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2018.03.28

税務

今さら聞けない法人税の基礎知識

今さら聞けない法人税の基礎知識

会社を設立したら、必ず支払わなければならない「法人税」。法人の義務として深く考えずに支払っているけど、実は詳しいことはよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、決算の際や節税のヒントとして、法人税の種類から計算方法までを詳しく解説します。

目次
法人税とは?
法人税の種類
法人税が課税される法人・課税されない法人とは
法人税の計算方法
法人税率について
法人税の税率の見直しで何が変わった?
法人税の納付方法
申告期限は延長も可能。期限を守って納税を
法人税の基本を押さえよう

法人税とは?

法人税とは、消費税、所得税と並ぶ重要な国税のひとつで、「法人が得た利益に対してかかる税金」です。個人が利益を得たときにかかる所得税と、同じようなものだと考えていいでしょう。
法人税は、税金を納める「納税者」と、実際に税を負担する「担税者」が同じである「直接税」です。ちなみに「間接税」は、納税者と担税者が異なる消費税などを指します。
また、納税の方法は、納税者みずからが税額を計算した上で、所轄の税務署に申告・納税する申告納税方式となっています。

法人税の種類

事業活動によって得られた所得に対して課される法人税は、会社の形態によって種類が変わります。各法人税について、解説していきましょう。

各事業年度の所得に対する法人税

「各事業年度の所得に対する法人税」は、一事業年度において法人が得た所得に対して課されるものです。一般的に「法人税」といえば、この「各事業年度の所得に対する法人税」を指します。
なお、「事業年度」とは、法人税を課す所得を計算する期間のことで、基本的には各法人が定款などで定めている会計期間と同一です。

各連結事業年度の連結所得に対する法人税

「各連結事業年度の連結所得に対する法人税」とは、企業グループを1つの納税単位とする「連結納税制度」で計算した場合の法人税になります。「各事業年度の所得に対する法人税」に代わって課されます。
各連結事業年度の連結所得に対する法人税を適用するか否かは各法人の自由ですが、適用する場合はすべての子会社が対象になります。申告と納税を行うのは親会社で、子会社は連結所得の個別帰属額などを記載した書類を税務署に提出します。

特定信託の各計算期間の所得に対する法人税

「特定信託の各計算期間の所得に対する法人税」とは、おもに信託会社を対象として、特定の信託を運用している場合に課される法人税です。

退職年金等積立金に対する法人税

「退職年金等積立金に対する法人税」とは、退職年金業務等を営む信託会社や保険会社などに対して課される法人税です。
法人が、雇用する従業員の退職年金として払い込んだ掛金は、信託会社や保険会社では、払込みをした年度に計上されます。しかし、実際に課税されるのは従業員が退職して年金を受け取ったときになります。
退職年金等積立金に対する法人税は、このタイミングのずれに対して課せられる法人税です。

法人税が課税される法人・課税されない法人とは

法人と一口にいってもその種類はさまざまで、特性や目的によって「課税される法人」と「課税されない法人」に大別されます。
法人税が課税される法人と、課税されない法人の線引きを確認しましょう。

課税対象になる「普通法人」

「普通法人」には、株式会社や有限会社、合資会社などが分類されます。日本に本拠地がある場合、国内で得た所得はもちろん、海外にある支店の所得についても、法人税の納税義務があります。
普通法人に対しては、原則としてすべての所得に法人税が課税されますが、期末資本金が1億円以下の場合は税率が軽減されます。

<普通法人に該当>

  • 株式会社
  • 有限会社
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 医療法人
  • 相互会社
  • 企業組合
  • 労働組合や管理組合など
  • 日本銀行

課税対象になる「協同組合等」

「協同組合等」には、原則として法人税が課税されます。農業協同組合や労働者協同組合のほかに、信用金庫も該当します。ただし、税率は普通法人より軽減されています。

<協同組合等に該当>

  • 農業協同組合
  • 信用金庫
  • 労働者協同組合
  • 漁業協同組合
  • 生活協同組合 ほか

課税対象にならない「公益法人等」

「公益法人」は、株式会社や有限会社をはじめとする一般法人と違って、営利を目的とする法人ではございません。祭祀、宗教、慈善、学術、技芸といった公益のみを目的としています。そのため、原則的に法人税は非課税です。
ただし、収益事業を行って収益から生じた場合は、課税対象となります。

<公益法人等に該当>

  • 社団法人
  • 財団法人
  • 宗教法人
  • 学校法人
  • 社会福祉法人 など

課税対象にならない「人格のない社団」等

「人格のない社団」とは、学校のPTAや実行委員会などを指します。営利を目的としないので、原則的に法人税は非課税です。例えば、国、地方公共団体などからの交付金には法人税がかかりません。
ただし、収益事業を行って収益から生じた場合は、課税対象となります。

<人格のない社団等に該当>

  • PTA
  • 同窓会
  • 実行委員会 など

課税対象にならない「公共法人」

国や地方公共団体が運営する「公共法人」に対しては、法人税は課税されません。

<公共法人に該当>

  • 地方公共団体
  • 国民金融公庫
  • 住宅整備公団
  • 都市整備公団
  • 住宅金融公庫
  • 日本道路公団
  • 国立大学法人
  • 日本放送協会 ほか

法人税の計算方法

法人税は、会社の「利益」ではなく、「所得」に対して課税されます。
所得は、「益金-損金」の計算式で求めることができます。益金・損金は、会計上の収益・費用をベースにして、法人税の税法に則った細かい調整をして算出することになります。例えば、持ち株の受取配当は収益ですが、益金には入れません。赤字の繰越欠損金は費用ではないのですが、損金には算入します。
計算した課税対象となる所得(課税所得」に対して、所定の税率を掛けて、そこから控除額など差し引いたものが、納付する法人税額となります。

<法人税の計算式>法人税額=課税所得×法人税率-控除額

法人税率について

法人税の税率は一律ではなく、法人の種類と規模によって決められています。

・普通法人年間所得800万円以下の部分……19%(15%)
年間所得800万円超の部分……23.2%

・協同組合等年間所得800万円以下の部分……19%(15%)
年間所得800万円超の部分……19%

・公益法人等(収益事業を行った場合)年間所得800万円以下の部分……19%(15%)
年間所得800万円超の部分……19%

・人格のない社団等(収益事業を行った場合)年間所得800万円以下の部分……19%(15%)
年間所得800万円超の部分……23.2%

2018年4月1日以後の開始事業年度に適用されます。また、( )内の税率は、2018年4月1日から2019年3月31日までのあいだに開始する事業年度について適用されます。

法人税の税率の見直しで何が変わった?

法人税率は、国がしっかりと税収を確保できるよう、財政事情や経済状況に応じて年度ごとに見直しが図られます。特に2015年度からは、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方の下、法人課税をより広く負担を分かち合う構造への改革が進んでいます。
初年度となる2015年度は国・地方の法人実効税率が34.62%から32.11%に、2016年度には23.4%に引き下げられました。さらに、2018年度には23.2%まで引き下げを予定しています。
どんなに事業が好調で多くの所得が生まれたとしても、法人税の税率は最高で23.4%(2018年4月1日以後の開始事業年度は23.2%)となります。

法人税の納付方法

法人税の納付方法を確認するにあたって、まずは納付までの流れを知っておきましょう。

<法人税の納付の流れ>

  1. 決算手続き
  2. 法人税の申告書を作成し、提出
  3. 納付

法人税の納付期限は、事業年度が終了した日の翌日から2ヵ月以内です。例えば、会計年度が4月1日から3月31日までの場合、納付期限は5月31日までとなります。納付期限を過ぎるとペナルティが科されますので注意しましょう。
法人税の納付には、複数の方法があります。納付方法が納付額などに影響することはないので、会社にとって最も効率のいい方法を選びましょう。

納付方法1 納付書を添えて、現金で納付する

税務署から送られてくる納付書に現金を添えて納付する方法は、金融機関や税務署などの窓口が対応しています。納付書に金額を記載して納付しましょう。

・金融機関口座を開設しているか否かにかかわらず、どの金融機関の窓口でも納付できます。窓口の営業時間に注意しましょう。

・所轄の税務署税務署で納付する場合は、所轄の税務署に限ります。

・コンビニエンスストア納付税額が30万円以下の場合に限り、コンビニエンスストアで納付できます。通常の納付書ではなく、バーコード付きの納付書の送付を依頼しましょう。

納付方法2 電子納税を利用する

電子納税には、e-Taxによる簡単な操作で即日、または期日指定で指定口座から納付できる「ダイレクト納付」のほか、インターネットバンキングなどで納付する方法があります。
ダイレクト納付の場合、指定口座が利用できるようになるまでに1ヵ月ほど期間が必要であること、e-Taxが利用可能な時間が平日8時30分から24時に限られることにも注意しましょう。

納付方法3 クレジットカードを利用して納付する

国税クレジットカードお支払サイト」から、クレジットカードを利用して納付できます。国税庁が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)に、国税の納付の立替払いを委託することによって、法人税を納付する方法です。利用可能な金額は、1度の手続きにつき1,000万円未満、かつ利用するクレジットカードの決済可能額までの金額となります。
クレジットカード納付のメリットは、なんといってもインターネットで24時間、いつでも納付できることでしょう。法人カードを利用すれば、カード利用明細でお金の流れを把握しやすくなるため、経理処理の負担も軽減されます。また、手元に現金がない場合にも納付が可能なので、キャッシュフローの改善にも役立ちます。

申告期限は延長も可能。期限を守って納税を

法人税の納付で、何よりも気を付けなければならないのは納付期日です。決算日から2ヵ月という期限以内に書類の提出や納税ができなかった場合、たとえ1日の超過であっても、無申告加算税、重加算税、延滞税といった加算税が課せられたり、青色申告の承認が取り消されたりといったペナルティを受ける可能性があります。
確定申告期限を延長するには「定款で株主総会が決算日から3ヵ月以内と定められている」「決算日の翌日から45日以内に延長手続きを行っている」という2つの条件を満たす必要がありますが、定款を変更することもできますので、万が一の際は延長も視野に入れ、期限を守って納税するようにしましょう。

法人税の基本を押さえよう

複雑でわかりにくいという印象が強い法人税ですが、基本を押さえることができれば、それほど難しくありません。特性や目的によって課税される法人と、課税されない法人があり、種類と規模によって税率が決まるということを覚えておきましょう。また、納付方法も多様なので、利便性を考えて選択してみてください。

監修:Gemstone税理士法人
監修:Gemstone税理士法人

港区の会社設立支援、税理士法人。Big4出身の公認会計士、税理士、元上場企業経理部長、大手ベンチャーキャピタル出身者などで構成され、スタートアップ支援に力を入れる。

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