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法人カードの業務活用術
2025.02.28
財務レバレッジとは?計算式や分析方法をわかりやすく解説

会社の収益率を見る指標に「財務レバレッジ」があります。負債や社債といった「他人資本」がゼロで、資本金や利益といった「自己資本」だけで経営していれば、財務レバレッジの指標は「1倍」になります。
ここでは、財務レバレッジで会社のどのようなことが分かるのか、求め方や計算方法についてわかりやすく解説していきます。
財務レバレッジとは?
財務レバレッジとは、総資産に対する自己資本の割合を表す経営指標のひとつです。レバレッジは「テコ」を意味する言葉で、小さな力で大きな効果を生み出すテコの原理になぞらえています。
具体的には、企業が自己資本(資本金や内部留保など)に加えて、借入金や社債などの他人資本をテコのように活用することで、どの程度事業規模を拡大しているかを表す指標であり、「自己資本の何倍の総資産を持っているか」を数値化したものです。この指標は、企業が他人資本をどの程度活用しているかを示すため、財務の健全性や経営戦略を評価する際の重要な判断材料となります。
財務レバレッジの計算式
財務レバレッジの数値は、総資産を自己資本で割ることにより分かります。財務レバレッジの計算式を図式化すると以下となります。
例えば、自己資本が100万円で総資産が300万円だとすると、財務レバレッジは3倍となります。自己資本が100万円で総資産が500万円だと財務レバレッジは5倍となります。自己資本に対する他人資本が多ければ多いほど、財務レバレッジの数値は高くなります。
自己資本比率からも財務レバレッジを求められる
財務レバレッジは自己資本比率の逆数であるため、上記の計算式以外に、自己資本比率からも求めることが可能です。計算式は以下のようになります。
財務レバレッジ(倍) = 100(%) ÷ 自己資本比率(%)
例えば、自己資本比率が25%の場合の計算式は100÷25で、財務レバレッジは4倍と分かります。これは、総資産の25%が自己資本で、残りの75%が他人資本であることを示しています。このように、自己資本比率と財務レバレッジは表裏一体の関係にあり、どちらの指標からでも企業の財務構造を把握することができます。
財務レバレッジから分かること
財務レバレッジは、企業の財務状況を分析する上で大切な指標です。この数値を見ることで、企業がどの程度他人資本を活用しているか、そして財務面でのリスクと機会をどのように捉えているかどうかを把握できるためです。
以下では、財務レバレッジの適正値や、高低それぞれの場合に注目すべきポイントについて詳しく解説します。
財務レバレッジの適正値とは
財務レバレッジの適正値は、業界や企業の成長段階によって大きく異なりますが、一般的には2倍から3倍程度が目安とされています。
ただし、この数値はあくまでも参考値であり、絶対的な基準ではありません。そのため、企業の事業特性や成長戦略に照らし合わせて適切な水準であるかを判断するほか、同業他社との比較や過去からの推移を考慮して評価するように努めましょう。
財務レバレッジが高い場合のチェックポイント
財務レバレッジが高い企業の特徴として、積極的な事業成長志向や投資の多さが挙げられます。ただし、借入金が常態化している可能性もあるため、複数の観点からの分析が欠かせません。
収益性と安定性の面では、営業利益率や売上高の推移、キャッシュフローの健全性を確認するほか、借り入れ条件については金利負担の適切性や返済期限の分散状況をチェックしましょう。また、設備投資や事業拡大計画の具体性と、その回収見込みの現実性も重要な判断材料となります。
高レバレッジは事業成長につながる可能性がある一方で、身の丈を超えた借り入れが常態化している場合は財務リスクに注意が必要です。
財務レバレッジが低い場合のチェックポイント
財務レバレッジが低い企業は、一般的に保守的な経営姿勢を取っており、返済負担による資金繰りの悪化リスクは低いものの、成長機会を逃している可能性があります。
事業戦略面では必要な設備投資の実施状況や株主還元の適切性を確認し、資金効率の観点からは余剰資金の運用効率やROEの水準を精査しましょう。また、保守的な財務方針を採る理由として、業界特有の要因や将来の大型投資計画の有無についても確認が必要です。
このような企業への投資を検討する際は、財務の安定性と今後の成長性のバランスを慎重に見極めることが求められます。
「財務レバレッジを利かせる」とは?
「財務レバレッジを利かせる」とは、借入金や社債などの他人資本を積極的に活用して、事業規模を拡大し、収益性を高めていく経営手法です。適切に財務レバレッジを利かせることで投資機会を逃さず、事業の成長速度を加速させられます。
ただし、過度な他人資本の活用は財務リスクを高める可能性があるため、企業の収益力や返済能力を考慮した慎重な判断が必要となります。
財務レバレッジを利かせるメリット
財務レバレッジを利かせることで、企業は主に以下の3つのメリットを得られます。それぞれについて、見ていきましょう。
資金投入により事業拡大できる
他人資本を効果的に活用することで、事業機会に応じた柔軟な投資が可能です。新規事業への参入、製造設備の増強、事業買収(M&A)など、さまざまな成長戦略を実現できるでしょう。特に、市場環境の変化が速い業界では、このような機動的な投資判断が競争優位性の確保につながります。
ROE上昇につながる
財務レバレッジの活用は、ROE(自己資本利益率)の向上に寄与します。他人資本を効果的に活用することで、より多くの利益を生み出すほか、自己資本に対する収益性も高まり、企業価値の向上にもつながるでしょう。
節税効果が期待できる
借入金の支払利息は損金として計上できるため、企業の課税所得が減少し、法人税の節税効果が得られます。一方、自己資本に対して支払う配当金は損金として認められず、他人資本を活用する方が税務上有利となります。
財務レバレッジを利かせるデメリット
財務レバレッジを利かせることは、メリットがある一方で次のようなデメリットもあるため注意が必要です。
財務レバレッジを利かせるデメリット
- 財務リスクが上昇する
- 景気変動の影響を受けやすい
- 融資審査が厳しくなる
ひとつずつ解説します。
財務リスクが上昇する
他人資本には必ず返済義務が伴います。借入金の返済や利息の支払いは、業績の良し悪しに関わらず発生するため、収益が悪化した場合でも返済負担は変わりません。過度な財務レバレッジは、企業の財務基盤を脆弱にするリスクがあります。
景気変動の影響を受けやすい
財務レバレッジを利かせていると、景気変動の影響を大きく受けやすくなる傾向が強まります。景気が良い場合には高い収益を上げられていても、不景気の場合は収益が減少するだけでなく、固定的な金利負担が重荷となり、負債を返還する負担が増加する可能性があります。特に、収益が不安定な業界では注意が必要です。
融資審査が厳しくなる
財務レバレッジが高くなるにつれ、新規の借り入れに対する金融機関の審査は厳しくなるのが一般的です。状況によっては、事業拡大のための資金調達が困難になる恐れがあるほか、借り入れ条件も厳しくなるでしょう。これにより、臨機応変な経営判断が難しくなるケースも見られます。
法人カードは事業運営を効率よくすすめるキーポイント
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さらに法人カードの利用明細データを会計システムに取り込むことで、経費データが自動的に会計システムに反映され、財務レバレッジなどの経営指標をリアルタイムで把握・分析できるでしょう。
これにより、経理業務の効率化と財務情報の適切な管理が実現できます。カード利用による支払いサイトの延長は、実質的な運転資金の確保につながり、企業の資金効率を高める効果があります。
経営指標の管理に役立つ!三井住友カード法人カード
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財務レバレッジを理解して会社の経営状況を把握しよう
財務レバレッジは、企業の財務戦略と経営状態を理解する上で重要な指標です。高い財務レバレッジは、必ずしもリスクとは限らず、むしろ積極的な成長戦略の表れともいえるでしょう。
ただし、企業の収益力や業界特性、経済環境などを総合的に考慮しながら、適切な水準を見極める必要があります。財務レバレッジを定期的にチェックし、ほかの経営指標と併せて分析することで、より効果的な経営判断ができます。
よくある質問
Q1.「財務レバレッジ」とはどんな意味?
財務レバレッジとは、企業が自己資本に対してどれだけの総資産を持っているかを示す経営指標です。「レバレッジ」は「テコ」を意味し、少ない自己資本で大きな事業活動を行う状態を指します。総資産を自己資本で割って算出され、数値が大きいほど他人資本の活用度が高いといえます。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.財務レバレッジから何が分かる?
財務レバレッジからは、企業の財務戦略や経営姿勢を読み取れます。高い数値は積極的な事業拡大や投資を行っている可能性を示し、低い数値は保守的な経営方針を示唆します。また、企業の財務リスクや成長機会への対応状況も把握できる重要な指標といえるでしょう。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.財務レバレッジを利かせるとどうなる?
財務レバレッジを利かせることで、借入金などの他人資本を活用して事業規模を拡大できます。これにより、新規事業への参入やM&Aなどの投資機会を活かせるほか、ROEの向上や節税効果も期待できます。ただし、過度な活用は返済負担の増加や景気変動の影響を受けやすくなるリスクもあるので注意が必要です。
詳しくは以下をご覧ください。

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所で上場企業の法定監査などに10年ほど従事した後、出産・育児をきっかけに退職。現在は、個人で会計事務所を開業し、中小監査法人での監査業務を継続しつつ、起業女性の会計・税務サポートなどを中心に行っている。
【保有資格】公認会計士、税理士、AFP
内山会計事務所
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