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法人カードの業務活用術
2023.11.15
領収書に印鑑は必要?押印の意味や電子化するメリットについても解説
押印の有無によって領収書の効力が変わるわけではないので、領収書に必ずしも印鑑が必要なわけではありません。あくまで日本の商慣習上、または第三者による偽造や改ざんの防止を目的として、領収書に押印をしています。
企業によっては社内規定で領収書に印鑑を必要とするケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
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領収書に必要な情報
経理・税務処理で有効な領収書とみなされるためには、以下の情報が記載されている必要があります。それぞれ、見ていきましょう。
1.書類名(領収書)
書類が「領収書」であることを明記する必要があります。市販品であればすでに記載があるため特に問題ありませんが、そうでない場合には誰が見ても書類が領収書であることが分かるようにしましょう。
2.金額
金額は正確に書きましょう。また、記述のしかたを間違えてしまうと、勝手に数字を改ざんされる恐れがあるため注意が必要です。領収書で金額を記載する際は、以下の4つのポイントに気を付けましょう。
- 金額の先頭に隙間なく「¥(円マーク)」または「金」をつける
- 3桁ごとに「,(コンマ)」で区切る
- 金額の最後に「也」「※」「‐」をつける
- 漢数字で記入する
具体例としては、「¥35,000‐」や「金35,000円也」「金参萬伍千円」といった書き方になります。金額の改ざん防止のために、金額を記入する際は上記のポイントをおさえて記載することが大切です。
3.日付
日付は領収書の作成日ではなく、代金を受け取った年月日を記載するのが一般的です。また、記述方法は多くの場合西暦と和暦どちらでも問題はありませんが、「2023/1/1」や「令和5年1月1日」など、略さずに記入しましょう。
4.宛名
宛名には、代金を支払った先の企業などを記載します。中には「上様(うえさま)」と書くケースも見受けられますが、これは以下の業種のみ法律上の例外として認められています。
- 飲食業
- スーパーマーケットや百貨店などの流通小売業
- 電車やバスなどの旅客運送業
- 旅行に携わる事業
「上様」と書かれた領収書は明確さに欠けるため、税務上はできる限り避けた方が無難です。その理由として、そもそも領収書は代金の支払いを証明するための書類であり、所得税法や法人税法において信憑性を求められる書類だからです。よって、宛名には会社名や個人名などを正確に記載するよう心がけましょう。
5.但し書き
領収書の但し書き(ただしがき)とは、何の代金を支払ったのかを明確にするために記入するものです。但し書きを記載する際は、以下のように語尾に「として」とつけて具体的に書くようにしましょう。
- お品代として
- お食事代として
- 手土産代として
この中でも「お品代」という但し書きはよく使われますが、税法上あまり適していません。その理由として、「上様」と同様に、「お品代」だけでは具体的な使用用途が不明確だからです。また、「お食事代」の場合、接待交際費なのか会議費なのかによって経費精算上の扱いが異なります。1人5,000円程度の飲食代であれば会議費として認められることが多いため、領収書には参加者の人数も明記しましょう。
なお、但し書きに記載する項目が多くて書ききれない場合には、納品書やレシートなど別の資料を添付しても問題ありません。
6.領収書の発行者
領収書には発行者の記載も必要です。発行元が分かるように以下の情報を記載しましょう。
- 会社名または店舗名
- 住所
- 電話番号
- 担当者名(場合によって)
この際に印鑑は必要ありませんが、発行者の記載にかぶるように押印するのが一般的です。また、インボイス制度の導入後には、これらに加えて適格請求書発行事業者としての登録番号の記載も必要となります。
7.収入印紙
税抜5万円以上の領収書には、発行者が収入印紙を貼り付けしたうえで割印(消印)を施す必要があります。割印が必要となる理由は、収入印紙の再利用を防ぐためです。割印をする際は、領収書の台紙部分と収入印紙の模様部分をまたいで印鑑を押す必要があるため気を付けましょう。なお、収入印紙の貼り付けは法律で決められており、忘れてしまった場合は過怠税が科される恐れがあります。
領収書に印鑑を押印する意味とは
押印を必要としないケースであっても、多くの企業は領収書に印鑑を押印しています。その理由として、主に以下の3つが考えられるでしょう。
偽造防止
領収書に印鑑を押印することで、偽造の防止としての役割を果たします。領収書が偽造されて広く流通されることがあれば、企業の信用問題にもなりかねません。そのため、自ら発行した領収書であることを証明する目的で印鑑を押印する企業も少なくありません。
担当者の明確化
領収書に作成者の印鑑を押印することで、担当者が誰であるのか明確になるほか、領収書の信頼性も担保されるでしょう。
商慣習
日本には古くからの商慣習として押印文化が根付いており、押印があることで安心できると感じる人も少なくありません。そうした理由から、今日に至るまで押印の習慣が残っているといえます。
どんな印鑑を使えばいいのか
領収書にはどんな印鑑を使えばいいのか詳しく説明しましょう。
角印?丸印?
印鑑には「角印」と「丸印」の2タイプがあり、それぞれ以下の目的で使用されるのが一般的です。
- 角印:四角い形状。取引相手への書類や社内文書などに使用される
- 丸印:丸い形状。会社設立時に届け出る会社の実印として使用される
丸印には代表者印と銀行印があり、株式取引や不動産取引など所有者の公的証明が必要な時に使われます。万が一偽造されてしまうと悪用されるリスクがあるため、領収書には角印を使うようにしましょう。
認印でよい?シヤチハタ印でもよい?
領収書に押印する印鑑は、100均で販売されているような認印(三文判)やシヤチハタ印であっても問題ありません。インク浸透印式の印鑑であるシヤチハタ印は、朱肉がいらないことから手軽に利用できるとして人気があります。
インクの色は?
印鑑で使用するインクの色にも決まりはありませんが、赤色や朱色を使用するのが一般的です。押印の際に黒や青のインクを使ってしまうと、書類に記載されている文字が見えにくくなってしまうため、避けた方が無難でしょう。
領収書の注意点
領収書を取り扱う際には、以下の3つの点に注意する必要があります。
宛名書きのない領収書
宛名書きや日付、但し書きがないなど内容に不備があった場合、領収書とは認められません。内容が不明確である領収書は、経理精算を行う際にトラブルになる恐れが高まるからです。そのため、領収書を取り扱う際は内容に漏れがないかどうか、十分注意する必要があります。
また、不備があった領収書は悪用を防ぐためにバツ印などを記入して保管したうえで再発行をしましょう。
収入印紙のない領収書
収入印紙が貼られていない領収書であっても、経費精算をすることは可能です。税抜5万円以上の領収書に収入印紙を貼ることは印紙税法で義務づけられていますが、これは領収書の発行者を対象としています。そのため、収入印紙がないからといって領収書が無効になるわけではないほか、領収書の受領者があとから印紙税を支払う必要もありません。
領収書を紛失したら
領収書を紛失してしまった場合、経費として計上できません。そのため、支払い先に再発行を依頼することになりますが、再発行に消極的な事業者もいるほか、場合によっては依頼を断られるケースもあるので注意しましょう。
もし領収書の再発行ができなかった場合には、レシートで代用するのも1つの手段です。レシートには支払った日時や場所、明細(品名やサービス名、数量など)が記載されているので、領収書の代用として使用できます。
電子化された領収書への押印は?
領収書を電子化することで印鑑の必要がなくなります。また、収入印紙の添付の義務がなくなるので、経理・税務関連のコスト削減が見込めるでしょう。
しかし、電子帳簿保存法では、電子メールやオンライン上で受け取った領収書は紙で保存することが認められていません。そのため、領収書を電子化するには電子帳簿保存法に対応したシステムが必要です。どのようなシステムが必要なのでしょうか。
経費精算システム
電子帳簿保存法に対応しているシステムの1つに、経費精算システムが挙げられます。領収書の計上を含めた入出金の管理が可能であり、業務フローの簡略化・効率化が期待できるでしょう。また、スマートフォンアプリで領収書を撮影・アップロードできる機能もあり、よりスピーディーに経費精算を進められます。
三井住友カードでは、法人カードと経費精算システム「コンカー」を活用することで、経費精算を完全に自動化できます。経費精算の問題点を解決する3つの「レス」、「キャッシュレス」「ペーパーレス」「入力レス」が見込めるため、大幅な業務効率化が期待できます。煩雑な経費精算の課題を解決したいのなら、ぜひ一度ご検討ください。
会計システム
電子帳簿保存法に対応している会計システムであれば、領収書のデータ保存が簡単にできます。仕訳を紙ベースで行っている場合、転記に余計な時間と手間がかかることはもちろん、証憑類の保存場所の確保といった問題も生じます。会計システムの導入によってこれらの問題点が解消されるほか、経費以外の入出金管理や決算書の作成などほかの業務にも対応しているため、ヒューマンエラーの抑止、会計業務の効率化につながるでしょう。
どうしても印鑑がほしいなら
電子領収書は事務手続きが簡略化されるメリットがある一方で、印鑑の押印がないことにより「マナーが悪い」という印象を与えてしまうデメリットを指摘されることもあります。そうした理由から、どうしても押印がしたいと感じることもあるでしょう。
電子化した領収書に押印をしたい場合、「e-文書法」によって一部の領収書以外は電子化に加え、「電子印鑑」の押印が可能です。電子印鑑とは、パソコンやスマートフォン上の文章や書類に画像で作成した印鑑を押印できるようにしたシステムのことです。電子署名が付与された電子印鑑であれば、電子署名と同様の法的効力が認められます。
経費精算業務のペーパーレス化には法人カードの活用が重要
法人カードを導入して経費精算システムと連携すれば、領収書やレシートといった紙で受け取っていた証憑類の管理が不要になり、経費精算業務のペーパーレス化が図れます。加えて社内のお金の流れをデジタル化でき、キャッシュレス化による小口現金の管理業務の削減、入力業務の削減、経費精算業務の改善・自動化など、業務負担の大幅な軽減が実現可能です。
さらに、三井住友カードでは「マンスリークリア方式」を採用しており、締日翌日には利用枠がクリアされるため、予実管理が簡単なメリットがあります。
三井住友コーポレートカードに加えて、三井住友パーチェシングカードを導入いただくことでカード決済を利用できる範囲が広がり、さらなる業務効率化につながるでしょう。以下では経費精算業務の効率化に役立つ三井住友コーポレートカード、三井住友パーチェシングカードをご紹介します。
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大企業におすすめ!三井住友コーポレートカード
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領収書に押印は不要、電子帳簿保存法対応のシステム導入でペーパーレス化に対応も
領収書における印鑑の必要性や記載すべき情報、電子化するメリットについてお伝えしました。領収書を電子化することにより印鑑の押印が不要となり、収入印紙の貼り付けも必要なくなります。ぜひこの機会に電子帳簿保存法に対応した会計システムを導入し、領収書の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q1.領収書に必要な情報とは?
「書類名(領収書)」「金額」「日付」「宛名」「但し書き」「領収書の発行者」の6つの情報が必要で、どれが欠けても不備となります。また、税抜5万円以上の領収書には、収入印紙を貼り付けしたうえで割印(消印)をしなくてはなりません。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.なぜ押印が必要なの?
領収書に発行者が印鑑を押印することで、偽造防止の役割を果たします。また、領収書を作成した担当者が誰であるのかが明確になり、書類としての信頼性を担保できます。そして、押印文化は日本の古くからの商慣習です。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.領収書の収入印紙に押すハンコはシヤチハタでもいい?
収入印紙への押印に使用するハンコは、100均で販売されているような認印(三文判)や、インク浸透印式の印鑑、いわゆるシヤチハタ印であっても問題はありません。
詳しくは以下をご覧ください。
- ※2023年11月時点の情報のため、最新の情報ではない可能性があります。
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