスチックカードが発行されないため、紛失・盗難のリスクもありません。
- ※三井住友パーチェシングカードにはポイント還元サービスはありません。
広告費やクラウド利用料など購買専用の不発行型カード!

三井住友パーチェシング
カード
年会費:1会員目 1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:カードごとに設定
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
広告費やクラウド利用料など
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三井住友
パーチェシングカード

- 年会費
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お申し込み対象
- 1会員目1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込) - カードごとに設定
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おすすめポイント
利用額限度額を適切に
管理・設定が可能な
マンスリークリア方式
カード単位や
契約単位で
利用先を限定可能
部署名義や
支払い科費目名義など
任意の名義で発行可能
ルールを整備したうえでコーポレートカードを利用しよう
コーポレートカードを個人で決済すると会計業務が煩雑になり、クレジットカード決済を導入した本来の目的である「会計業務の効率化」を果たせません。また、税務署からペナルティを受けたり融資の審査で不利になったりと、法人の経営に不利な出来事が生じる可能性があります。
健全な事業運営を実現するためにも、ルールを徹底してコーポレートカードの私的利用を未然に防ぐしくみを作りましょう。
よくある質問
Q1.コーポレートカードは私的に利用できますか?
コーポレートカードを経営者や従業員の私的な目的のために利用してはいけません。コーポレートカードには会社決済型と個人決済型があり、会社決済型では法人口座から引き落としが行われるため、私的利用はできません。個人決済型であっても、コーポレートカードは法人決済を前提としているため基本的に私的な利用はNGです。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.コーポレートカードはなぜ私的利用をしてはいけないのですか?
「会計処理が複雑になる」「脱税を疑われる」「融資に影響する」などさまざまなリスクがあるためです。会社の事業運営を円滑にすることが目的でコーポレートカードを導入したはずが、個人的な利用の形跡があると、会計処理が複雑になったり会社の信用を落としたりと真逆の結果につながります。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.コーポレートカードの私的利用を防ぐためにどんな方法がありますか?
カード利用時のルールを策定し、社内周知を徹底することが大切で効果的といえるでしょう。
「利用明細・領収書の管理を徹底する」「使用時のみ社員にカードを渡す」「利用者ごとに利用可能枠を設定する」「カードの利用先を制限する」といったルールを設けることで、個人使用を未然に防ぎやすくなります。
詳しくは以下をご覧ください。
- ※2024年12月時点の情報のため、最新の情報ではない可能性があります。
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