借り換え・活用法
おまとめローンとは?カードローン一本化のメリット・デメリット

カードローンを複数のカード会社や消費者金融業者からお借り入れをしている場合、それらを一本化して管理を楽にしたいものです。「おまとめローン」目的でカードローンは使えるのか、おまとめのメリット・デメリットについてご紹介します。
- 目次
おまとめローンとは数社からのお借り入れを一本化すること
複数の会社のローンを利用していた人が、借入先を一本化することを、一般的には「おまとめローン」または「おまとめ」と呼びます。具体的には、1つのカード会社や金融機関から融資を受け、他社分すべてを精算し、1社にまとめます。
おまとめの方法としては、通常のカードローンをおまとめ目的として利用する方法と、おまとめを目的とした専門商品を利用する方法の2パターンがあります。
三井住友カードのカードローンをおまとめ目的として利用した場合を例に説明します。
■おまとめのイメージ

(1)A社、B社、C社からお借り入れしている合計金額を三井住友カードの「カードローン」から新たにお借り入れする
(2)A社、B社、C社にそれぞれ一括返済する
(3)三井住友カードの「カードローン」にのみ、毎月返済を行う
三井住友カードのカードローンを利用した「おまとめ」とは?
実際、カードローンを利用しておまとめをする際には、どのような手順で行えばいいのでしょうか。
まずは、複数社からお借り入れをしている、借入残高を確認します。その合計金額が、新たにお借り入れをする三井住友カードの「カードローン」の希望借入額になります。審査を通過し、希望額をお借り入れできたら、借入先の各社へ一括返済をしましょう。
これで、借入先が三井住友カードの1社のみとなり、あとは「カードローン」の返済を毎月行うだけで良くなります。
なお、貸金業法では「貸金業者は借り手の年収の3分の1を超える貸し付けをしてはいけない」というルール(総量規制)が設けられています。このため、借り手は年収の3分の1を超えるお借り入れはできないのが原則です。おまとめ専用商品ではない三井住友カードの「カードローン」を利用しておまとめをする場合は、総量規制の対象となるので注意が必要です(おまとめ専用商品の場合は例外貸付となり、総量規制の対象にはなりません)。
■三井住友カードのカードローンでおまとめした場合の例

「おまとめ」と「借り換え」との違い

おまとめと混同しやすい用語に、「借り換え」があります。
借り換えとは、借入先の業者を変更することです。A社からの借入額をB社からお借り入れし、まずはA社を完済します。そして、借入先をB社に変更するというのが「借り換え」です。一般的に、「借り換えローン」などの商品は、これまでお借り入れしていた業者よりも金利が下がるものを指します。
おまとめは、複数社のお借り入れを1社にとりまとめてしまうことです。例えば、A、B、Cの3社からの借入額の合計金額を、ほかのD社からお借り入れします。そして、3社のお借り入れを完済してD社のみにとりまとめます。
おまとめも借り換えも、「金利が低くなるほうに借り換える」という点では同じですので、サービスを提供する業者によっては、同じ意味で用語を使用している場合があります。
おまとめのメリット
複数社からのお借り入れを1社にまとめる「おまとめ」には、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。借入先をひとつにすることで、得られるメリットを3つご紹介します。
低金利ローンへの一本化で、金利を低くすることも!

おまとめは、借入額にもよりますが、一本化することで金利が低くなり、最終的に支払う利息が少なくなる場合があります。
通常、カードローンの金利は、借入金が大きくなるほど下がるという傾向があるため、まとめて大きな金額をお借り入れすることで、金利が下がるのです。
ただし、金利は会社によってさまざまですし、現時点での借入状況によっても大きく異なりますので、金利などの条件を見ながら、まずはおまとめを検討している会社に相談してみるといいでしょう。
月に何度もあったローンの返済が1回だけに!
お借り入れの管理が楽になるということも、おまとめのメリットです。
カード会社などの貸金業者や金融機関のカードローン、クレジットカードのキャッシング……。手軽にお借り入れができるこれらの方法は、便利ではありますが、安易にお借り入れを重ねていくと、面倒なことが起こります。
借入先が複数あると、それぞれの金利がバラバラで、返済期日も異なるため、「今月は、どこにいくら返済すればいいんだっけ?」ということが起こり、マネープランの管理が煩雑になるのです。
しかし、ひとつの金融機関から新たにお金をお借り入れし、複数のお借り入れを精算してしまえば、管理がグッと楽になります。
信用情報の整理ができる
おまとめの3つ目のメリットは、信用情報を整理できることです。
個人の借入状況といったお金に関する情報は、信用情報機関に記録されています。信用情報機関とは、クレジットやローンなど、信用取引に関する個人の情報(信用情報)を管理している専門機関のことです。ローンなどのお申し込み時の審査では、この信用情報機関に、申込者の借入状況に関する信用情報の照会が行われています。
複数の業者からお借り入れをして、万一、返済できない状態にあると「多重債務者」とみなされ、住宅ローンや教育ローンといった、ライフイベントに関わるローンの申し込みに影響を与えてしまう可能性があります。
おまとめをすることで、多重債務者となるリスクを避けることができ、1社からのお借り入れのみに整理することができるのです。
おまとめのデメリット
数社からのお借り入れをひとまとめにできる「おまとめ」は、良いことづくしに思えますが、注意したい点もあります。知っておきたいおまとめのデメリットを紹介します。
多重債務状態では金利が下がらない可能性がある
お借り入れを一本化することで金利が低くなるのは、元のローンと新しく契約するおまとめローンのあいだに金利差があるからです。元契約のローンの金利のほうが低かったり、あまり変わらなかったりした場合は、期待したほど金利が下がらないことや、金利が上がってしまうこともあります。
総支払額が多くなる可能性がある
借入先が1つになることで、借入先が複数あったときよりも毎月の返済額を減らすことが可能です。しかし、毎月の返済額をあまり低く設定しすぎると、最終的な支払総額が元の複数契約よりも多くなってしまう可能性があります。
おまとめの目的が「支払総額を減らすこと」であれば、支払総額が元の契約よりも大きくならないように毎月の返済額を調整します。目的が「少しでも毎月の負担額を減らしたい」のであれば、多少、支払総額が大きくなったとしても、無理のない返済額を設定するのが良いでしょう。
おまとめ専用商品を使用した「おまとめ」とは?
銀行や消費者金融などにも「おまとめローン」と銘打っている専用商品が用意されていることがあります。このうち、カード会社や消費者金融などが提供する専門商品は、貸金業者に対する規制などを定めた法律である「貸金業法」の規定に基づいて提供されているものを指します。
通常、貸金業者が個人に貸付をするときは年収の3分の1以内におさめる「総量規制」というルールがあります。このルールには例外があり、「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるもの」は総量規制の対象にはなりません。たとえ借入額が年収の3分の1を超えていても、ローンを組むことができる場合があるのです。これを「例外貸付」と呼びます。
複数の貸金業者や銀行からのお借り入れを1社にまとめることは、「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるもの」とされているため例外貸付にあたり、たとえローンをまとめた借入残高が年収の3分の1を超えていても、おまとめが可能となっています。

なお、貸金業者と銀行で扱いが異なるのは、銀行は貸金業者には含まれないためです。カードローンの提供会社である銀行、信販・クレジット会社、消費者金融のうち、貸金業者に含まれるのは、信販・クレジット会社と消費者金融のみです。銀行は貸金業者ではなく、貸金業法の規制対象でもないので、一部の銀行が提供するおまとめ専用商品は貸金業法とは関係ありません。
おまとめ専用商品の注意点
おまとめローンの専用商品には、注意しておきたいポイントがいくつかあります。
おまとめ専用商品の金利が通常ローンより必ず低金利とは限らない
おまとめ専用商品を使って借り換えをすれば基本的に今借りている金利よりも低金利になりますが、A社のおまとめ専用商品よりも、B社の通常のカードローンのほうが、金利が安いというケースは存在します。
おまとめ専用商品が一番お得と決めつけず、通常のカードローンによるおまとめの利用も比較・検討しましょう。
追加のお借り入れは可能か?利用条件もチェックしよう
おまとめローンへのお借り入れを一本化した後、さらに追加融資を希望する場合もあるでしょう。ところが、おまとめ専用商品の中には、「追加のお借り入れはNG」というものもあるのです。これでは、いざというときに身動きができなくなってしまいます。
おまとめ専用商品以外でも、低金利でおまとめ目的で使用できるカードローンなどもあります。追加のお借り入れも自由にでき、使い勝手が良い商品もありますので、利用条件をチェックしてみましょう。
おまとめローンをうたった詐欺に注意
悪質業者の中には、おまとめローンをうたった詐欺を働いているところもあります。
おまとめローンを申し込んだところ、このような要求をされたら、すべて詐欺です。
- 調査料や保証金の支払いを先に要求された
- 利息分の支払いを先に要求された
- クレジットカードやキャッシュカードを送るように要求された など
うっかり要求に応じてしまうと、ローンが利用できないのはもちろん、金銭的な被害が出てしまいます。
おまとめローンを利用する際は、ダイレクトメールや電話で案内のあった業者は避け、自分で情報を集めた上で信用できる業者を選びましょう。
おまとめにも利用できるカードローンの特徴とは?
カードローンは、サービスを提供する業者によって、主に「信販・クレジット系」「銀行系」「消費者金融系」の3つに分けられます。どのカードローンであっても、審査に通過すれば、おまとめに利用することが可能です。
また、「おまとめローン」などの名称でおまとめ専用商品を提供している場合もありますので、チェックしてみましょう。
■3種類のカードローンの特徴
信販・クレジット系 (三井住友カードの場合) |
銀行系 | 消費者金融系 | |
---|---|---|---|
業態 | 貸金業者 | 金融機関 | 貸金業者 |
融資までの速さ | 最短当日 | 最短翌営業日 | 最短当日 |
金利 | 「カードローン」1.5%~15.0% 「カードローン(振込専用)」1.5%~14.4% |
1.5%~14.5%前後 | 3.0%~18.0% |
借入限度額 | 900万円 | 800万円前後 | 800万円前後 |
返済方法 | 口座振替 提携ATM 振込み |
口座振替 提携ATM 振込み |
口座振替 提携ATM 振込み |
信販・クレジット系 (三井住友カードの場合) |
|
---|---|
業態 | 貸金業者 |
融資までの速さ | 最短当日 |
金利 | 「カードローン」1.5%~15.0% 「カードローン(振込専用)」1.5%~14.4% |
借入限度額 | 900万円 |
返済方法 | 口座振替 提携ATM 振込み |
銀行系 | |
業態 | 金融機関 |
融資までの速さ | 最短翌営業日 |
金利 | 1.5%~14.5%前後 |
借入限度額 | 800万円前後 |
返済方法 | 口座振替 提携ATM 振込み |
消費者金融系 | |
業態 | 貸金業者 |
融資までの速さ | 最短当日 |
金利 | 3.0%~18.0% |
借入限度額 | 800万円前後 |
返済方法 | 口座振替 提携ATM 振込み |
信販・クレジット系カードローンの特徴
信販・クレジット系とは、信販会社やクレジットカード会社が提供するカードローンです。おまとめ専用商品を扱う業者もありますが、サービス内容は一般的なカードローンとほぼ同じ場合が多くなっています。
信販・クレジット系の中で、三井住友カードの「カードローン」「カードローン(振込専用)」は、最短当日に融資が可能です。金利は「カードローン(振込専用)」であれば最大でも14.4%と低めで、借入限度額は900万円と大きいのが特徴です。
消費者金融系の特徴といえる融資のスピード感と、銀行系に迫る低金利というハイブリッドな特徴を備えた点が魅力といえるでしょう。
銀行系カードローンの特徴
銀行系とは、金融機関である銀行がサービスを提供しているカードローンです。
最大の特徴は金利が低めである点です。一般的なカードローンであれば最大金利が14.5%前後で、おまとめ専用商品であれば、最大金利12.5%という金融機関もあります。
ただし、融資スピードは遅めで、お申し込みから審査、そして融資されるまで数日かかる場合が一般的です。また、銀行の口座を開設しなければならない場合もあります。
消費者金融系カードローンの特徴
消費者金融系とは、消費者金融業者が提供するカードローンのことです。中には、おまとめ専用商品のみを扱う消費者金融業者もあります。
最大の特徴は融資スピードの速さです。お申し込みから審査、そして融資まで最短30分という場合もあり、多くは即日融資に対応しています。また、30日間無利息といった独自のサービスを提供している業者もあり、比較的利用しやすいのもポイントです。
しかし、利便性が高い分、金利は高めで、最大18.0%と設定している業者が多くを占めています。
幅広い選択肢の中から、自分に合った商品を
おまとめ専用商品は、有効活用できればとても便利です。ですから、多くの会社がおまとめ専用商品を用意しています。
しかし、「便利な商品と聞いたから」と、あまり会社や商品を検討せずに選んだ結果、結果的に総支払額が大きくなったり、追加のお借り入れができなかったりと、思いがけないことが起こることもあります。そのようなことのないよう、多くの商品を比較検討して、あなたに合ったおまとめの形式を選ぶようにしてください。
よくある質問
Q1:おまとめローンとは何ですか?
複数の会社からお借り入れしているローンを、1社に一本化してまとめることです。「おまとめローン」と呼ばれることが多いですが、単純に「おまとめ」とも呼ばれます。
通常のカードローンを利用したおまとめもあれば、専用商品を利用しておまとめをすることも可能です。
通常、貸金業者からのお借り入れは「年収の3分の1を超えるお借り入れはできない」と定める総量規制の対象になります。しかし、おまとめ専用商品として用意されている「おまとめローン」などは貸金業法施行規則により、例外として総量規制の対象とはなっていないため、たとえ借入総額が収入の3分の1を超えていても、審査によりお借り入れができる場合があります。
Q2:おまとめローンのメリットは?
代表的なメリットは、ローンの管理が楽になることと、金利を下げられることです。
複数の会社からお借り入れがある状態では、返済期限の管理や金利の把握も簡単ではありません。1本にまとめれば、「いつ、いくら返済すれば良いか」がわかりやすくなり、家計管理が楽になります。
また、カードローンの金利は借入金額が大きくなるほど下がる傾向がありますので、まとめて大きな金額をお借り入れすることで、金利を下げられる可能性が高まります。
Q3:おまとめローンのデメリットは?
多重債務状態では思ったほど金利が下がらない可能性があることと、過払い金がある場合、返還請求をする機会を逃してしまうことが挙げられます。
また、おまとめ専用商品は追加のお借り入れができないものがほとんどです。今後もお借り入れを予定している場合には不向きですので、条件をしっかり確認しましょう。
Q4:おまとめローンを利用する場合の注意点は?
カードローンの金利設定は提供会社によって違うので、おまとめをすれば必ず金利が下がるわけではありません。各社の金利をよく見比べる必要がありますし、一部「追加のお借り入れはNG」としている会社もありますので、チェックが必要です。
また、おまとめローンをうたった詐欺も発生しています。ローンを申し込むと、最初に利息の支払いを求められたり、手数料や調査料などの名目で費用の支払いを求められたり、クレジットカードやキャッシュカードを送るように要求されたりするのはすべて詐欺です。うっかりだまされないようにしましょう。
三井住友カード カードローン・カードローン(振込専用)貸付条件
カード名 | ||
---|---|---|
利率(実質年率) | 1.5%~15.0% | 1.5%~14.4% |
資金使途 | 自由 | |
ご利用枠 | 900万円まで | |
遅延損害金 | 年20.0% | |
担保・保証人 | 不要 | |
ご返済方法 | 元金定額返済 | |
ご返済期間・回数 |
最長15年1ヵ月・181回(新規ご契約ご利用枠900万円、実質年率1.5%、毎月ご返済額5万円、900万円をご利用の場合)
ご返済期間・回数はご利用内容によって異なります。 |
カード名 |
三井住友カード カードローン |
---|---|
利率 (実質年率) |
1.5%~15.0% |
1.5%~14.4% | |
資金使途 | 自由 |
ご利用枠 | 900万円まで |
遅延損害金 | 年20.0% |
担保・保証人 | 不要 |
ご返済方法 | 元金定額返済 |
ご返済期間・回数 |
最長15年1ヵ月・181回(新規ご契約ご利用枠900万円、実質年率1.5%、毎月ご返済額5万円、900万円をご利用の場合)
ご返済期間・回数はご利用内容によって異なります。 |
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