融資の基礎知識
フリーローンとは?審査や金利、借り換え、カードローンとの違い
お金を借りる際に便利な「カードローン」というサービスがありますが、「フリーローン」という言葉はご存じでしょうか。カードローンとフリーローンは似たような言葉ですが、いったい何が違うのでしょうか。
実は、どちらもお金を借りるサービスではあるものの、借入方法や融資のスピードなどに違いがあるのです。
この記事では借入金の用途別に、どちらを利用するほうが良いかをピックアップして解説します。後悔しないよう、それぞれの特徴を事前に確認しておきましょう。
- 目次
フリーローンとは?
フリーローンとは、借入金の使い道に制限がない個人向けローンのことです。
個人向けのローンとしては、住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどがありますが、これらはすべて特定の目的だけに使えるものです。
一方、フリーローンは原則として使い道が自由で、幅広い用途に利用できます。
ただし、基本的に事業目的や投資目的でお借り入れすることはできません。
フリーローンのメリット
フリーローンのメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 借入金の使い道に制限がない借入金の使い道に制限がないので、医療費や旅費、引越しの費用、冠婚葬祭の費用など、目的別のローン商品がないケースでも利用できます。
なお、カードローンも使い道に制限はありません。 - 金利が低めフリーローンの金利は2.0~15.0%程で、ほかの目的を限定しない個人向け融資サービスと比べて低めに設定されています。
- 返済管理の負担が少ないフリーローンは、お借り入れをした後は月々返済していくスタイルなので、返済管理の負担が少ないです。
カードローンも同様に、毎月定額を返済していきますので、返済の管理はしやすくなっています。
フリーローンのデメリット
一方、フリーローンのデメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 追加の借り入れができないフリーローンのお借り入れは1回のみです。追加で借り入れたい場合は再度申し込みを行い、もう一度審査を受ける必要があります。
- 融資に条件がつく場合があるフリーローンは用途自由ですが、借り入れ時に用途の申告を求められることがあります。また、ローンを提供する金融機関や審査の内容によっては、連帯保証人等を求められる場合があります。
- 融資スピードが遅いフリーローンは融資されるまでやや時間がかかる傾向があり、即日お金が必要など急いでいる場合には向きません。
フリーローンの特徴とカードローンと異なる4つのポイント
フリーローンと同じように、借入金の使い道が自由な個人向けローンとしては、カードローンも広く知られています。
使い道の面では同じようなサービスに見えるフリーローンとカードローンですが、異なるポイントが4つあります。
1 サービスを取り扱う会社・業者
フリーローンは、主に銀行で取り扱われているサービスです。銀行のほかには、一部の信販・クレジット会社でもサービスを提供しているところがあります。
カードローンは、銀行のほか信販会社やクレジットカード会社、消費者金融業者などがサービスを提供しています。
2 お借り入れできる回数や用途、審査について
フリーローンの場合は、一度の契約でのお借り入れは1回のみです。
使い道は自由であるものの、「何に使用するのか」を申告しなければいけないケースもあります。このほか、追加でお借り入れしたい場合は、改めて申し込みのうえで審査を受ける必要があります。
その分の手間や時間がかかりますし、以前に一度利用したからといって、審査にかかる時間や融資までのスピードが早くなるわけではありません。
カードローンの場合は、契約時に必ず借入限度額(利用可能枠)が設定されます。この借入限度額内であれば、お借り入れはいつでも何度でもできます。もし、借入限度額が100万円だったとすると、「20万円ずつ5回お借り入れする」「10万円ずつ10回お借り入れする」など、利用者自身が自由に使うことができます。
また、返済すればその分は残りの利用可能額が増えるので、返済した分を再びお借り入れすることも可能です。
使い道は自由で、用途を申告する必要も、限度額の範囲内でお借り入れする場合であれば、審査の必要もありません。
3 借入金の返済期間について
フリーローンの場合は、サービスを提供する会社によって長さは異なりますが、「返済期間は最長10年まで」など、返済期間が設けられている場合があります。
カードローンの場合は、借入金に対して決まったご返済額を毎月支払っていくだけですので、いつまでに返済を終えなければならないという、完済までの期間を定めた「返済期間」はありません。
4 借入金の管理のしやすさ
フリーローンのお借り入れは1回のみのため、返済スケジュールが立てやすいという特徴があります。
カードローンは、利用限度額の範囲内であればいつでも何度でもお借り入れができます。その反面、使い方によっては「今いくら借りているのか、わからなくなってしまった」「返済が滞ってしまいそう」といった声も中にはあります。
ただし、これはあくまで使う人次第です。カードローンも、借入残高をきちんと把握しながら利用すれば、管理がしやすいサービスといえます。
■フリーローンとカードローンの違い
フリーローン | カードローン | |
---|---|---|
取扱業者 |
・銀行 ・信販、クレジット会社 など |
・銀行 ・信販、クレジット会社 ・消費者金融業者 など |
借入可能回数 | 1回 | 借入限度額内なら何回でも |
返済期間の有無 | あり | なし |
用途の制限 |
・事業資金、投資や投機の資金は不可 ・用途を申告しなければならない場合がある |
用途は問わない 事業資金、投資・投機目的でも利用できる場合がある |
借入金の管理のしやすさ | お借り入れは1回のみのため、返済スケジュールが立てやすい | 複数回お借り入れを繰り返すとわかりづらくなる場合があるが、残高照会や返済額の確認はいつでもできるため、管理はしやすい |
こんな人はどちらがおすすめ?タイプ別ローンの選び方
ローンを検討している人は、カードローンとフリーローン、どちらが適しているのか迷ってしまうかもしれません。そこで、ケース別にどちらのローンがおすすめなのかを、その理由と併せてご紹介します。
「借り過ぎてしまうかも」という不安がある人→フリーローンがおすすめ
カードローンは、借入限度額の範囲内であれば、いつでも何度でもお借り入れすることができます。利便性は高いですが、「つい借り過ぎてしまった」という人も中にはいます。
収支の管理に自信が持てない場合、フリーローンを選択するほうが良いかもしれません。
なるべく金利を抑えたい人→フリーローンがおすすめ
一般的に、フリーローンはカードローンに比べて金利が低い傾向があります。
利用状況によって変わりますので一概にはいえませんが、「お借り入れは1回で済ませ、決められた金額を毎月返済していきたい」「返済総額をなるべく抑えたい」という人は、フリーローンのほうが向いているといえます。
すぐにでもお借り入れしたい人→カードローンがおすすめ
申し込みからお借り入れまでのスピードは、フリーローンよりもカードローンのほうが早い傾向があります。
カードローンは、「最短で即日融資も可能」なSMBCモビットなど、お借り入れまでのスピードもサービスの一環として重視しています。
「とにかく早くお金を借りたい」という人は、カードローンのほうが良いでしょう。ただし、審査の基準は会社によって異なります。必ずしも審査に通るとは限りませんのでご注意ください。
柔軟に対応するため、何度もお借り入れしたい人→カードローンがおすすめ
フリーローンのお借り入れは1回のみで、何度もお借り入れできるわけではありません。
一方、カードローンは、最初に契約をすれば借入限度額内で何度でもお借り入れできます。
従って、急な出費が必要になったときなど、柔軟に対応できるというメリットがあります。
「さまざまな出費に対応するため、細かく何度もお金を借りたい」という人は、カードローンを選びましょう。
冠婚葬祭や旅行などではどちらがおすすめ?使用目的別ローンの選び方
カードローンとフリーローンのどちらが適しているかは、融資スピード、お借り入れを希望する回数、金利、管理のしやすさといった要素のうち、どれを重視するかによって変わります。
判断に迷ったときは、一番優先したいのは何かを考えることがポイントです。ここでは、使用目的別にどちらのローンがおすすめなのかを見ていきましょう。
結婚式のご祝儀を用意する→カードローン
結婚式は、短期間に続けて別の友人や同僚に招待されることもありますので、何回でもお借り入れができるカードローンがおすすめです。
フリーローンは少額のお借り入れはできない場合もあるので、この点でもカードローンがぴったりといえます。
住替えや引越し費用を用意する→フリーローン
住替えや引越し費用の準備にはフリーローンが向いています。数ヵ月前から日程が決まっていれば時間的余裕があり、ある程度まとまった額が必要になると考えられるからです。
なお、急な引越しで引越し費用だけでも準備したい場合は、カードローンが向いているといえます。
資格を取得するための教材費用を用意する→カードローン
資格取得のための支出には、カードローンが向いています。少額からお借り入れが可能で、思い立ったときに比較的すぐにお借り入れができることがおすすめの理由です。
カードローンやフリーローンを借り換えやおまとめに利用
カードローンやフリーローンは、現在借りているローンより低金利のローンに乗り換える、「借り換え」にも利用できます。
ローンの返済自体は続きますが、元のローンより低金利のローンになったことで、月々の返済額や総返済額を抑えられるメリットがあるのです。
また、ローンの借り換えと似て非なるものとして「おまとめ」があります。おまとめとは、返済の効率化を図るために、複数のローンをひとつにまとめることです。おまとめも、カードローン、フリーローンともに利用できます。
おもなメリットは、より金利の低いローンにまとめることで月々の返済額や総返済額を抑えられることと、バラバラだった返済日や返却金額がまとまることで、返済管理がしやすくなることの2つです。
なお、複数のローンがある場合、借り換えとおまとめ、どちらがより支払いの負担が小さくなるのかは、状況によって異なります。各ローンの金利や毎月の返済額、返済管理を考えて、自分に合った方法を選びましょう。
借り換えとおまとめの特徴をまとめると、下記のようになります。
■借り換えとおまとめの特徴
借り換え | おまとめ | |
---|---|---|
現在返済中のローンをより好条件のローンに乗り換えること | 複数のローンを1本のローンにまとめること | |
目的 | 返済の負担を小さくする | 返済の効率化を図る |
方法 |
1.現在返済中のローンより好条件のローンを借りて、元のローンを一括返済する 2.以後は、新しく借りたローンを返済する |
1.現在借りている複数のローンを別個に返済するより好条件なローンで、複数のローンをすべて返済できるだけの金額を借りる 2.複数のローンをそれぞれ一括返済する 3.以後は、新しく借りたローンを返済する |
おもなメリット | ローンの金利が下がった分だけ総返済額が小さくなる、または月々の返済負担が小さくなる |
・ローンの金利が下がった分総返済額が小さくなる、または月々の返済負担が小さくなる ・返済管理がしやすくなる |
注意点 |
・月々の返済負担を小さくすることのみを優先すると、総返済額は増える可能性がある ・新しくローンを申し込むことになるため、審査が必要 |
使用目的や条件に合わせて、最適なローンを選ぼう
フリーローンとカードローンの違いと、使い分け方について解説してきました。
フリーローンは返済の管理がしやすい反面、お借り入れは1回のみ。一方、カードローンは、必要なときに何度でもお借り入れできるというメリットがあります。
ただし、それぞれに一長一短あるため、一概にどちらが良いといえるものではありません。
使用目的や借入金額、返済スケジュールなど、ご自身の状況と照らし合わせつつ、最適なローンを選びましょう。
よくある質問
Q1:フリーローンとカードローンの違いは?
フリーローンとカードローンの主な違いは下記のとおりです。
- フリーローン
借入可能回数:1回
返済期間:あり
用途の制限:事業資金、投資や投機の資金としては利用できない
- カードローン
借入可能回数:(借入限度額内なら)何回でも可
返済期間:なし
用途の制限:なし(事業資金、投資や投機目的でも利用できる場合がある)
Q2:カードローンとフリーローンどちらを選べばいいのかわかりません
カードローンとフリーローン、どちらが適しているのか迷ってしまった場合は、下記を参考にしてみてください。
- すぐにでもお借り入れをしたい、必要なときに何度もお借り入れをしたい:カードローンがおすすめ
- なるべく金利を抑えたい、借りすぎてしまう不安がある:フリーローンがおすすめ
Q3:カードローンよりフリーローンのほうが、金利は低いの?
利用状況によって変わりますので一概にはいえませんが、一般的にフリーローンは、カードローンに比べて金利が低い傾向があります。
モビットカードローン貸付条件
利率(実質年率) | 3.0%~18.0% |
---|---|
ご利用枠 | 800万円 |
遅延損害金 | 年20.0% |
担保・保証人 | 不要 |
ご返済方法 | 借入後残高スライド元利定額返済方式 |
ご返済期間・回数 |
最長60回(5年)ただし、返済能力その他の事情にかんがみ、 合理的な理由があると当社が認めた場合には、最長106回(8年10ヵ月) |
利率 (実質年率) |
3.0%~18.0% |
---|---|
資金使途 | 自由 |
ご利用枠 | 800万円 |
遅延損害金 | 年20.0% |
担保・保証人 | 不要 |
ご返済方法 | 借入後残高スライド元利定額返済方式 |
ご返済期間・回数 | 最長60回(5年)ただし、返済能力その他の事情にかんがみ、合理的な理由があると弊社が認めた場合には、最長106回(8年10ヵ月) |
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