法人カード決済に領収書は不要?インボイス制度での変更点や注意点も解説
キャッシュレス決済の普及により、法人カードを活用する企業が増加しています。しかし2023年10月1日(日)から開始したインボイス制度により、仕入税額控除の要件が変更され、法人カード決済を行う際にも注意が必要です。
ここでは、法人カード決済では領収書なしでも問題ないか、インボイス制度開始後の領収書の取り扱いや変更点、対応のポイントなどをわかりやすく解説します。
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法人カードでの決済に領収書は不要?
経費などを支払う際に法人カードで決済した場合には、領収書は必ずしも必要ではありません。
経費計上を行う場合には、事業上の必要経費であることを証明するため、取引の詳細を記録した証憑書類を保存する必要があります。法人カードで決済した際には、レシートやクレジット売上票によって取引の事実を証明することも可能であるため、領収書の代わりとして活用できます。
経理業務においては、レシートやクレジット売上票に基づいて、仕訳処理を行うケースが一般的です。例えば、4月1日に法人カード決済で1万円の消耗品を購入した場合には、以下のように仕訳を作成します。
法人カード決済の場合、消耗品の購入時点ではキャッシュアウトしていないため、未払金などの負債として計上します。
後述しますが、2023年10月1日(日)から開始したインボイス制度においては、クレジット売上票は適格請求書に該当しないため、仕入税額控除を行う場合には、登録番号など必要事項が記載された領収書やレシートの保存が必要です。
また、クレジットカード決済は「信用取引」にあたります。決済時には「クレジット払い」などと記載された領収書やレシート、あるいはクレジット売上票を受け取るケースもありますが、それらの書類では、最終的な支払いの有無までを証明できません。
そのため、毎月送付される法人カードの利用明細書や、毎月のカード利用額が引き落とされる預金通帳などを合わせて保管することで、取引の発生から支払い完了までの一連の流れを追跡できるように整理しておきましょう。
法人カード決済で発行される書類の種類
経費などの支払いを行う際に、法人カード決済を利用する場合には、領収書やレシート、クレジット売上票、クレジットカードの利用明細書のように、複数の書類が発行されます。
なお、インボイス制度においては、登録番号や適用税率、消費税額等が記載された「適格請求書」に加えて、一部の記載事項を省略した「適格簡易請求書」もインボイスとして扱うことが可能です。
適格簡易請求書では、書類の交付を受ける事業者の氏名・名称を省略することや、適用税率と消費税額等のいずれか一方の記載とすることができるため、飲食店やコンビニエンスストアなどのレシートや領収書にも利用されています。
書類ごとの性質をきちんと理解し、証憑書類の保管ルールの整備や経費精算業務の効率化に役立てましょう。
領収書
クレジットカードによる支払いは「信用取引」に該当するため、法人カードでの決済時点では店舗側は代金を受領しておらず、領収書が発行されないケースもめずらしくありません。
そのような背景から、領収書が発行される場合には、現金取引と混同しないよう、「クレジットカード払い」などと記載されるケースが一般的です。
なお、インボイス制度においては、仕入税額控除の際に適格(簡易)請求書の保存が必要です。レシートなど、領収書以外の書類が適格(簡易)請求書に該当しない場合には、登録番号などの必要事項が記載された領収書を発行してもらえるかどうか、支払先に確認しましょう。
レシート
法人カード決済の場合には、レシートとクレジット売上票がセットで発行されるケースが多いです。
取引に関して仕入税額控除を行う場合には、レシートに登録番号など必要事項の記載があるか確認し、もし記載がなければ、別途適格(簡易)請求書の要件を満たす領収書の発行を依頼するなどの対応が必要となるため注意しましょう。
クレジット売上票
法人カードで決済した場合には、レシートとともにクレジット売上票(利用伝票)が発行されます。
クレジット売上票は、カード会社を通じて取引を行ったことを示す書類であり、税務上においては領収書に該当しません。ただしクレジットカード決済の場合には領収書が発行されないケースも多いため、レシートと合わせて領収書代わりに利用されるケースも多いです。
ただし、インボイス制度開始後においては、クレジット売上票は適格請求書には該当しないため、注意が必要です。
利用明細書
利用明細書は、クレジットカード会社から定期的に発行される書類であり、期間内にカード決済した取引の履歴や、預金口座から引き落とされる合計金額などが表記されています。
インボイス制度では、クレジット売上票と同様に、利用明細書についても適格請求書には該当しないため注意しましょう。
ただし、預金通帳と合わせて保管しておくことで、法人カード決済から引き落としまでの一連の流れを確認できるため、利用明細書に関しても社内でまとめて管理することをおすすめします。
インボイス制度で法人カードの領収書の取り扱いは変わった?
インボイス制度によって、領収書やクレジット売上票などの取り扱いにも変化が生じています。インボイス制度開始後に仕入税額控除を最大限に適用するためには、支払先の登録番号などが記載された適格請求書を保存することが必要です。
インボイス制度開始前までは、支払額が3万円未満の取引については、領収書がなくても、帳簿への記載があれば仕入税額控除が可能とされていました。しかし、インボイス制度開始後においては、3万円未満であっても請求書や領収書などの適格請求書の保存が義務付けられているため、少額の取引でもこれらの書類を入手しなければなりません。
なお、インボイス制度においても、税込1万円未満の取引については、適格請求書の保存がなくても、帳簿の保存のみで仕入税額控除を可能とする「少額特例」が設けられています。
しかし「少額特例」の対象者は、基準期間(法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1億円以下、あるいは特定期間(法人の場合は前事業年度開始の日から6ヵ月)の課税売上高が5,000万円以下の事業者に限られるうえ、2023年10月1日(日)から2029年9月30日(日)までの期間限定の措置です。
上記の条件に該当しない場合には、たとえ少額の支払いであっても、領収書などの適格請求書をきちんと入手しなければならないため注意しましょう。
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カード会社が発行する利用明細書はインボイスとして認められない
インボイス制度の開始によって、仕入税額控除には適格請求書の保存が義務付けられているため、経費などの支払いの際には、支払先から登録番号などが記載された領収書やレシートを入手しなければなりません。
この場合において、利用明細書やクレジット売上票は適格請求書には該当しないため、領収書代わりに保存することは不可となります。なぜなら、利用明細書などの書類はクレジットカード会社が利用者に発行するものであり、店舗などの支払先から直接交付される書類ではないためです。
仕入税額控除を受けるためには、登録番号など必要事項が記載された領収書やレシートを入手・保存するように徹底しましょう。
法人カード決済における領収書対応のポイント
法人カード決済を行う場合には、経費精算や経理業務の効率化を追求するだけでなく、インボイス制度や電子帳簿保存法など、最新の法令に則った業務体制を整備することが重要です。
以下のようなポイントを意識して、社内における適切な業務フローを構築しましょう。
必要に応じて領収書を発行してもらう
法人カード決済の場合、領収書が発行されないことも多く、決済時にはレシートとクレジット売上票のみが交付されるケースが一般的です。
ただし、希望者には「クレジットカード払い」などと記載した領収書を発行する店舗も多いため、インボイス対応や社内ルールによって領収書が必要な場合には、カード決済の際にお店側へ依頼してみましょう。
二重計上に注意する
法人カードで決済する場合には、領収書やレシート、クレジット売上票など、複数の書類が発行されます。そのため、経費処理にあたっては、1つの取引について重複して計上しないように注意しなければなりません。
二重計上を防ぐためには、経費精算時の提出書類についてルールを整備することや、クレジットカードの利用明細書と照合するなどの方法が効果的です。
証憑は確実に回収・確認
インボイス制度の導入により、仕入税額控除を適用するためには、3万円未満の取引でも適格請求書を保存しなければなりません。支払先の登録番号などが記載された領収書やレシートは適格請求書に該当しますが、クレジット売上票や利用明細書は適格請求書に該当しないため、注意が必要です。
法人カード決済の場合でも、インボイス対応に必要な領収書やレシートを漏れなく入手できるよう、制度の概要や領収書の確認方法などを社内に周知しましょう。
証憑の保管
受領した領収書やレシートなどの証憑書類については、一定期間きちんと保管しなければなりません。保管場所などのルールを整備し、効率的な管理体制を構築しましょう。
なお、改正電子帳簿保存法の施行により、データで受領する請求書や領収書、クレジットカードの利用明細書などは「電子取引」に該当し、原則としてデータでの保存が義務付けられています。証憑書類を保存する際には、保存要件を満たした方法かどうか確認し、法令に基づいた運用を行いましょう。
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法人カードで経費を支払うメリット
インボイス制度開始によって、3万円未満の取引でも領収書の保存が必要となるなど、多くの企業では経理業務の負担が大幅に増加しています。
クレジットカードによる決済でも、クレジット売上票や利用明細書ではインボイス対応できないため、経費精算や経理業務プロセスの見直しが必要となるケースも多いでしょう。
法人カードを利用する場合には、キャッシュレスの推進や立替払いの削減、支払いの一本化などのメリットに加え、会計ソフトとの連携や証憑書類のデータ保存にも活用することが可能です。インボイス制度や電子帳簿保存法などの法令対応に向けた取り組みを行いつつ、経理業務の効率化を追求できるため、さまざまな制度が複雑化する現状においても、社内のリソース確保に役立つでしょう。
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業務の効率化につながる三井住友カードの法人カード
ここからは業務の効率化につながるおすすめの三井住友カードの法人カードを紹介します。
個人事業主におすすめ!三井住友カード ビジネスオーナーズ
高校生を除く満18歳以上の法人代表者、個人事業主(副業・フリーランスを含む)の方向けの法人カードです。カードランク別に三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)、三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド、三井住友カード ビジネスオーナーズ プラチナプリファード(満20歳以上が対象)の3種類があります。
ベンチャーやスモールビジネスシーンに必要な経費管理の一元化といった法人カード機能とともに、ビジネスユースでのご利用もお得になるポイント還元や年会費永年無料(※)などの特典も付帯します。
スタートアップ企業やフリーランス、副業で活躍される方のビジネスを後押しする、利便性とメリットを兼ね備えています。
三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)は年会費永年無料となります。
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドは条件達成で翌年以降、年会費永年無料となります。
三井住友カード ビジネスオーナーズ プラチナプリファードは年会費33,000円(税込)となります。
対象取引や算定期間などの実際の適用条件については、三井住友カードのホームページをご確認ください。
中小企業におすすめ!三井住友ビジネスカード
中小企業向けの法人カードで、経費管理と資産運用の効率化を目的としています。今まで以上に、経理事務・経費を合理化できます。またカード決済なら指定口座から自動引き落としされるので、支払手数料を削減できます。カード使用者は20名以下が目安です。
中小企業におすすめ!三井住友ビジネスパーチェシングカード
中小企業向けの、原板不発行型の法人カードです。
広告費・システム利用料への支払いにご活用いただくことで、精算業務の効率化にお役立ていただけます。
なお、三井住友ビジネスパーチェシングカードは、プラスチックカードが発行されないため、紛失・盗難のリスクもありません。
大企業におすすめ!三井住友コーポレートカード
カード使用者が多い大企業向けの法人カードです。出張費や交際費などを「会社全体」「部事業所別」「個人別」の3段階に分類し、経費予算管理を簡素化できます。
大企業におすすめ!三井住友パーチェシングカード
企業における仕入れやシステム利用料の支払いなど、企業の購買活動専用の法人カードで、特定の加盟店での決済に限定した利用ができます。
なお、三井住友パーチェシングカードは、プラスチックカードが発行されないため、紛失・盗難のリスクもありません。
法人カード決済で効率化と法令対応を実現
近年では法人カードを導入する企業が増加していますが、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正によって、証憑書類の必要性や経理業務のプロセスにも変化が生じ、企業は対応に追われています。
各制度のしくみを正しく理解し、最新の法令に基づいた法人カードの活用方法を整備することで、経理業務の効率化を追求しましょう。
よくある質問
Q1.法人カード決済に領収書は不要?
領収書は必ずしも必要ではありません。レシートやクレジット売上票によって取引の事実を証明することも可能であるため、領収書の代わりとして活用できます。ただし、インボイス制度において、クレジット売上票は適格請求書に該当しないため、仕入税額控除を行う場合には、登録番号など必要事項が記載された領収書やレシートの保存が必要です。
詳しくは以下をご覧ください。
Q2.インボイス制度で法人カードの領収書の取り扱いは変わった?
領収書やクレジット売上票などの取り扱いにも変化が生じています。インボイス制度開始前までは、支払額が3万円未満の取引については、領収書がなくても、帳簿への記載があれば仕入税額控除が可能でした。しかし、制度開始後は、3万円未満であっても適格請求書の保存が義務付けられているため、少額の取引でもこれらの書類を入手しなければなりません。
詳しくは以下をご覧ください。
Q3.法人カード決済における領収書対応のポイントは?
領収書対応のポイントとして、インボイス対応や社内ルールによって領収書が必要な場合は領収書を発行してもらうこと、二重計上に注意すること、インボイス対応に必要な証憑は確実に回収・確認すること、受領した証憑は決められた期間きちんと保管すること、などが挙げられます。
詳しくは以下をご覧ください。
監修:服部 大
服部大税理士事務所/合同会社ゆとりびと 代表社員。2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。平均年齢が60歳を超える税理士業界の若手税理士として、税務顧問だけでなく、スポット税務相談やクラウド会計導入支援など、経営者を幅広く支援できるように奮闘中。執筆や監修業務も力を入れており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。
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| 年会費 | 永年無料 | 5,500円(税込) 年間100万円のご利用で翌年以降 永年無料※1 |
33,000円(税込) |
|---|---|---|---|
| ポイント還元率 | 0.5%~1.5%※2 | 0.5%~2.0%※2 | 1%~10%※5 |
| カード利用枠 | ~500万円※3 | ~9,999万円※3 | |
| 旅行傷害保険 | 最高2,000万円の海外旅行傷害保険※4 | 最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険※4 | 最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険※4 |
| 特徴 |
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| 年会費 |
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永年無料 |
|---|---|---|---|---|
| カード利用枠 | ~500万円※1 (1回払いでのご利用) |
~1,000万円※1 (1回払いでのご利用) |
一律上限設定なし※1 (1回払いでのご利用) |
原則20~200万円※1 (1回払いでのご利用) |
| 旅行傷害保険 | 最高2,000万円の 海外旅行傷害保険※2 |
最高5,000万円の 海外・国内旅行傷害保険※3 |
最高1億円の 海外・国内旅行傷害保険 |
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| 特徴 | 経費精算システムへ利用明細のデータ連携が可能 | |||
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| 年会費 |
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