経理
売上高とは?利益との違いや損益分岐点について
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学卒業。税理士としてのキャリアは20年以上。税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、会計・税務を軸に複数の会社取締役・監査役にも従事。
【保有資格】CFP® 、税理士
税理士法人みらいサクセスパートナーズ
会社経営では事業の売上高がどれだけあるのか、常に確認することがとても大切です。そして、固定費や変動費と見比べて、黒字か赤字かを判断する「損益分岐点」を見極めることが重要です。
ここでは、売上高と損益分岐点を読み解く方法について解説します。
- 目次
- 売上高とは?
- 売上高と利益の違い
- 5種類の利益
- 損益分岐点とは?
- 損益計算書で売上高と固定費をチェック
- ビジネスカードを活用して会計業務をもっと楽に
- 売上管理や会計業務の効率化におすすめの三井住友カード
- 売上高をチェックして健全経営を!
- よくある質問
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売上高とは?
売上高とは、企業の主たる商品やサービスを提供することによって得られた売上の合計額です。単に「売上(うりあげ)」と呼ばれることもありますが、厳密には一定期間の合計額が売上高、個々の取引によるものが売上になります。
売上高は、企業会計における収益区分のひとつです。当然ながら、売上高が増えるほど会社の利益も増えるのが原則ですので、どの会社も売上高を増やすことに力を注ぎます。
売上高と利益の違い
売上高について考えるとき、注意しなければならないのが利益との違いです。
売上高は単純に「いくら売れたか」を表しますが、実際には商品を仕入れたり製造したりするためのコストがかかっています。利益とは売上高からコストを差し引いて「いくら儲かったか」を表します。
会社の財務体質を判断するときは、利益が大事な指標となりますが、売上高も非常に重要なウェイトを占めています。なぜなら、金融機関から融資を受ける際などには、利益とともに売上高の規模も大事な判断基準になるからです。
また、会社の事業フェーズによって、売上高と利益の位置付けは異なります。顧客を増やす段階であれば、売上高を上げることに力を注がなければなりません。一方、売上高は落ちてもコストカットをして利益を出さなければならないタイミングもあるでしょう。それぞれのフェーズによって、売上高と利益に対する考え方を改めていく必要が生じるかもしれません。
5種類の利益
一口に「利益」といっても、売上総利益(粗利益)のほか、営業利益、経常利益、当期純利益などがあります。どの利益までを考慮するかによって、経営の指標も異なります。それぞれの利益の名称ともに、その意味について確認していきましょう。
売上総利益(粗利益)
売上総利益は粗利益とも呼ばれ、売上高から商品の売上原価(製造業の場合は人件費を含む製造原価)を差し引いた利益のことです。この売上総利益で「本業での利益がどのくらいか」を測ることができます。
計算式で表すと、以下のようになります。
売上総利益(粗利益)=売上高-売上原価(製造原価)
例えば、売上原価が300円の商品を500円で販売したなら、売上総利益は200円と算出できます。
営業利益
営業利益は、売上総利益から売上原価以外の費用(販売費および一般管理費)を差し引いた利益のことです。販売費とは、商品を売るための販売・営業活動の費用(販売管理費や広告宣伝費など)を指します。一般管理費は会社管理のための費用(人件費や店舗の賃貸料、光熱費、消耗品費など)で、営業に直接関係のない経費を指します。
計算式で表すと、以下のようになります。
営業利益=売上総利益(粗利益)-(販売費+一般管理費)
例えば、利益50万円(売上高100万円-売上原価50万円)で、販売費・一般管理費の合計が30万円の場合、営業利益は20万円と算出できます。
営業利益は、多ければ多いほど「儲かっている」と判断できますが、逆に赤字の場合は「厳しい状況にある」とみなされます。
経常利益
経常利益とは、企業が事業全体で得た利益を指します。「経常」とは「コンスタント」という意味で、本業で得た利益である営業利益に、本業以外で得た利益(営業外収益)を足した企業全体の利益を表します。なお、営業外収益には受取利息や株の売却益なども含まれます。
計算式としては、以下のようになります。
経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
例えば、以下のようなケースでは経常利益をこのように算出できます。
売上高:1,000万円
売上原価:300万円
販売費・一般管理費:400万円
営業外収益:400万円
営業外費用:200万円
売上総利益(粗利益)700万円=売上高1,000万円-売上原価(製造原価)300万円
営業利益300万円=売上総利益(粗利益)700万円-(販売費・一般管理費400万円)
→経常利益500万円=営業利益300万円+営業外収益400万円-営業外費用200万円
税引前当期純利益
税引前当期純利益とは、法人税などの税金を支払う前の利益を指します。経常損益に、主な営業活動とは関連の低い臨時の出来事によって生じた特別利益(不動産の売却など)や特別損失(災害などによる損害など)を差し引いて求めます。なお、利益ではなく損失となる場合は「税引前当期純損失」といいます。
計算式としては、以下のようになります。
税引前当期純利益=経常利益(損失)+特別利益-特別損失
税引前当期純利益は、突発的な利益や損益を考慮した上での利益で、企業活動を通じて得た最終的な利益に近い値です。しかし、突発的な事情により、大きく変動します。企業の安定的な経営を考えるなら、最低でも3期分程度の税引前当期純利益を比較するのがおすすめです。
当期純利益
当期純利益とは、その企業で当期どれくらいの利益があったのかを表します。わかりやすくいうと、売上から税金や経費などのかかった費用をすべて引いた、企業が最終的に稼いだ利益です。具体的には、税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)から、法人税・住民税・事業税を引いたもので、以下の計算式で求めることができます。
当期純利益=税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)-法人税-法人住民税-法人事業税
この当期純利益は、従業員の賞与をどれくらい出せるかといった指標にもなりますので、チェックしておくとよいかもしれません。
損益分岐点とは?
売上高と利益の関係性を見ながら、黒字となるか赤字となるかを判断できるのが「損益分岐点」です。損益分岐点は、売上高と費用がイコールの状態を示します。黒字ではない代わりに赤字でもないという境界点です。つまり、借入金などがない限り、売上が損益分岐点に達していれば、利益は出ていなくとも現状は維持できる状態にあるということになります。
損益分岐点を導き出すためには、まず費用を「固定費」と「変動費」に分けなくてはなりません。固定費とは、人件費や保険料、オフィスの家賃、減価償却費など、常に一定額が発生する費用のことです。これに対して変動費とは、仕入原価や原材料費、製造・加工にかかる水道光熱費、消耗品費、支払手数料など、売上高に比例して増える費用を指します。
損益分岐点は、この総費用と売上高をグラフに表したときに交差する点です。売上高と費用がイコールになる点ですから、「最低でもクリアしなければならない売上高の目標額」でもあります。
最低でもクリアしなければならない売上高の具体的な計算方法
損益分岐点となる売上高を求める計算式を用いれば、事業が赤字か黒字かを判断できます。損益分岐点は売上高(利益)と総費用(変動費+固定費)がイコール(0)になる点だと考えれば、以下のような算式となります。
利益(0)=売上高-総費用(変動費+固定費)
この算式を置き換えると「固定費=売上高-変動費」となります。また、売上高から変動費を差し引いたものを「限界利益」といい、これを前述の式に入れますと「固定費=限界利益」となります。つまり利益が0であれば、「固定費=限界利益」となります。
限界利益の数式としては「限界利益=売上高×限界利益率(売上高の中で、限界利益が占める割合のこと)」で示すことができます。利益が0でれば「固定費=限界利益」となることから「固定費=売上高×限界利益率」と示すことができます。この式を損益分岐点売上高の計算しやすく置き換えると、以下のような算式となります。
損益分岐点売上高=固定費÷(1-(変動費÷売上高))
損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率※)
変動費率(売上高の中で、変動費が占める割合のこと)=変動費÷売上高×100%
例えば、100万円で販売する商品を50万円で仕入れ、賃料20万円の店舗を借りた場合、損益分岐点売上高を考えてみましょう。なお、ここではそれ以外の費用はかからないこととします。
売上高:100万円
変動費:50万円
固定費:20万円
変動率=変動費50万円÷売上高100万円×100=50%
損益分岐点売上高=固定費20万円÷(1-変動費率0.5)=40万円
つまり40万円が損益分岐点売上高となります。最低40万円の売上高を達成できれば、赤字にならないということが導き出せます。
損益計算書で売上高と固定費をチェック
売上高は、会社の経営成績を表す財務諸表のひとつである「損益計算書」において、一番上に記載されています。損益計算書はP/L(Profit and Loss Statement)とも呼ばれ、ある一定の会計期間における会社の経営成績を表す、いわば会社の成績表のようなものです。自社の売上高と利益を把握するための書類であり、企業の財務体質や収益性などを判断する上で非常に重要な役割を果たします。
損益計算書の費用から固定費を抽出してみましょう。損益計算書の販売費および一般管理費から人件費、家賃、減価償却費、保険料などを抽出して、固定費として集計してみます。
■収益計算書の項目 (〇〇〇=金額)
損益計算書 | |
売上高 売上原価 |
〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
売上総利益 | |
販売費及び一般管理費 | 〇 〇 〇 |
営業利益 | 〇 〇 〇 |
営業外費用 | 〇 〇 〇 |
経常利益 | 〇 〇 〇 |
特別利益 特別損失 |
〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
税引前当期純利益 | 〇 〇 〇 |
法人税等 | 〇 〇 〇 |
当期純利益 | 〇 〇 〇 |
損益計算書では、売上高、売上原価、売上総利益が記載されています。売上高から売上原価を引くと、売上総利益が算出できます。
先述したとおり、売上総利益(粗利益)は、すべての利益の大元です。売上原価を低く抑えることができれば、売上総利益が大きくなり、会社の収益性が高まります。それゆえに売上高を伸ばすとともに、売上原価を抑えることが重要になります。反対に売上総利益が小さいと、売上原価が高すぎて、儲けを減らしている可能性があります。
なお、業態によって、売上総利益を高くしやすい業態としにくい業態があります。製造業であれば、売上原価を抑えることができるので、売上総利益が高くなります。小売業であれば、仕入れコストがかかり売上原価が高くなるので、売上総利益が低くなる傾向があります。
損益計算書で会社の収益構造を明らかにし、損益分岐点を活用して、正しい事業プランを組み立てられるようにしましょう。
ビジネスカードを活用して会計業務をもっと楽に
売上がなければ企業は存続できませんし、価値提供できていないことになります。
損益分岐点や損益計算書を正しく読み取ることができれば、「会社が一定の期間内にどのくらいお金を使っていくら稼ぎ、手元にいくら残ったか」を把握することができます。売上高を基本にしながら、企業の状況を把握していきましょう。
売上高を把握するには、日々の売上管理が大切です。法人用のクレジットカードなら利用明細で売上をわかりやすく確認することができます。
売上管理や会計業務の効率化におすすめの三井住友カード
日々の売上を管理し、会計業務を効率化するためには、法人カードを活用することをおすすめします。「三井住友カード ビジネスオーナーズ」は高校生を除く満18歳以上の法人代表者、個人事業主(副業・フリーランスを含む)の方向けの法人カードで、一般カードとゴールドカードの2種類があります。ベンチャーやスモールビジネスシーンに必要な入金管理の一元化といった法人カード機能とともに、ビジネスユースでのご利用もお得になるポイント還元や年会費無料などの特典(ゴールドは条件あり)も付帯します。
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売上高は企業経営の重要な指標です。そして、黒字か赤字かを見極めるために損益分岐点をチェックして、経営状況を把握しましょう。法人用のクレジットカードを活用すれば、会計業務ももっと楽になり、健全な経営を目指せるでしょう。
よくある質問
Q1.売上と売上高はどう違いますか?
売上高とは、企業の主たる商品やサービスを提供することによって得られた売上の合計額です。単に「売上(うりあげ)」と呼ばれることもあります。ただし、厳密には一定期間の合計額が「売上高」、個々の取引によるものが「売上」です。
詳しくは以下をご確認ください。
売上高とは?
Q2.売上高と利益の違いは何ですか?
「売上高」は、単純に「いくら売れたか」を表します。それに対して「利益」は、仕入れコストなどを差し引いて「いくら儲かったか」を表します。「利益」も大事ですが、「売上高」も非常に重要です。融資を受ける際は売上規模が判断基準にもなるからです。
詳しくは以下をご確認ください。
売上高と利益の違い
Q3.売上管理をもっと楽にする方法はありますか?
売上高を把握するには、日々の売上管理が大切です。法人用のクレジットカードを作って売上管理を一本化すれば、経理を効率化できます。利用明細を見れば、売上高をわかりやすく確認することができます。
詳しくは以下をご確認ください。
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