経理
個人事業主必見!クレジットカード決済による仕訳の方法を徹底解説

個人事業主が支払う事業に関する経費は、クレジットカード決済にするのが便利です。
利用明細の確認も簡単ですし、プライベートとは別に事業用としてのクレジットカードを持っておけば、いくら使ったかも把握しやすくなります。
しかし、クレジットカードで決済した場合の仕訳方法がよく分からないから、クレジットカードの利用に踏み切れないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、会計帳簿に記載する仕訳についてのおさらいや、クレジットカードで決済した場合の仕訳方法について、事業用のクレジットカードの場合を中心に解説します。
- 目次
- 事業用のクレジットカードは法人カードのほうが良い?
- 会計帳簿に記載する作業「仕訳」とは?
- クレジットカード決済で帳簿に記載する勘定科目は?
- クレジットカードでの支払いのうち、仕訳が発生するのは3パターン
- 分割払いなどの決済をしたときはどうする?
- 確定申告の種類で仕訳方は変わる?
- クレジットカードの利用明細書の注意点
- 法人用クレジットカードを利用して会計管理を簡単に
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個人事業主がクレジットカード決済するときの経費計上のしかた
事業用のクレジットカードは法人カードのほうが良い?
仕訳についての解説の前に、事業用の法人カードについてご説明します。
事業用として利用するクレジットカードは、「法人カードでなければならない」という決まりはありません。個人カードをもう1枚作り、1枚をプライベート用、1枚を事業用として使い分けることもできます。しかし、事業用として利用するなら、ビジネス専用に作られた「法人カード」がおすすめです。
法人カードには個人カードのメリットに加えて、利用可能額が大きい、ビジネス支援サービスが充実しているといった、法人カードならではのメリットが多くあるからです。
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個人事業主が法人用のクレジットカードを持つメリット
数ある法人カードの中でも、三井住友カード ビジネスオーナーズは法人格のない個人事業主でも作ることができるので、特におすすめです。
お申し込みの際に登記簿謄本、決算書が不要。個人の与信をベースに審査し創業1年未満でも発行できる
個人事業主・法人代表者向けの法人カード 三井住友カード ビジネスオーナーズ
個人事業主におすすめのクレジットカード
三井住友ビジネスカードであれば、お申し込みの際に登記簿謄本や決算書は不要。個人の与信をベースに審査しますので、創業1年未満でも発行できます。
会計帳簿に記載する作業「仕訳」とは?
それでは、仕訳について簡単にご紹介しましょう。
まず、会計帳簿にはいくつか種類がありますが、その中で日々の取引を日付順に記載するのが「仕訳帳」です。仕訳帳では、帳簿に記載する左側を「借方(かりかた)」、右側を「貸方(かしかた)」と呼びます。
そして、すべての取引を、分類ラベルの役目を果たす「勘定科目」を使って分類し、この借方・貸方に記録していきます。これが、仕訳という作業です。
クレジットカード決済で帳簿に記載する勘定科目は?
勘定科目にはさまざまなものがありますが、クレジットカード決済の仕訳で使うものは、おもに「未払金」「事業主借」「事業主貸」の3つです。これら、3つの勘定科目について、詳しくご説明しましょう。
「未払金」はどういう場合に使う?
未払金は、商品以外の物品を、後払いなどで購入したときに使う勘定科目です。
おもに、クレジットカードで事業費用を支払った場合の仕訳に使います。なお、小売店の仕入れなど、販売することを目的に仕入れた商品の代金は、未払金ではなく「買掛金」の勘定科目を使います。
「事業主借」「事業主貸」はどういう場合に使う?
「事業主借」と「事業主貸」は、事業と事業主個人のあいだのお金のやりとりを、記録するための勘定科目です。
事業主が個人のお金を事業のために使ったときは「事業主借」、事業資金を事業主個人のために支出したときは「事業主貸」を使って、取引を記録します。

クレジットカードでの支払いのうち、仕訳が発生するのは3パターン
続いては、クレジットカード決済による仕訳の方法について、具体的に解説します。
個人事業主がクレジットカードを使って行うさまざまな支払いの中で、帳簿への記載が必要となるのは次の3つのパターンです。
- 事業用のクレジットカードで事業経費を支払い
例:仕事の資料用書籍を、事業用クレジットカードで支払った。 - 事業用のクレジットカードでプライベートの支出を支払い
例:友人とのプライベートな食事の代金を、事業用クレジットカードで支払った。 - プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払い
例:仕事の打合せの会食代を、プライベート用のクレジットカードで支払った。
これらの支払いパターンをどのように仕分けして記載するのか、勘定科目は何を選べばいいのかなど、詳しく見ていきましょう。
事業用のクレジットカードで事業経費を支払った場合の仕訳方
クレジットカードでの決済は、将来の支払いを約束するものなので、まず「未払金」として処理します。のちに、実際の利用料金が預金口座から引き落とされる日に、「未払金」を「普通預金」で相殺する手順となります。
例)
2020年8月1日(土)に、事業用クレジットカードで2,000円の書籍1冊を購入。
2020年9月15日(火)に、クレジットカードの利用料金が普通預金の口座から引き落とされた。
■クレジットカードで決済した日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年8月1日(土) | 書籍費 | 2,000 | 未払金 | 2,000 |
■利用料金が引き落とされる日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年9月15日(火) | 未払金 | 2,000 | 普通預金 | 2,000 |
事業用のクレジットカードでプライベートの支出を支払った場合の仕訳方
事業資金を事業主個人のために支出しているので、「事業主貸」を使って仕訳します。クレジットカード決済を行った日の仕訳は必要なく、利用料金が引き落とされた日の仕訳のみです。
例)
2020年8月1日(土)に、法人用クレジットカードで友人とプライベートな食事をして1万円を支払った。
2020年9月15日(火)に、クレジットカードの利用料金が普通預金の口座から引き落とされた。
■クレジットカードで決済した日の仕訳
記載なし
■利用料金が引き落とされる日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年9月15日(火) | 事業主貸 | 10,000 | 普通預金 | 10,000 |
プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払った場合の仕訳方
プライベート用のクレジットカードを使った場合、事業主が個人のお金を事業のために使ったとみなし、「事業主借」を使って仕訳します。クレジットカード決済を行った日付での仕訳となり、利用料金が引き落とされる日の仕訳は必要ありません。
例)
2020年8月1日(土)に、個人用クレジットカードで仕事の打ち合わせの会食費1万円を支払った。
2020年9月15日(火)に、クレジットカードの利用料金が普通預金の口座から引き落とされた。
■クレジットカードで決済した日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年8月1日(土) | 会議費 | 10,000 | 事業主借 | 10,000 |
分割払いなどの決済をしたときはどうする?
クレジットカード決済時に分割払いを選んだ場合やポイントで決済した場合、キャッシュバックを受けた場合などは、通常とは少し違った処理が必要になります。
分割払いにした場合
分割払いをした場合、金利手数料、つまり利息が発生します。利息分は「支払利息」という勘定科目を使って処理します。
例)
2020年8月1日(土)に、8万円のパソコンを、事業用のクレジットカードを使って分割払いで支払った。
2020年9月15日(火)に、初回引き落とし分として、元金1万円+金利手数料1,000円が引き落とされた。
■クレジットカードで決済した日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年8月1日(土) | 消耗品費 | 80,000 | 未払金 | 80,000 |
■初回引き落とし日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年9月15日(火) | 未払金 | 10,000 | 普通預金 | 11,000 |
支払利息 | 1,000 |
ポイントを使った場合
ポイントを物品に交換した場合は、記帳の必要はありません。
キャッシュバックを受けた場合
キャッシュバックを受けた場合は、「雑収入」の勘定科目を使って処理します。
例)
2020年8月1日(土)に、3,000円のキャッシュバックを受けた。
■キャッシュバックがあった日の仕訳
※横にスライドの上ご参照ください
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
取引日 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
2020年8月1日(土) | 普通預金 | 3,000 | 雑収入 | 3,000 |
確定申告の種類で仕訳方は変わる?
青色申告には、最高65万円もしくは10万円の所得控除が受けられ、大幅な節税になるというメリットがあります。よりメリットの大きい青色申告の65万円控除の場合、原則として複式簿記での記帳が求められます。
使用するクレジットカードが個人用か事業用かによって、記帳のタイミングや仕訳で使う勘定科目は異なります。
また、白色申告や青色申告であっても10万円控除で申告する場合は、単式簿記での記帳となり、記帳方法はシンプルになります。
取引が成立した日と、実際に支払いをした日が別々でも、支払いが行われた日だけ記帳すれば良く、クレジットカードが個人用か、事業用かによる区別もありません。
こちらもご参照ください。
個人事業主がクレジットカード決済するときの経費計上のしかた
クレジットカードの利用明細書の注意点
クレジットカードでの決済は、その場でお金を支払っているわけではないので、基本的に領収書の発行は受けられません。店舗によっては発行してくれるところもありますが、「クレジットカードにてお支払い」などの記載があり、税法上の領収書には該当しません。お店やクレジットカード会社から発行された利用明細書が、領収書の代わりになります。
確定申告に関する書類は基本的に紙での保管が求められていますので、クレジットカード会社のウェブ明細をダウンロードして使う場合は、必ず印刷して紙面で保管するようにしましょう。ウェブ明細はダウンロード期限が設定されている場合もあります。期限切れで見られなくならないよう、利用明細書は定期的にダウンロードしておくのがおすすめです。
こちらもご参照ください。
クレジットカード決済は領収書が不要?利用明細での経費処理について
法人用クレジットカードを利用して会計管理を簡単に
クレジットカード決済の記帳は、慣れてしまえば難しいものではありません。
事業費の支払いは、三井住友カード ビジネスオーナーズなどの法人カードにまとめることをおすすめします。利用明細の管理が簡単になったり、記帳の負担が減ったりするほか、法人カードならではのビジネス支援サービスが受けられるなど、数々のメリットがあります。ぜひ、利用を検討してみてください。
法人カードの種類によって商品性は異なりますので、あらかじめご了承ください。また、詳細につきましては、各商品ページをご確認ください。
2020年12月時点の情報なので、最新の情報ではない可能性があります。

港区の会社設立支援、税理士法人。Big4出身の公認会計士、税理士、元上場企業経理部長、大手ベンチャーキャピタル出身者などで構成され、スタートアップ支援に力を入れる。
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