社会人の悩み
仕事でストレスを感じたら?簡単なチェック方法とおすすめの解消法
社会人になったばかりの無我夢中の期間が過ぎると、次第に疲れとストレスが溜まり始めます。これを放置していると、メンタルに大きな影響が出て、出社そのものにストレスを感じるようになってしまうかもしれません。
すこやかに働き続けるために重要なのは、ストレスのサインを早期に察知することと、自分なりの解消法を見つけておくこと。
ここでは、簡単にできるストレスチェックの方法と、おすすめのストレス解消法をご紹介します。
- 記事の目次
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職場でよくあるストレスの原因
仕事をしていてストレスを感じることは、多かれ少なかれ誰にでもあるものです。もちろん、新入社員に限ったことではなく、経験を積んで人の上に立つようになっても、高い専門性を身に付けてスペシャリストになっても、それぞれの立場でまた違ったストレスを抱えるようになるでしょう。
世代を問わず、職場のストレスの原因として多いものには、次の5つが挙げられます。
1 上司との関係性
上司との良好ではない関係性は、ストレスの大きな要因です。例えば、上司が高圧的でプレッシャーを感じる、ねちねちと嫌味を言うタイプでコミュニケーションがとりづらいなどが挙げられます。
その背景には、上司と部下という関係性においては、相手の理不尽な言動にも耐えなければならない、こちらの主張が正しくても折れるしかないといった、不要な我慢が生じやすいこともあります。
2 業務量の多さ
客観的に見て、1人ではこなしきれない膨大なタスクや、明らかにほかのメンバーより多い業務量は、「終わらなかったらどうしよう」といった焦りにつながります。また、「残業や休日出勤をしなければならない」といった無理にもつながり、繰り返されることによってストレスとして蓄積されていきます。
経験や知識に見合わない仕事が多い場合も、ストレスになりやすいでしょう。
3 職場の人間関係
仕事は、自分1人でできるものばかりではありません。同僚や上司、後輩と協力し合って、時にはチームを組んでひとつの目標を達成しなければならない場面が多々あります。
しかし、自分と関わるすべての人と円滑な関係を築けているという人はまれでしょう。誰でも、「合わない人」「気に入らない人」の1人や2人はいるものです。最も良いのは、適度な距離感を保つことですが、直属の上司や先輩など、密にコミュニケーションをとらなければならない相手だと、ストレスになる可能性があります。
4 社内やクライアントからの無理な依頼や要望
社内の同僚や部下からの依頼や、仕事として担当しているクライアントからの要望には、できるだけ応えたいと思うもの。特に、要望を断ると将来的な関係性に影響するかもしれない、今後の取引にかかわりかねない、という場合は、ルールを逸脱した依頼や残業・休日出勤をするしかなくても「なんとかしなければ」と無理をしてしまうかもしれません。
こうした状況が続くと、「何でも頼んでくる同僚や部下」「いつも無理を言ってくるクライアント」「NOと言えない自分」「守ってくれない上司」といったすべてに、ストレスを感じるようになるでしょう。
5 理想と現実のギャップ
新入社員や、部署を異動したばかりの人、転職者などに多いのが「理想と現実のギャップ」によるストレスです。
希望とまったく違う部署に配属になったり、想像していたより地味で単調な仕事の繰り返しだったりしたときの「こんなはずじゃなかった」という失望、自分に対する期待値に反して成果が出せないときの「自分はもっとできるはずなのに」といった落胆は、ストレスの大きな原因となります。
ストレスの早期発見のために心掛けたいこと
ストレスを感じても、「忙しいのに個人的なことで迷惑をかけられない」「環境が変われば良くなるだろう」といった消極的または楽観的な態度で放置していると、次第に心や体に影響が現れるようになります。さらに進むと、うつ病や自律神経失調症など深刻な病気を発症することになりかねません。ストレスを感じたら、できるだけ早く適切な対処をすることが大切です。
では、無意識のストレスに気付く方法はあるのでしょうか。
ストレスを抱えている人は、心や体に何らかのサインが出ているはずです。それは、以下のようなものになります。
<心の症状>
- やたらと緊張する
- 原因は分からないが、漠然とした不安がある
- イライラする
- 感情の起伏が激しくなった
- わけもなく涙が出る
- 無気力
- 何もかもが面倒くさい
<体の症状>
- 原因不明の蕁麻疹
- 頭痛、腹痛、肩こり
- 便秘、下痢
- なかなか眠れない、眠っても寝た気がしない、夜中に何度も目が覚める
- めまい、耳鳴り
また、常時労働者が50人以上いる事業場には、労働安全衛生法にもとづいて年1回の「ストレスチェック」の実施が義務付けられています。ストレスチェックは、定期的に労働者のストレス状況を調べ、本人に通知して気付きを促すことによって、メンタルヘルスが崩れる前に対処することを目的としています。
ストレスチェックの実施方法は職場によって異なりますが、質問票には以下の3つの項目が含まれていなくてはなりません。
(1)ストレスの原因に関する質問項目
(2)ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目
(3)労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目
1例として、国が推奨する57の質問票(職業性ストレス簡易調査票)があります。個人的にストレスの状況を調べたい場合は、この質問票を利用するといいでしょう。
厚生労働省 ストレスチェックダウンロード ストレスチェック関連情報
- 別ウィンドウで厚生労働省のサイトへリンクします。
このほか、気軽にストレスチェックができる以下のようなサイトもあります。
- 5分でできる職場のストレスチェック
厚生労働省が職業性ストレス簡易調査票にもとづいて作成したセルフチェック。4つのステップからなる簡単な質問に応えると、職場におけるストレスレベルを知ることができます。なお、会社として従業員にこのセルフチェックを行わせただけでは、法に基づくストレスチェックをクリアしたことにはなりません。
5分でできる職場のストレスチェック|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(自殺対策を含む)
- 別ウィンドウで厚生労働省のサイトへリンクします。
- 労働者の疲労蓄積度チェックリスト
中央労働災害防止協会(中災防)が作成している、労働者自身が疲労度をチェックするためのリストと、家族が労働者の疲労度をチェックするためのリストです。
中災防:Webでチェック 労働者の疲労蓄積度チェック 労働者自身用
中災防:Webでチェック 労働者の疲労蓄積度チェック 家族用
- 別ウィンドウで中央労働災害防止協会のサイトへリンクします。
おすすめのストレス解消法
何らかの自覚症状があるときや、ストレスチェックで高ストレスの診断が出たときは、すみやかに医療機関を受診しましょう。また、普段から自分なりのストレス解消法を持ち、溜め込まないようにすることも大切です。イライラしたり、頭に血が上ったりしたときは、ストレスの原因と物理的・精神的に距離をとるのが有効です。可能であれば、席を立ってトイレに行く、外に出るなどして、気分をリフレッシュさせましょう。
また、仕事とはまったく関係のない趣味を持つこともおすすめです。スポーツや旅行、カラオケ、映画鑑賞など、分野は何でも構いません。その時間は仕事のことを忘れられるような、没頭できる趣味を探しましょう。
- 2020年2月時点の情報なので、最新の情報ではない可能性があります。