領収書はPDFで発行しても有効?方法や保存ルール、注意点まで詳しく解説
領収書をPDF化することで印刷にかかる手間やコストを削減できるほか、業務効率化にも役立ちます。最近ではPDF化された領収書を目にする機会が増えているかもしれませんが、法的に有効なのか、また具体的にどうやってPDF化するのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
ここではPDFで領収書を発行した場合の扱いや作成方法、保存方法や注意点について解説します。
領収書はPDFで発行しても良い?
結論からいえば、領収書はPDF形式で発行しても法的に有効です。領収書の受け渡しに関し、発行者と受領者間で同意がなされていれば特に問題にはなりません。領収書をPDF化することで郵送の手間が減るほか、瞬時に相手の元へ届けることができます。
ただし、のちのち発行形式に関してトラブルが起こることのないよう、PDFの領収書を用いる旨を証跡として残しておくことが大切です。
領収書はなぜ必要?
領収書は証憑(しょうひょう)書類の1つで、取引内容をお互いに確認し、成立したことを証明するための書類として用いられます。ここでは領収書の役割や、レシートとの違いについて見ていきましょう。
領収書の役割
領収書は金銭授受の証明となる書類であり、二重払いや過払いはもちろん、内部不正を防ぐ書類として役立ちます。領収書がなければ、客観的に支払いが終わったことを証明できず、場合によっては再度支払いを要求される恐れがあるでしょう。
例えば、会社の従業員が経費を立て替えた際「出張でホテルに泊まったと申告したにもかかわらず、実際は漫画喫茶で寝泊まりし、差額分を着服する」といった内部不正が起こる可能性もあります。そうしたことを防ぐためにも領収書は欠かせない書類だといえます。
また、個人事業主や法人にとっては税務調査の際に必要不可欠な書類の1つです。領収書によって売上金や経費の額を客観的に証明することができるため、一定期間(原則として7年)はしっかりと保管しておきましょう。
領収書とレシートの違い
領収書とレシートの最も大きな違いとして「あて名の有無」が挙げられます。領収書にはあて名が記載されている一方、レシートにはあて名の記載がありません。とはいえ、レシートだからといって経費精算に利用できないわけではなく、店名や発行日、商品内容、金額が明記されていれば領収書の代わりとして用いることも可能です。
ただし、会社によっては領収書に限って認める旨が規則で定められていることがあるので、前もって確認しておくとよいでしょう。
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PDFの領収書に必要な項目
領収書に記載が必要な項目は以下のとおりです。
金額には消費税込の受領金額を記載します。改ざんを防止するために金額のあとに「※」や「―」などの印をつけるとよいでしょう。また、但し書きで「お品代」「お品物代」といった表記を見かけることも多いかもしれませんが、具体性に欠けることを理由に経費として認められない恐れがあります。第三者がチェックしても分かるような具体的な記載(例えば「菓子代」「商品券10枚」など)を心がけることが大切です。
PDFの領収書に押印は必要?
法律上、領収書に押印をすることは必須ではありません。押印がなくても領収書として有効であり、領収書が紙であっても同様です。また、取引先から印鑑がある領収書を求められた場合、PDFの領収書であれば電子印鑑を利用できます。
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PDFの領収書に印紙は必要?
紙の場合、領収書は印紙税の課税対象となる書類であることから、受領金額が5万円を超えた場合には対応する額の収入印紙を貼付し、消印が必要となります。しかし、PDF化された領収書は紙の文書の交付とみなされないために課税文書には該当しないため、印紙税は課されません。
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領収書をPDF化する方法
ここでは領収書をPDF化するやり方を2つ、ご紹介します。
紙の領収書を受領した場合
領収書を紙で受領した際は、スキャンしてPDF化します。PDF化を行う際はデータを改ざんしていないことを証明するために、タイムスタンプの付与を忘れずに行いましょう。また、電子帳簿保存法の要件の1つである検索要件(※)を満たす必要があります。
データが「取引年月日」「取引金額」「取引先」により検索できる、日付か金額の範囲指定により検索できる、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件で検索できるといった要件を満たす必要があります。
紙の領収書をスマホで撮影した写真でも経費精算に使える
2016年度に電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されたことに伴い、受領した領収書がスマホなどで撮影された写真データであったとしても経費精算に利用できるようになりました。
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自社で領収書を発行する場合
文章作成ソフトなどで発行した領収書をPDF化する場合、WordやExcelなどのソフトであればそのままPDF化が可能です。ただし、紙媒体の領収書の場合はスキャンしてPDFに変換する必要があります。
また、領収書の発行をPDF化する場合には前もって取引先にその旨を伝えることをおすすめします。取引先によっては紙媒体の領収書を希望するケースもあり、のちのちトラブルにつながってしまっては意味がありません。
電子帳票発行システムで発行する
電子帳票発行システムとは、請求書や領収書など各書類を作成する際に役立つツールのことです。電子帳票発行システムではHTML帳票出力やPDF帳票出力など、希望に応じた出力形式で簡単に書類を発行できます。
PDF化した領収書の保存方法
先にも述べたように領収書は原則として7年間、保存しなければなりません。紙の領収書であれば社内などに保管スペースが必要ですが、PDF化した領収書はパソコンまたはクラウド上で保管が可能です。電子データであれば劣化の心配もないほか、バックアップをとっておくことで紛失の心配もないでしょう。
PDF化した領収書は紙に印刷して保存しても良い?
自身で作成した領収書は、紙とPDF、どちらの形式で保存しても問題ありません。ただし、取引先にPDFで送った場合、また受け取った場合にはPDFで保存することが必要ですので注意しましょう。
また、取引先から紙で領収書を受け取った場合は紙で保管しても、スキャンしてPDF化しても、どちらでも構いません。
つまり、データとして受け取った領収書はデータのまま保存する必要があると考えると、分かりやすいでしょう。
領収書をPDF化するメリット
ここでは領収書をPDF化するメリットを4つ紹介します。
コスト削減
領収書をPDF化することで紙の印刷にかかっていたコストや郵送にかかる切手代などを削減できます。PDF化した領収書は金額が5万円を超えても印紙税の課税対象でないことから、収入印紙の購入代金も不要となるでしょう。
また、紙の領収書は保存にあたって適切にファイリングおよび保管が必要となる一方、そうした手間もかからないことから人件費の削減にもつながります。
業務の効率化
PDF化した領収書はメールなどの、電子でやり取りが完結することはもちろん保存や検索も容易です。これまでは保管スペース内にある膨大な書類の中から該当の領収書を探す必要があったかもしれませんが、そうした時間も削減できます。
セキュリティ性が高い
紙の領収書は紛失や破損、盗み見などのリスクが伴います。一方で、電子データ化した領収書はパソコンやクラウド上での保存となるため、パスワードを設定できるほか、外部への流出リスクも低減できるでしょう。
DXが推進される
紙の領収書はその性質から保管や管理にそれ相応の時間とコストがかかってしまいます。しかし、電子データとして保存することで原本の破棄が可能となるほか、検索も容易です。例えば、外出先で領収書を受け取ったとしてもわざわざ原本を会社に持ち帰る必要はなく、スマホやタブレットでその場で撮影し、撮影データを社内に連携することができるでしょう。
領収書をPDF化することで、昨今多くの企業で導入されているリモートワークやテレワークといった働き方にも柔軟に対応しやすくなり、社内のDX推進にも役立ちます。
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領収書をPDF化する際の注意点
領収書をPDF化するのには、多くのメリットがありますが、パスワード設定や閲覧制限を付けるなどセキュリティ面で注意を払うことが必要です。データ化された領収書は紙で発行する領収書と比較し、再発行が容易であるため、不正利用を目的として悪用される恐れがあります。領収書を再発行する際はその理由をきちんと記載するなどの対策を心がけましょう。
さらなる業務効率化を実現する三井住友カードの法人カード
領収書をPDF化することで、紙での保管や申請が不要になり、経理業務が効率的になります。さらに法人カードを導入すれば、社内のお金の流れをデジタル化でき、経費精算業務の自動化につなげることができます。経費精算システムとの連携が容易な三井住友コーポレートカードの導入が、経理業務のDX化の第一歩としておすすめです。
加えて、オンライン決済中心のご利用なら、プラスチックカードが発行されない三井住友パーチェシングカードを導入いただくことでカード決済を利用できる範囲が広がり、さらなる効率化につながるでしょう。
以下では経理業務の効率化に役立つ三井住友コーポレートカード、三井住友パーチェシングカードをご紹介します。
大企業におすすめ!三井住友コーポレートカード
カード使用者の多い大企業向けの法人カードです。出張費や交際費などを「会社全体」「部事業所別」「個人別」の3段階に分類し、経費予算管理を簡素化できます。キャッシュレス化による小口現金の管理業務の削減、ペーパーレス化による紙での申請の削減など、業務の改善に役立ちます。
また、旅行傷害保険や買い物保険が付帯されており、ゴールドカードでは全国の主要空港ラウンジをご利用いただけます。
オンライン決済におすすめ!三井住友パーチェシングカード
企業における仕入れやシステム利用料の支払いなど、企業の購買活動専用の法人カードです。特定の加盟店での決済に限定した利用ができます。
なお、三井住友パーチェシングカードは、プラスチックカードが発行されないため、紛失・盗難のリスクがありません。
オンライン決済に利便性が高く、最近では「クラウドサービス利用料を支払う」「オンラインショッピングで消耗品を購入する際に使う」といった利用が増えています。
また、経理側がカード単位や契約単位で利用先を限定することができます。それによって経理側が支払いをコントロールできるので「支払いのデジタル化」が進み、経理業務の一層の効率化が図れます。そうすることで、経理の本来の業務である「経営管理のためのデータ整備」「経済的な経営課題の経営者への発信」が可能になるのです。
領収書はPDFで発行しても有効。ペーパーレス化で業務の効率化やDX推進にもなる
PDFで領収書を発行した場合の扱いや作成方法、保存方法や注意点について解説しました。領収書をPDF化することで印刷する手間やコストが削減できるのはもちろん、領収書を探す手間も大幅に削減できるでしょう。
また、領収書のPDF化と併せて法人カードを活用することで業務効率化をさらに促進することができます。ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q1.領収書はPDFで発行されたものでも有効ですか?
領収書はPDFで発行しても法的に有効です。ただし、領収書をPDF化することについてあらかじめ取引先に了承をとっておくことをおすすめします。領収書のPDF化は郵送の手間が減るなど事務作業の効率化にもつながります。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.自社で発行した領収書は紙もしくはPDF、どちらの形式で保存すればよいですか?
自社で発行した領収書は紙もしくはPDF、どちらの形式で保存しても問題ありませんが、取引先にPDFで送った場合はPDFで保存することが必要です。また、取引先から紙で領収書を受け取った場合は紙で保管しても、スキャンしてPDF化して保存しても、どちらでも問題ありません。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.領収書をPDF化するとどんなメリットがありますか?
領収書をPDF化することによってコストの削減および業務効率化が見込めるほか、セキュリティ面の強化が期待できます。また領収書をPDF化することで、リモートワークやテレワークといった働き方にも対応しやすくなり、社内のDX推進にもなるでしょう。
詳しくは以下をご覧ください。
監修:宮川 真一
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学卒業。税理士としてのキャリアは20年以上。税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、会計・税務を軸に複数の会社取締役・監査役にも従事。
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