

2000年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2000年に野村総合研究所に入社。2007年NTTデータ経営研究所に入社。決済領域などのコンサルタントを担当。専門は、資本市場動向、証券決済、金融サービス分野におけるITマネジメント。2018年7月、キャッシュレス推進協議会事務局長(常務理事)に就任。
近年、企業の業務効率化やコスト削減の手段として注目を集めているキャッシュレス決済。特に企業決済カードのひとつである「法人カード」の導入は、経費精算の効率化から財務管理の向上まで、さまざまなメリットをもたらします。
ここでは、企業のキャッシュレス導入によるメリットや、最適なカードの選び方、導入時のポイントについて詳しく解説します。
法人が導入できるキャッシュレス決済の種類
法人向けのキャッシュレス決済には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合った決済方法を選択することが重要です。
法人カード
法人カードは、企業規模や用途に応じて主に以下の3つに分類されます。
- コーポレートカード
- パーチェシングカード
- ビジネスカード
コーポレートカード
コーポレートカードは、カードを使う従業員が多い大企業向けに発行されるカードです。従業員の経費利用に適しており、高額な利用枠や多数のカード発行が可能です。経費管理の効率化や、出張時の利便性向上に役立ちます。
パーチェシングカード
パーチェシングカードは、企業間決済(BtoB取引決済)に特化したカードです。オンラインサービスの利用料や広告費の支払い、通信費や光熱費などの固定費、オフィス備品の購入など、幅広い用途に対応します。事前にチャージして利用できるプリペイドタイプやカードレスタイプもあり、部署単位での発行も可能です。複数の支払いを一括で請求書にまとめられるため、経理業務の効率化に役立ちます。また、パーチェシングカードは利用先を限定できる機能を備えているため、意図しない利用を防ぐことができ、利用状況の把握もより効率的に行うことができます。
ビジネスカード
ビジネスカードは、中小企業や個人事業主向けに設計されたカードです。一般的に従業員20名以下の企業を対象としています。個人事業主や小規模企業でも取得しやすい審査基準となっており、事業規模に応じた柔軟な利用が可能です。プライベート利用と事業利用を明確に区分できる点も特徴で、確定申告時の経費計算がしやすくなります。請求書払いとすると、相手方の与信審査などを待たなければならない場合もありますが、カードを利用すればそのような審査を経ることなく、資金繰りの改善も期待できます。
デビットカード
法人向けデビットカードは、利用と同時に口座から引き落とされる即時決済型のカードです。利用限度額は口座残高の範囲内となるため、経費の使い過ぎを防ぎ、キャッシュフロー管理が容易になります。また、審査なしで即時発行が可能なため、急な資金需要にも対応できるでしょう。特に、法人クレジットカードの審査がとおりにくい新設企業などにとって、有効な選択肢となります。
電子マネー
プリペイド方式の決済手段で、主に少額の支払いに便利です。交通費や社員食堂での決済、小口現金の代替として活用できます。チャージ額の管理が容易で、利用可能額を事前に設定できるため、経費の予算管理にも有効です。また、レシート管理が不要な場合が多く、経費精算の手間を削減できます。ICカードやスマートフォンアプリなど、さまざまな形態で利用可能で、導入のハードルが低いのも特徴です。
法人カードを導入した際のメリット
法人カードの導入は、企業の業務効率化や財務管理の向上に大きく貢献します。以下に、主なメリットを詳しく説明します。
仕入れ業務の効率化
法人カードの導入でキャッシュレス決済になるため、現金で支払う従来の方法と比べ請求書のやり取りから支払いまでの一連の業務が無駄なく、スムーズになります。受発注データと請求書番号の照合が容易になり、支払い業務の手続きが簡素化されます。また、支払い状況が電子的に記録・管理されるため、取引の透明性の向上だけでなく、請求書番号との消込の効率化にも貢献するでしょう。
経費精算業務のスリム化
法人カードの利用で従業員の立替払いや経費精算の負担も大きく軽減できます。経費をその場でカード決済することで、従業員の立替負担がなくなり、経費精算書の作成や提出の手間を削減可能です。経理担当者の精算業務も、データで管理されることにより効率よく進められます。
会計業務の合理化
法人カードの利用によるキャッシュレス決済のデータは、経費精算システムや会計システムと連携することで自動的に仕訳処理が可能になります。これにより、手作業での入力作業が削減され、会計業務全体の効率化につながるでしょう。また、データの正確性も向上し、ミスのリスクを軽減できます。
キャッシュフローにゆとりが生まれる
法人カードの支払いサイクル(通常25日から56日程度)を活用することで、実際の支払い期日までに余裕が生まれ、資金繰りの改善に役立ちます。また、計画的な支払い管理ができるため、より効率的な資金運用の実現が可能です。
現金管理の負担軽減
現金の保管・運搬・管理にかかる手間とリスクから解放されます。具体的には現金の取り扱いに伴う盗難や紛失のリスク、釣り銭の準備や現金残高の確認といった日々の業務負担が減るでしょう。特に、現金を金融機関に入金する手間や、従業員の持ち出しリスク、金庫の管理といったセキュリティ面での懸念もなくなり、安全な運営ができます。
データ分析ができる
取引データが電子的に記録されることで、支出の傾向を把握し、予算管理が容易になります。取引先ごとの支払い状況や経費の内訳を確認するなど、経営判断に活用できるさまざまなデータが取得可能です。これらのデータを活用することで、経費の無駄な支出を発見できるほか、取引先との取引条件の見直しにも活かせるでしょう。
スムーズな決済
国内外問わず、「アクセプタンスマーク(国際ブランドのロゴステッカー)」が貼られている店舗であれば、スムーズに決済が可能です。特に海外出張時には、現地通貨への両替が不要で、為替レートも現金両替より有利になるでしょう。また、従業員の利便性向上や福利厚生の面でもメリットがあり、社員食堂での決済や出張時の仮払い不要など、金銭的・精神的負担を軽減できます。
不正な使用を防ぐ
法人カードでの決済では、すべての取引が電子的に記録されるため、使用の透明性が確保されます。出張費や交際費などの経費も、使用場所・日時・金額が明確に記録されるため、不適切な使用の防止に役立ちます。
また、使用履歴が残ることで、経費の使途が明確になり、不要な詮索を防げます。これにより、会社全体の経費に対する意識が向上し、より適切な経費管理体制の構築につながるでしょう。不必要な経費の削減は、企業の健全な財務管理に貢献します。
法人カードを導入する際のポイント
法人カードを導入する際は、明確な管理ルールを設けることが大切です。従業員へのカード発行を管理する部署、利用目的や限度額の設定、使用できる店舗、経費申請の期限など、具体的なガイドラインを事前に定めておくことで、スムーズな運用が可能になります。
特に注意すべき点は、カード使用者の範囲と権限を明確にすることです。部署や役職に応じた利用限度額の設定や、取引先との支払い条件の調整なども欠かせません。そして、経費精算時の証憑類の提出ルールや、私的利用を防ぐための確認体制も整備しましょう。経理担当者にとっては、従業員から証憑類の提供が遅れ、月次決算などの把握に支障が出ているケースがあるかもしれません。できるだけデータを活用する方法を検討し、会社全体として効率よく迅速に運用できるしくみを考えましょう。
また、定期的な利用状況の確認も必要です。不正利用の早期発見や経費の無駄遣い防止のため、月次での利用履歴チェックを習慣化することをおすすめします。導入後も運用状況に応じてルールを見直し、より効率的な管理体制を構築していくことが大切です。
これらの管理ルールは、社内規定として文書化し、カード使用者全員に周知徹底することで、より効果的な運用が実現できるでしょう。
キャッシュレス決済におすすめ!三井住友カードの法人カード
企業がキャッシュレス決済を導入するとさまざまなメリットがあることは前述のとおりです。
三井住友カードの法人カードも同様に、経費精算システムと連携させることで多くの利点があります。例えば経費の精算フローが統一されて経理の透明性が担保され、明細や利用金額・利用先加盟店の入力の手間が省けます。自動取り込みのため、経費精算申請時の「利用日相違」「金額相違」「支払い先相違」を防止でき、経費精算業務の効率化が図れるでしょう。
さらに、三井住友カードの法人カードは「マンスリークリア方式」を採用しています。マンスリークリア方式とは、引き落とし日を待たずに締め日の翌日に利用枠がクリアされる方式です。そのため、引き落とし日までの利用枠不足を気にする必要がないというメリットがあります。
そのほかにもビジネスに役立つサポートが充実している三井住友コーポレートカード、三井住友パーチェシングカードを紹介しましょう。
大企業におすすめ!三井住友コーポレートカード
カード使用者が多い大企業向けの法人カードです。出張費や交際費などを「会社全体」「部事業所別」「個人別」の3段階に分類し、経費予算管理を簡素化できます。また、旅行傷害保険が付帯されており、ゴールドカードでは全国の主要空港ラウンジをご利用いただけます。
ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現!

三井住友コーポレートカード
(一般)
年会費:1会員目 1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:ご入会時にご相談
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現!
三井住友コーポレートカード
(一般)

- 年会費
- 国際ブランド
- 限度額
お申し込み対象
- 1会員目1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込) - ご入会時にご相談
- 法人専用
おすすめポイント
利用額限度額を適切に
管理・設定が可能な
マンスリークリア方式
経費精算システムへの
利用明細データ
連携が可能!
各種手続きが
Web上で完結
カード管理者Web
<SMCC Biz Partner>
ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現!

三井住友コーポレートカード
(ゴールド)
年会費:1会員目 11,000円(税込)※
以降1会員につき2,200円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:ご入会時にご相談
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
※
個別決済方式の場合、1社あたり33,000円(税込)、61名以上追加会員ごとに550円(税込)がかかります。
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三井住友コーポレートカード
(ゴールド)

- 年会費
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お申し込み対象
- 1会員目 11,000円(税込)※
以降1会員につき2,200円(税込)
【上限】 33,000円(税込) - ご入会時にご相談
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個別決済方式の場合、1社あたり33,000円(税込)、61名以上追加会員ごとに550円(税込)がかかります。
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オンライン決済におすすめ!三井住友パーチェシングカード
企業における仕入れやシステム利用料の支払いなど、企業の購買活動専用の法人カードで、特定の加盟店での決済に限定した利用ができます。
なお、三井住友パーチェシングカードは、プラスチックカードが発行されないため、紛失・盗難のリスクもありません。
広告費やクラウド利用料など購買専用の不発行型カード!

三井住友パーチェシング
カード
年会費:1会員目 1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込)
限度額:カードごとに設定
国際ブランド:
お申し込み対象:法人専用
広告費やクラウド利用料など
購買専用の不発行型カード!
三井住友
パーチェシングカード

- 年会費
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- 限度額
お申し込み対象
- 1会員目1,375円(税込)
以降1会員につき440円(税込)
【上限】 33,000円(税込) - カードごとに設定
- 法人専用
おすすめポイント
利用額限度額を適切に
管理・設定が可能な
マンスリークリア方式
カード単位や
契約単位で
利用先を限定可能
部署名義や
支払い科費目名義など
任意の名義で発行可能
キャッシュレスを導入するなら法人カードがおすすめ
法人カードは、法人のキャッシュレス導入として最も効果的な選択肢のひとつです。経費精算の効率化や不正防止はもちろん、キャッシュフローの改善やデータ分析まで、幅広いメリットを受けることができます。
また、導入の際は、企業規模や用途に応じて最適なカードを選択することが欠かせません。大企業であればコーポレートカード、中小企業にはビジネスカード、オンライン決済が多い企業にはパーチェシングカードというように、自社の特性に合わせた選択をしましょう。ただし、どのカードを選ぶ場合でも、明確な管理ルールの設定と運用体制の整備は必要不可欠です。計画的な導入と適切な運用により、業務効率の向上と経営管理の強化を実現できるでしょう。
よくある質問
Q1.法人カードにはどのような種類がありますか?
法人カードには主に3種類あります。従業員の経費利用に適した大企業向けのコーポレートカード、企業間取引に特化したパーチェシングカード、そして中小企業や個人事業主向けに設計されたビジネスカードです。企業規模や用途に応じて、最適な種類を選択することが重要です。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.法人カードの導入は業務の効率化につながりますか?
法人カードの導入によりキャッシュレス決済になりますので、業務の大幅な効率化が実現できます。請求書のやり取りから支払いまでの仕入れ業務がスムーズになり、経費精算の手間も削減されます。さらに、経費精算システムや会計システムとの連携による仕訳処理の自動化や、経営判断に活用できるデータの取得も可能になります。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.法人カードを導入する際のポイントはありますか?
企業が法人カードを導入する時には、従業員のカード発行を管理する部署、利用目的や限度額の設定、使用できる店舗、経費申請の期限など、具体的なガイドラインを事前に定めておくとよいでしょう。特にカード使用者の範囲と権限を明確にすることがポイントです。
詳しくは以下をご覧ください。
- ※2025年1月時点の情報のため、最新の情報ではない可能性があります。
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