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2020年6月30日

コロナ影響下の消費行動レポート 第2弾

〜高まるデジタルシフトの重要性と応援消費に象徴される消費の価値観変化〜

三井住友カード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大西 幸彦、以下:三井住友カード)は、保有するキャッシュレスデータ(注1)を、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を用いて集計し、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした消費行動の変化を、株式会社顧客時間(本社:大阪府大阪市、共同CEO 代表取締役:岩井 琢磨・共同CEO 取締役:奥谷 孝司、以下:顧客時間)と共同で分析いたしました。
前回のレポート(注2)では、外出自粛要請や緊急事態宣言の影響により決済件数や決済金額が減少する中、巣ごもり消費の顕在化、買物の質の移り変わり、高年齢層のデジタルシフトの兆候などをお伝えしました。
第2弾となる今回のレポートでは、前回同様に顧客を軸に、販売チャネル比較や特筆すべき業種に焦点を当てる形で、主に緊急事態宣言解除前後の消費行動推移に着目しました。
三井住友カードでは、今後も様々な角度から新型コロナウイルスによる経済への影響を分析し、様々な事業者の皆様及び社会に対して、世代、地域、業種などの各視点から見出せる顧客行動の変化を示してまいります。

  • ※1 三井住友カードが保有するクレジットカード等による取引等に関する統計データ
  • ※2 前回レポート「コロナ影響下の消費行動レポート〜高年齢層のECサイト活用加速と変化する巣籠消費〜」は下記URLをご参照ください
    https://www.smbc-card.com/company/news/news0001527.jsp
  • ・三井住友カード株式会社が発行するクレジットカードのデータを個人および利用店舗が特定されないよう個人情報保護法および関連法を順守し、三井住友カードにて適切な加工・統計化処理を実施したデータにて分析をおこなっています。
  • ・2020年1月1日〜6月7日までの弊社到着のキャッシュレスデータを使用しております。
  • ・加盟店の業種区分は三井住友カードにて分類した50区分となります。
  • ・三井住友カードのデータのみを分析したものであるため、実態の傾向とは異なる可能性がございます。
  • ・資料上の考察は三井住友カード及び顧客時間独自の想定見解であり、確定事項ではございません。

1.大型連休期間も消費は停滞、緊急事態宣言解除後、緩やかな上昇傾向に

緊急事態宣言全面解除以降、緩やかな回復が進む

不要不急の外出自粛を要請した4月7日の緊急事態宣言以降、決済金額は減少しました。普段は消費が活性化する大型連休期間でも例年のような消費の山は見られず、「STAY HOME週間」とも呼ばれた同期間の人々の行動抑制の現れだとも言えます。その後、5月25日の緊急事態宣言全面解除をきっかけに決済金額は上昇傾向となり、緩やかな回復が見られます。

(図1)クレジットカード決済金額の推移(3/22〜6/7)

(図1)クレジットカード決済金額の推移(3/22〜6/7)

2.「家中消費」から「家外消費」への移行

事態の移り変わりと共に、消費対象も変化

4〜5月では「ホームセンター(1位)」「ECモール・通販(2位)」「玩具・娯楽品(3位→5位)」「家電量販店(5位→3位)」などが上位となり、“家中生活の充実”を主眼においた消費行動が見られましたが、6月1週目には「スポーツブランド(1位)」「美容品(3位)」「靴(6位)」などが大きくランクアップし、家中から家外への消費対象の変化を見出すことができます。
一方で、5月〜6月1週目にかけては、家中生活を象徴する「ホームセンター(1→8位)」「ECモール・通販(2→9位)」「玩具・娯楽品(5→10位)」「スーパー(10→13位)」などは、外出自粛要請による特需状態を経て、落ち着いた推移となっています。

(図2)業種別詳細 前年同月比伸び率ランキング推移(増加業種)

(図2)業種別詳細 前年同月比伸び率ランキング推移(増加業種)

「スポーツブランド」の伸長は、外出自粛要請が出された当初から、特に20〜30代を中心に見られた傾向でした。緊急事態宣言が続く中では、在宅勤務によってスーツなどのビジネスウェアを着る必要がなくなり、運動目的よりも、機能性の高いスポーツブランドの服を着て過ごす需要が高かったことが、SNSの声からも確認できます。5月中旬以降は段階的な緊急事態宣言解除に比例するように、スポーツ関連検索も増加しています。フィットネスクラブの営業再開なども伴い、再びスポーツブランド消費の需要が高まったと推測されます。

(図3)スポーツ関連検索数(Googleトレンドより)

(図3)スポーツ関連検索数(Googleトレンドより)

SNSでの関連コメント(一部抜粋)

  • ・「在宅中はスポーツウェアが楽だよね。そのまま筋トレできるしランニングにも行けるし。」
  • ・「在宅勤務になって普段着がスポーツウェアになりつつある。」

3.EC利用が大幅に増加。全世代で進むデジタルシフト

緊急事態宣言解除後もECモール・通販利用の勢いは衰えず

外出自粛要請や緊急事態宣言をきっかけに増加傾向となった「ECモール・通販」は、緊急事態宣言解除以降も堅調な推移を示しています。外出自粛や実店舗の休業を要因としたEC利用の伸長はもちろんですが、「これまでECを利用しなかった消費者が外出自粛や実店舗の休業を要因としたEC利用を通じその便利さに気付いた」といった背景も、「ECモール・通販」増加の一因だと考えられます。
一方でリアル(ECモール・通販以外)消費は、緊急事態宣言での大幅な落ち込みと宣言解除からの回復傾向が顕著です。特に決済金額を見ると、4月20日からの1か月間は3月末と比べ半分程度の水準にまで落ち込んでおり、ECや通販チャネルを持たない小売店にとって外出自粛によってもたらされた厳しい状況を表しています。

(図4)【EC・リアル別】クレジットカード決済金額の推移(3/22〜6/7)

(図4)【EC・リアル別】クレジットカード決済金額の推移(3/22〜6/7)

4-5月はEC利用の決済比率が36%まで上昇

50の業種を生活行動パターンに沿って「衣」、「食」、「住」、「生活・健康美容」、「旅・移動」、「遊・学」、「EC」の7つのカテゴリに分類して分析を実施しました。
全ての消費における「EC」の決済金額比率は、2019年には20%弱でしたが、2020年3月から増加傾向となり、4〜5月は36%となりました。緊急宣言解除後の6月1週目も32%と高い数値を維持しています。今後懸念される第二波や第三波に対しての備えのためにも、EC・通販対応の重要度はさらに高まってくると言えるでしょう。
また、「衣」「食」「住」では、2019年が各月のシェアがほとんど変わらないのに対し、2020年の4〜5月の外出自粛期間に「衣」のシェアが低下し、「食」が増加していることが分かります。6月1週には「衣」のシェアが15%に急回復し、外に出る際の衣服購入や自粛の反動などの消費行動が考えられます。

(図5)カテゴリー別の決済金額シェア推移

(図5)カテゴリー別の決済金額シェア推移

(参考)7カテゴリの業種内訳

(参考)7カテゴリの業種内訳

定着化する高年齢層のデジタルシフト

前回のレポートで見出した「高年齢層のデジタルシフト」は、その後も同様の傾向が続いています。ECの決済金額シェアは4-5月をピークとして6月は若干減少していますが、新型コロナウイルスによる消費影響がほぼ無かった2月と比較しても大きく数字を伸ばしていることからも、今後も高年齢層のデジタルでの消費が定着する可能性を垣間見ることができます。

(図6)【性別・年代別】カテゴリー別の決済金額シェア推移

(図6)【性別・年代別】カテゴリー別の決済金額シェア推移

業種ごとで顕著に分かれるデジタルへのチャネルシフト

特定の5業種において、リアル店舗とデジタルチャネル(EC等)を展開している企業の、リアル店舗/デジタルチャネルの決済比率と推移を比較しました。
従来から、デジタルチャネルの比率が高いのは「衣服小売」「家電量販店」です。3月以降、リアル店舗での決済件数が前年同月比減少もしくは横ばいとなっている中で、デジタルチャネルの決済件数が大きく伸長し、4月の決済件数ではデジタルチャネルが半数前後を占めています。
「家具・雑貨」は上記2業種と比べ、それまでのデジタルチャネルの決済比率が低かったものの、4月以降一気に伸長し、5月も増加傾向が増しています。
一方で、スーパーやホームセンターはコロナ禍の中でもチャネルシフトの変化が見られませんでした。各地域での充実した店舗数や、店舗営業が継続していたことも要因だと考えられます。データから見えてくる業種ごとの特性を踏まえると、これからのスーパーやホームセンターのデジタル戦略は、「配送」を重視したECへのデジタルシフトだけではなく、消費者にとってアクセス環境が良い実店舗来店の利便性と、三密を避ける買物が両立できる「BOPIS(Buy Online Pickup In Store)」のような、事前注文〜店舗受け取りを重視したデジタルシフトが必要とされるかもしれません。

(図7)業種/チャネル別 クレジットカード決済件数の推移(1月〜5月)

(図7)業種/チャネル別 クレジットカード決済件数の推移(1月〜5月)

4.応援消費の増加から見る、消費への価値観の変化

コロナ禍で注目された消費行動の一つが「応援消費」です。ここでは、「デリバリー」「ふるさと納税」「クラウドファンディング」の3つの視点で、コロナ影響下の応援消費行動の移り変わりを検証しました。
関連ワードの検索数では、緊急事態宣言後に急激な検索の伸びが確認できます。

(図8)特徴的なブランドやワードの検索量(Googleトレンドより)

(図8)特徴的なブランドやワードの検索量(Googleトレンドより)

暮らしの一部になりつつある「デリバリー(出前)サービス」

近所の馴染みある飲食店のメニューをデリバリーで注文する消費も、一種の応援消費と言えます。検索傾向と同様に、デリバリーサービスの決済件数・金額も4月以降に急増しています。
6月に入っても大きな減少は見られないため、利便性だけで無く、三密を避けるため外食を控える、在宅勤務が続くなどの理由から、デリバリーサービスが暮らしの一部に根付く可能性も高いと考えられます。
また、飲食店側でも三密回避が求められる中で、従前の売り上げ水準への回復に向けて、デリバリーサービスや持ち帰りが今後の事業展開の1つとして定着していく可能性もあります。

(図9)デリバリー(出前)サービスの決済件数・金額

(図9)デリバリー(出前)サービスの決済件数・金額

例年とは異なる時期に「ふるさと納税」が増加

ふるさと納税は通常、申込期限の締切前である年末に大きく決済件数・金額が伸びる傾向にあり、3〜5月、特に4月は決済件数・金額ともに少ない傾向があります。しかしながら、2020年は3〜5月の決済件数・金額が多く伸びており、特に4月は2019年の2倍以上となっています。
家中時間の増加により寄付先をじっくりと考える時間が充実していたことや、多くのふるさと納税のプラットフォーマーが経済活動の停滞により苦境に立った多くの生産者等に向けて実施したコロナ支援対策なども、決済促進を後押ししたものと考えられます。

(図10)ふるさと納税の決済件数・金額

(図10)ふるさと納税の決済件数・金額

■応援消費の象徴「クラウドファンディング」の急増

クラウドファンディングの急増は、コロナ禍が消費への価値観や考え方を変えた象徴的な出来事だと言えます。
困難な状況に直面した音楽や映画などのエンタテインメント業、飲食業や、医療従事者の方たちへの寄付など、「大好きな場所やお店を存続させたい」「誰かの役に立ちたい」といった「応援」の気持ちが、クラウドファンディングを通して支援する消費行動として、コロナ禍で一気に急増したのではないかと考えられます。

(図11)クラウドファンディングの決済件数・金額

(図11)クラウドファンディングの決済件数・金額

調査結果に対する考察と今後について

大型連休期間までの経済活動は、引き続き停滞傾向が見られましたが、段階的な緊急事態宣言解除以降は、各業種で回復の兆しを垣間見ることができます。
特に、ECサイトの利用(消費行動のデジタルシフト)は、これまで以上にその勢いを増し、消費者にとって性年代問わず、当たり前に利用するチャネルとして定着しつつあります。
また、「応援消費」の増加から見出した、コロナ禍が与えた消費行動の価値観変化への影響は、新しい生活様式での新しい消費行動とも言える、大きな気付きの一つです。
今後も、様々な視点から、情勢変化に伴う消費行動変化の考察をさらに深めていきたいと考えています。

「コロナ影響下の消費行動レポート」詳細版について

三井住友カードでは、本レポートに掲載しきれなかった、地域別データ、顧客属性別データ、業種別データ等を記した詳細版レポートを加盟店様や事業者様向けにご用意しています。ご希望のお客様は、弊社の営業担当または、下記URLのフォームよりお問い合わせください。
https://support.smbc-card.com/inq/custella

Custella

データ分析支援サービス「Custella」について

今回の分析は、三井住友カードが提供するデータ分析支援サービス「Custella」によって実施いたしました。 「Custella」では三井住友カードが保有するキャッシュレスデータを、個人・加盟店が特定できないよう統計化された顧客属性データ(新規、リピーター、インバウンド等)や、顧客行動ごとに集計し、統計化された購買実績データ(平日、休日、時間帯、エリア等)など、様々な切り口で容易に集計し、データを「見える化」し、三井住友カード加盟店様のマーケティングを支援する分析サービスです。

  • Custellaサービス概要
  • データアナリストによる考察
  • 統計処理について

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株式会社顧客時間について

株式会社顧客時間

チャネルを変え、顧客とのつながりを強固にし、チャネルから事業変革を導く、「Marketing Design Network」カンパニー。独自メソッドを軸に、DX/D2C/OMOなどの領域で、事業会社と多領域の外部マーケティング人材との協働により、事業開発やチャネル変革を支援します。

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