ビジドラ 起業家の経営をサポート

Powered by

起業家の経営をサポート

法務

雇用契約書とは?記載事項や作成方法などを解説

雇用契約書とは?記載事項や作成方法などを解説

従業員を雇って自社で働いてもらうときには、雇用契約書を作成し、交付しておくといいでしょう。雇用契約書とは、端的に言えば、人を雇う側(使用者)と働く側(労働者)との労働に関するルールを定めたものです。
ここでは、雇用契約書を作成したほうがいい理由や、雇用契約書の記載内容などについて解説します。

目次
雇用契約書によって労働条件を明確にする
雇用契約書を交わす理由とは?
雇用契約書の記載事項について
雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書の作成は必須と考えておくべし
マンガでわかる三井住友カード ビジネスオーナーズを選ぶ理由 三井住友カードビジネスオーナーズ新規入会&ご利用キャンペーンで最大10,000ポイントプレゼント!
マンガでわかる三井住友カード ビジネスオーナーズを選ぶ理由 三井住友カードビジネスオーナーズ新規入会&ご利用キャンペーンで最大10,000ポイントプレゼント!

特典を受けるには、一定の条件がございます。お申し込み前に必ず、[キャンペーン詳細]をご確認ください。

雇用契約書によって労働条件を明確にする

雇用契約書とは、使用者と労働者との労働に関するルール、すなわち労働者の労働条件を明らかにするために交わす書面のことです。雇用契約書は、使用者からの一方的な通知ではなく、労働者との合意のうえで交わします。
雇用契約書を交わす対象は、正社員はもちろんのこと、契約社員やパートタイマー、アルバイトなど、雇用形態にかかわらず、全従業員になります。
雇用契約書によって、お互いに労働条件に同意して書面に残すことで、仕事のルールを確認することができます。また、働いていて何か問題が発生したときにも、書面として記されていることを基準にして対応できるのが、雇用契約書を交わしておくメリットです。

雇用契約書を交わす理由とは?

雇用契約書を交わす理由は、いくつかあります。おもなところを確認しておきましょう。

トラブルを防止するため

雇用契約書を交わしておくことで、トラブル防止につながります。例えば、雇用した労働者が働き始めて年月が経過した場合、働く条件や内容に対する認識や解釈について、使用者とのあいだで食い違いが生じる可能性があります。このようなとき、雇用契約書を交わしておくことで、労働条件や労働内容をいつでも確認することができ、無用なトラブルが発生しにくくなります。

労働条件を明示する義務があるため

雇用する側である使用者は、労働者に対して、労働条件を明示する義務があります。
労働基準法第15条第1項には、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されています。また、労働契約法第4条第2項には、「労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする」とあります。
使用者側が労働条件を通知する「労働条件通知書」と「雇用通知書」だけでも違法というわけではございませんが、雇用契約書を交わして、労働条件について合意しておくと、お互い安心でしょう。

社内ルールを徹底できる

雇用契約書は、その形態にかかわらず、労働者を雇用する際には交わすことができます。労働基準法では、1日だけ、1週間だけといった短期アルバイトでも労働者とみなされます。短い期間だからと思わずに、就業規則などを盛り込んだ労働契約書を作成し交付することによって、社内ルールなどを全従業員が認識しやすくなります。

雇用契約書の記載事項について

雇用契約書に記載すべき事項は、法律上の規定があるわけではございませんが、使用者労働者間のトラブル防止のためには、結局のところ労働基準法15条1項が定めている使用者が労働者に明示すべき項目を雇用契約書にも記載するのが相当です。明示すべき記載事項としては、必ず書面に記載して明示しなければならない「絶対的明示事項」と、使用者(会社)ごとのルールについて、任意に書面あるいは口頭などで明示すればいい「相対的明示事項」に分かれます。

絶対的明示事項

必ず記載すべき絶対的明示事項は以下の項目になります。

・労働契約期間

労働契約期間について記載します。契約社員のように労働期間の定めがある契約の場合は、その期間を明示します。一般的な正社員など、労働期間の定めがない契約であっても、その旨を明示する必要があります。

・就業場所

実際に仕事をすることになる就業場所として、勤務地を明示します。勤務地が変わる予定があったとしても、雇入れ直後の勤務地を明示しておけばいいことになっています。

・業務内容

実際に携わる業務内容を明示します。

・始業時刻と終業時刻

始業時刻と終業時刻について明示します。シフト制勤務のように、曜日などによって勤務時刻が異なるときには、勤務パターンごとの始業時刻と終業時刻を明示します。

・休憩時間

所定労働時間に対する具体的な休憩時間を明示します。労働基準法では、所定労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は、少なくとも45分の休憩時間が必要とされています。また、所定労働時間が8時間を超えるときは、少なくとも1時間の休憩が必要とされています。

・交替制勤務

その労働者に交替制勤務が発生する場合、交替順序あるいは交替期日などの事項を明示します。

・休日

労働基準法では、1週間に1日、または4週間に4日の休日を与える必要があるとされていますので、それに沿った休日を明示します。ただし、毎週決まった曜日にする必要はなく、シフト制の休日にしても構いません。

・賃金支払日

労働基準法では毎月1回以上、支払日を定めて賃金を支払うと定められていますので、その賃金支払日について明示します。なお、月払い賃金の場合、「毎月第4金曜日」など、月ごとに日付が変動する決め方はできません。

・昇給

昇給規定のありなしにかかわらず、昇給についての事項は必ず明示しなければなりません。

・退職

退職規定の事由や手続方法、解雇規定の事由などを明示します。

相対的明示事項

使用者(会社)ごとに規定がある場合、書面あるいは口頭で明示すべき事項があります。この相対的明示事項は口頭でもいいのですが、できるなら書面に記しておいたほうがトラブル防止となるので、雇用契約書に明示しておきましょう。相対的明示事項には、おもに以下のような事項があります。

・賞与や臨時手当

賞与や臨時で支払われる手当や報奨金などが決められている場合には、「年に何回支給するのか」「何月に支給するのか」「何を基準に支給するのか」などを明示する必要があります。

・退職金

退職金の規定がある場合、退職金が支給される労働者の範囲、計算方法、決定方法、支払時期、支払方法などを明示する必要があります。

・労働者が負担する費用

労働者が負担する費用がある場合は、明示する必要があります。例えば、作業着といった業務上必要な物についての労働者負担分や、社員食堂があった場合の労働者の食費負担分なども記載しておきます。

雇用契約書と労働条件通知書の違い

雇用契約書に似た書面に「労働条件通知書」がありますが、結論としては、両方とも記載すべき内容はほぼ同じになることが多いです。労働条件通知書は、労働基準法に基づく使用者の労働者に対する労働条件を明示する義務を具体化した書面であり、雇用契約書には、トラブル防止の観点から労働基準法が定める使用者が労働者に明示すべき労働条件を記載するのが相当だからです。そして、労働基準法の定める使用者が労働者に明示すべき労働条件を記載した雇用契約書を作成した場合、同契約書が労働条件通知書の機能も兼ねるため、使用者としては、同契約書とは別に労働条件通知書を作成する必要はございません。
両者が決定的に異なる点としては、労働条件通知書は労働者と合意(同意)する必要はなく、使用者からの一方的な通知で構わないということが挙げられます。また、雇用契約書は「契約」になりますので、労働条件通知書よりも拘束力が強いものとなります。
なお、使用者が労働者に対して絶対的明示事項を明示しなかった場合には、労働基準法第120条により30万円以下の罰金が科されることになります。

雇用契約書の作成は必須と考えておくべし

雇用契約書は、必ずしもすべての項目において法律上の強制力があるわけではございません。ですが、「言った」「言わない」となりがちな項目がありますので、できるならば雇用契約書を用意して、きちんと雇用契約を結んでおいたほうがいいでしょう。
少なくとも、労働条件の明示は、労働基準法で定められていますし、労働契約法においては労働契約の内容を書面により確認することが努力目標とされていますので、従業員を雇って自社で働いてもらうときには、労働基準法の定める使用者が労働者に明示すべき労働条件が記載された雇用契約書の作成を検討するべきでしょう。

2018年9月時点の情報なので、最新の情報ではない可能性があります。

監修:弁護士 佐藤大和
監修:弁護士佐藤大和

レイ法律事務所代表弁護士。厚生労働省「労働法教育支援」「過重労働解消」各検討委員。著書『知的財産の新常識』などほか6冊(ナツメ社)。企業や個人の危機管理、メディア・知財戦略を支援している。企業、エンタメ分野が得意。

法人代表者・個人事業主の方向け

登記簿謄本・決算書不要!

中小企業向け

経費精算もラクラク♪

  • プラチナカードを希望される方は「詳細を見る」よりご確認ください。

お得なキャンペーン

  1. 法人カードをつくる トップ
  2. 法人カード活用ガイド
  3. ビジドラ~起業家の経営をサポート~
  4. 法務
  5. 雇用契約書とは?記載事項や作成方法などを解説